1. FinTechがAmazonにもたらした富

 

伝統的な大手企業は、老朽化したモデルを破壊する可能性を持つ新興企業と共存する道を探し始めました。 

 

モバイルやデジタルバンキングの台頭や、特に店舗型銀行間の繋がりの低下は、その事実の裏付けになります。

 

しかし、FinTechによる新しい金融サービスを創出及び提供することを目指しているのは銀行だけではありません。

 

大手eコマースであるAmazonもまた、この市場に参入しようとしています。

 

電子商取引大手の”Patrick Gauthier”は最近、FinTech企業の買収を検討していると発表しました。

 

これは、アクティブな顧客基盤を持っているAmazonにとって、必然的な発展となるでしょう。

 

Amazonは、決済ユニットに2300万人のアクティブユーザーがおり、オンラインストアに「Pay with Amazon」という購入ボタンを追加して以来、その加盟店において、前年比で200%伸びており、決済の分野で成長を続けています。

 

 

Amazonがこのような動きをすることには前例があります。

 

中国の電子商取引大手”Alipay”は月間アクティブユーザー数が4億5000万人を超え、中国のオンライン決済市場の50%以上を占めています。

 

FinTech企業を買収することで、Amazonは”Apple Pay”や”Visa Checkout”などの他の精算サービスと競争力を高めることができます。

 

ビジネスインサイダーのプレミアムリサーチサービスである”BIインテリジェンス”は2020年までに、モバイルコマースが全米の電子商取引小売売上高の45%を占めると予測しており、今後数年のうちにモバイルコマースの重要性はますます高まっていく可能性があります。

 

Amazonの計画一つを見ても、今後の市場の進化がもたらす混乱を乗り越えるために、すべての企業の生存競争において大切な戦略になると言えるでしょう。

 

より密に議論すべきためには、何十年にもわたって組織や業務体制を再構築している企業がすでに確立された技術とプロセスを完全に中断し、スタートアップの生み出していくイノベーションに順応することが重要になることでしょう。

 

2. Amazonが進出を目指す新たな分野

 

・従来のリテール銀行 vs オンライン専用銀行:従来のリテール銀行は様々な価値あるサービスを提供してきました。

 

一方で、オンライン専用銀行は、より高いレートかつ低い手数料で同じようなサービスを提供することができます。

 

・従来の貸し手 vs Peer-to-Peerの市場:P2Pの貸出市場は伝統的な貸し手よりもはるかに速く成長しており、小規模な貸出ネットワークを構築する銀行の戦略が成功するかどうかは分かりません。

 

・従来のアセットマネージャー vs ロボ・アドバイザー:顧客に対するサービス一つの改善とするロボ・アドバイザーは、手数料を抑え低価格で、投資家に安心できるリターンサービスを提供します。

 

このように、変化の激しいこれからの環境の中で、明確な勝者と敗者に分かれていく可能性があります。

 

この流れをうまく掴んだ企業や個人は、これまでにないような新たな手法によるコスト削減や成長の機会を得られるでしょう。

 

後編に続きます。

 

 

 

参考Webサイト(References)


http://www.businessinsider.com/amazon-thinking-about-FinTech-acquisitions-2016-4-26 

 

https://www.technologyreview.com/s/603035/amazons-grocery-store-doesnt-have-a-single-checkout/