どうもです。

今日は、将棋の勉強法についてですね。

ちょっと前にも勉強法について話をした気もしますね。



今回、「1万時間の法則」についてお話したいと思います。

「1万時間の法則」って、ビジネスマンであったりすると、結構聞いたことある人も多いんじゃないかと思います。

結局、天才と呼ばれる人は、努力は積み重ねによって達成していると。

ボードゲームや、楽器の演奏において一流になるには、1万時間の集中的練習を行えば誰でもなれるという主張です。

その根拠となるのが、1993年に心理学者のエリクソン氏が発表した論文で、そこで主張されたのが、

「1万時間は成功へのマジックナンバー」

ということになります。

しかしながら、それが2014年にミシガン州立大学によって発表された研究によって真っ向から否定されております。

チェスの名人とプロ音楽家のデータを調べ直したところ、各人の練習量とパフォーマンスには大きな差が出たとのことで、

研究者によれば、1万時間の練習では天才が生まれる理由の3割程しか説明できないということ。

エリクソン氏の研究は、本物のエキスパートではなく、たんなる初心者にリサーチを行った可能性が高いとの分析みたいです。

元々の論文の根拠に不備があったということになります。



じゃあ残りの7割は、何なのということになりますが、



天才を決める残り7割の要素は、まだ不明らしいです。



つまり、強くなるにはとりあえず1000局指して感想戦とか、詰将棋本10周、とか手筋本10周とかって正直、微妙かもしれないというところですね・・・



私もそういった動画を出して、実際にその方法でウォーズ初段になった人間なのですが、3割くらいはそれで行けるのかもしれませんし、具体的な学習のためのメソッドがあった方が方針が立てやすいというのはあるのでいいと思いますが、

自分がこれでウォーズ初段になれたから、同じ分量をこなせば他の人もウォーズ初段になれるって思ったらダメっていうことですね。

あくまで参考例だというところです。

『脳を最適化する ブレインフィットネス完全ガイド』
(著者名:アルバロ・フェルナンデス【著者】/エルコノン・ゴールドバーグ【著者】/パスカル・マイケロン【著者】/山田雅久【訳者】)
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-08-EK-0284097

こちらの本を読んでみても、何かを上達するに当たっては、様々なアプローチが必要だということが分かりますからね。

上達しようと思っている何かに対して、それだけに集中してしまうとかえって効率的でないといった場合があるのです。

例えば、有酸素運動、筋トレ、マインドフルネス瞑想、健全なコミュニティへの参画、語学の習得、普段習慣化されていないものに対するチャレンジなど、

一見、将棋に関係のないようなことが案外、脳を最適化し、結果的に将棋が強くなるということもあったりもするわけです。

こう言った観点からも「1万時間」の法則は、正しくないんじゃないかと言えるわけですが、これをデータでもって証明したのが、2014年にミシガン州立大学の研究だったというわけです。



将棋においても未だトップクラスであり続けられている羽生善治先生は、本当に将棋だけじゃなく、様々な教養をお持ちですからね。

真冬や真夏を除いて、渋谷駅から将棋会館まで散歩するといった有酸素運動の習慣をお持ちであったり、

『教養としての将棋 おとなのための「盤外講座」』(著者名:羽生善治【著】/梅原猛【著】/尾本恵市【著・編】)(https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-08-EK-0711428

での故・梅原猛氏との対談においても深い教養がにじみ出ておりました。



このように将棋が強い人は、将棋だけを集中的にやっているわけではなさそうなんですよね。

あと、羽生先生の著作の中に、一気に強くなろうとしてはいけないという記述があった覚えがあります。

出典なくて申し訳ないですが。



私自身、それを実感しておりまして、ウォーズ初段まで一気に駆け上がった時期がありましたが、その後燃え尽きて低迷しましたからね。



かつて、「観る将の私が将棋を指し始めて1か月でウォーズ初段になれるのか」といった趣旨の企画をしておられたYouTuberの方がおられまして、

実際に初段になっておられました。

正直、私からすると「観る将」の定義が怪しいような気がしましたが、それでもかなりの努力をされたことは間違いないと思います。

しかしながらその後、その勢いで二段、三段、四段と上がっていったかというと、そういう話はなく、その初段になったアカウントを見てみても達成率は20%を割って一桁台まで落ちていた覚えがあります。

ちなみに、その方は今、YouTubeも投稿されておられないです。



こういった例があるように、○○までに一気に○段になる!

っていうのは、ちょっと微妙だということです。



そして、話を元に戻せば、

○○○○局指して、○○○○時間将棋の勉強して、○段になる!

っていう考え方は、やめた方がよいよねという話になります。



将棋は「1万時間」やったからと言って五段になれるとは限らないっていうことです。