スノーデンの「今」
エドワード・スノーデンという名前は、人によって異なる意味を持ちます。
ある人にとっては、彼が英雄であり、大勢のアメリカ国民の利益を守るために自身の幸福を犠牲に勇敢な内部告発者であります。
一方で、彼は裏切り者で、メディア機関に米国政府の秘密を漏洩することにより、アメリカを危険な状態に導いた犯罪者でもあります。
ロシア政府は、スノーデンに一年間の亡命期間を提供しました。
つまり、スノーデンはアメリカに送還されることを恐れることもなく、2014年までロシアに自由滞在することができるということです。
期限である1年が過ぎた後も、ロシア政府は更に3年間延長し、スノーデンは2017年8月1日までロシアに自由に住むことが可能となっています。
スノーデンは、政府の透明性と報道の自由の擁護者であり、世間の人々は彼の事を忘れてはいません。
彼は2014年よりTwitterを頻繁に利用し始め、二百万人を超えるフォロワーを持っています。
また、非営利団体である言論自由財団のディレクターとして政府を批判し、本来もっと自由であるべきメディアの育成に力を注いでいます。
また、非公開の場所から定期的に現れ、インターネットライブストリームを介し発信しています。スノーデンはそこで得た発信料で自身の生活を維持しています。
スノーデンは現在ロシアに住んでいますが、正確な居場所は誰も知りません。
彼は残されたあと一年の庇護の下でロシアに滞在していますが、いずれ彼はふるさとと呼ぶ新しい国を見つける必要があります。
もしそうでなければ、アメリカに戻ることによって拘束される事態に直面するでしょう。
スノーデンが自分の身を危険にさらしてでも世界中の人々に伝えたかったこと、それは政府に情報を監視されているということが、いかに危険であるかということです。
政府関係者は絶対にアメリカ国民の情報を漏洩しないと言い切ることができるでしょうか。
普段の何気ない会話も全て監視されているとするのなら、人々は自分の発言にもっと注意を払わないといけなくなるでしょう。
個人情報などを覗かれ、それが流出してしまうと電話やメールによる勧誘が増えたり、詐欺や架空請求、脅迫やストーカーなどの被害に遭う可能性も高まります。
また、IDなどの情報を抜き取られることで、誰かになりすます人間が出てくるかもしれません。それによって犯罪者の疑いをかけられる人もでてくるでしょう。
自分の情報は自分自身で守らないと、誰も守ってくれません。アメリカ国民は自国の政府によって言論の自由を奪われているのです。
アメリカ政府が国民監視システムをスタートしたのには当初、軍事的な理由から中国を監視することが目的だったという話もあります。
もしも、アメリカ政府が全世界の人間の監視を始めたら、今これを読んでいるあなたの大切な情報も危険にさらされることになります。
情報流出の危険性を重く受け止め、ひとりひとりが対策を行っていくことが早急に求められています。
参考Webサイト(References)
Russian Hospitality: Why Snowden Picked Moscow as His Transit Point
http://world.time.com/2013/06/23/russian-hospitality-why-snowden-picked-moscow-as-his-transit-point/
Where Is Snowden Now? The Whistleblower Has A Unique Living Situation
Edward Snowden: Don't fear Trump, fear the surveillance state
http://www.zdnet.com/article/snowden-talks-surveillance-trump-post-election/