世界銀行グループの機関の一つである国際金融公社は、テクノロジーやテレコミュニケーション、金融サービス部門を長い間サポートしてきました。

 

金融テクノロジーは発展を続ける産業の中心となっています。

 

金融サービスの広範囲にわたる利用を実現することは、世界中の国々を発展させる大きな原動力になります。

 

2010年に結成されたFinTech投資チームは、金融の基盤、製品、サービスなどの分野においてテクノロジー主導の革新に焦点を当てています。

 

2015年中頃までに、彼らは初期~成長段階にある世界中のFinTech企業に1億8000万ドル以上を投資しました。

 

ますます多くの人々がスマートフォンによる決済や、ネットバンク、オンライン取引、オンライン貸付や金融アドバイザーロボットなどのサービスを通して、FinTechに対して良い印象を持つようになっています。

 

テクノロジーが発展し続ける限り、わたしたちは世界の金融を改善していく方法を見つけていくことができるでしょう。

 

 

今回は、FinTechの歴史を紹介します。FinTechの原点は何だったのでしょうか?弊社の事業とも関連が深いFinTechについて、その歴史を紐解いていきます。

 

1. 印刷機の発明からFinTechは始まった

 

FinTechの起源は印刷機の発明まで遡ります。印刷機が発明されたことによって、紙幣の印刷が可能となり、国がこれまで以上に通貨を流通しやすくなりました。

 

最大の進歩と言えるのは、1866年に電報が発明されたことと、世界初の大西洋を横断するケーブルが開通したことです。それらは金融のグローバル化が始まるきっかけとなりました。1

 

1918年に、電報はネットワークによる資金移動システム” Fedwire Funds Service”の基礎となりました。そして、連邦準備銀行によって、登録商標の通信システムが設立されました。

 

1970年代初期まで、そのシステム内では銀行送金の手段として電報が利用されていました。

 

 

2. 決済システムへのFinTechの導入

 

わたしたちの金融テクノロジーの基盤の大部分は、1950年から1970年代にかけて作られたと言われています。

 

1950年ダイナーズクラブによるクレジットカードの導入とともに始まりました。

 

1960年代には現金自動預け払い機(ATM)が導入されましたが、実際それが銀行の出納係に代わるものになったのは、1970年代に入ってからのことでした。

 

1960年に、Quotronシステムは株式市場の相場を提供する最初の電子システムとして登場しました。それらは、とても大きなデスクトップ・コンピュータのように見えました。

 

1966年に、世界的なテレックス・ネットワークが確立され、国際的な舞台で将来の財政的な技術開発の枠組みを提供しようとしました。

 

その後に手形交換所加盟銀行間決済システムが導入されました。そのシステムによって、世界で最も多くの人々に利用されている銀行において、アメリカドルで送金し、支払いを行うことが可能になりました。

 

1980年代には、銀行は大きなメインフレームコンピュータ(企業の基幹業務と呼んでいる組織内部の処理と、大量または機密性の高い処理に利用する大型コンピュータのこと by Wikipedia)によって洗練されたデータ記録管理システムを利用し始めました。

 

198年には、E-Tradeが、個人投資家が利用可能な電子取引システムとともに、FinTechを人々にもたらしました。

 

1990年代には、インターネットの成長に伴い、E-Tradeの様式はオンライン証券取引サイトで利用可能になりました。それが本当のFinTech企業の始まりであると言われています。

 

銀行がオンラインバンク機能を顧客向けに導入し始めたのは、1998年になってからのことでした。

 

 

 

3. デジタル化時代のFinTech

 

インターネット・テクノロジーの台頭で、FinTechは、一般の人々の大半が気づかなかった、金融機関において利用される、より一層洗練された危機管理や、取引処理、現金管理とデータ分析ツールなどの利用によって、多くの金融テクノロジー基盤が改善され始めました。

 

2000年代には、インターネット接続環境が改善されたことで、多くの新興FinTech企業が消費者の直面する問題に対する解決策を提案できるようになりました。

 

PayPalは、人々が決済を通してお金を管理する方法を変え始めたFinTech企業の先駆けでした。

 

eBayは消費者が市場を形成し、競売アイテムの価格を設定するのを可能にした、初の電子商取引権利拡大ウェブサイトの1つで、すべてはそこから雪だるま式に増え始めました。

 

World Wide WeがWeb 2.0を導入したときに、インターネットの民主化が始まり、データの交換のための仲介役として、プログラミングに精通した人々がCloudを利用した相互作用可能なウェブサイトをつくることを可能にしました。

 

これによって、既存の銀行に代わり、従来のビジネス・モデルを打ち破ろうとしているFinTech企業家たちのために、まったく新しいフロンティアが開かれることになりました。

 

4. FinTechの「今」

 

スマートフォンの登場によって、情報の伝達速度が早くなり、消費者と企業間、そして、消費者と消費者間でのお金のやりとりは減少しました。

 

消費者を「製造者」に変えるシェアリング・エコノミー(共有経済)はこの時誕生しました。ソーシャルメディアの発達により可能になったモノ、お金、サービス等の交換・共有により成り立つ経済のシステムのことです。

 

アルゴリズムのプログラミングを使っているロボットのアドバイザーは、カスタマイズされた投資アドバイスを提供することが可能で、人間のアドバイザーと比べるとわずかなコストで、個別の投資ポートフォリオをつくることができました。

 

オンライン金融は急速に成長し始め、従来の銀行を大幅に無視した信用を消費者やビジネスシーンにおいて提供しました。

 

クラウドファウンディングサイトは、起業家のために金融の新しいルートを開拓し、新興FinTech企業の設立に着手する手助けを行うことで普遍的な革新の流れをつくろうとしています。

 

     

日本の長崎・佐世保市にある「変なホテル」では、ロボットがフロント役をつとめています。

 

FinTechは時代の流れとともに発展を続けています。今後もテクノロジー革新によって、世の中はますます便利になっていくでしょう。 

 

FinTechがこんなにヒットするとは、誰にも予想できなかったでしょう。

 

弊社が現在開発中のSNSプラットフォーム”Wrappy”も無限の可能性を秘めています。

 

一方で、FinTechに関する知識を持つ人と持たない人との間で、格差が生まれ、情報弱者が不利益を受ける可能性も考えられます。

 

大切なことは、ひとりひとりが勉強して正しい知識を身につけ、安全に利用することだと思います。わたしたちも、お読みいただいた方の理解の一助になれるよう、今後もより良いコーナーを目指していきます。

 

 

 

参考Webサイト(References)

 

The history of fintech

http://www.banklesstimes.com/2016/06/27/the-history-of-fintech/

 

FINTECH

http://www.ifc.org/wps/wcm/connect/Industry_EXT_Content/IFC_External_Corporate_Site/TMT/Priorities_TMT/TMT_Fintech