≪ZonDir Proteusion Part13≫韓国の銀行が業界初の試み

1.韓国・中国間でビットコイン送金が可能に

韓国の大手金融機関の一つである”新韓銀行”が、2016年12月から韓国と中国の間で、ビットコインの送金サービスを開始することを発表しました。

主要な銀行がビットコイン譲渡システムについて発表をするのはこれが世界で初めてのことです。

新韓銀行はソウルに本社があり、国内外に723支店と8531人以上の従業員を抱えています。

資産285兆韓国ウォン以上(251億米ドル以上)を保有し、世界19ヶ国に140ヶ所のネットワーク拠点があります。

また、新韓銀行はアジアの銀行部門で数多くの賞を受賞しています。昨年には”最優秀リテールバンク賞”を受賞しました。

今回、新たな送金サービスを提供する”Streami”は、ブロックチェーンの送金ミドルウェアであり、金融サービスやインフラ提供なども行っている企業です。

主要なマーケットは韓国と中国ですが、他にもフィリピン、香港、インドネシア、シンガポール、タイなどもターゲットにしています。

2016年12月、新韓銀行はStreamiに約427,000米ドルの出資を行いました。承認されたパートナー間でビットコインを受け渡しすることで、国から国へ価値の移動が行われます。

そして、従来の送金ネットワークを利用するよりも低料金で２、３分以内にビットコインを送金することが可能になりますので、利用者にとっては時間とお金の節約になります。

Streamiの代表は、韓国と中国間での送金ネットワークを構築することを目標に、昨年会社を起こしました。

この新興企業は、2015年上半期に”Shinhan Future Lab”が提供する新興企業育成プログラムの対象となりました。

”Shinhan Future Lab”は、直接株式を購入することで、新興企業に5億韓国ウォン(437,637米ドル)の援助を行いました。

また、Streamiはこの12月、クラウドファンディングによってさらに200万米ドルを確保しました。スポンサーの中には先ほどお話した新韓銀行も含まれています。

2. ビットコインを入手しやすい環境が整っている

ビットコインに対する優良なアクセス環境において、韓国に勝る国を探すことは難しいでしょう。

韓国には人気の高いビットコイン交換所がいくつかあり、国民は個人でビットコインを購入することが可能な17,000台以上のATMマシーンと24,000店のコンビニで、ネットワークを楽しむことができます。

韓国政府はビットコインに関するあらゆる動向に着目しているようです。また、韓国政府は数年以内に、自国で開発したブロックチェーンをベースにしたデジタル通貨を発行すると発表しています。

しかしながら、暗号通貨が法的決済に利用できるようになるためには、韓国の法規そのものを変えていかなければなりません。

韓国は2017年3月までに暗号通貨利用基盤の整備を目指しています。

暗号通貨による取引が完全に合法化するまでは、Streamiはビットコイン取引所の一つがある香港にビットコインを送金し続けるでしょう。

Streamiは中国のビットコイン取引所に参加するために、ビットコインを送金し、受取人の国の通貨に換金しています。

ビットコインを購入する好環境があるため、多くのフィリピン人は海外で稼いだお金をビットコインに換え、自国に送金しています。韓国はビットコイン送金に関する主要なハブ(中心地)となっています。

”Payphill”、“Hyphen”、“Coinplug”といった競合する韓国のビットコイン送金会社は韓国とフィリピンの間で送金を行うビジネス基盤を着実に固めています。

それぞれが、12月には新韓銀行の送金サービスの競争相手となるでしょう。

経済を創造していく原動力となる”情報コミュニケーション技術”は、韓国の次世代の成長分野となるでしょう。

高スキルの職業創出、特にソフトウェアエンジニアリング、「ビッグデータ」分析、その他「創造的な経済」に関する職業の分野において機会は開かれています。

これらの韓国にとって強みとなるサービス部門の発展の影で、未だ発展が行き届いていない地域も残されているのが課題となっています。

- 韓国の基本情報 -

参考Webサイト（References）

Major Korean Bank to launch bitcoin-backed remittance service

Economy of South Korea

South Korea's Shinhan Bank Backs Blockchain Startup's $2 Million Round