遡ること数年前・・・厳密に調べた訳じゃないけど、恐らくは2009年の春頃の事。
ここを始めたのが2010年の春なんで、それより一年ほど前って事になりますな。
その頃はまだDTMもようやく始めた頃合だったんで、知識も技術も機材も全然無い状態でほとんどゼロに近い状態だったはず。
基本、自分が面白いと思って始めた事は、他人に教わるよりまず自力でやってみるタイプの奴なんで、とにかく何をどうすればどうなるのかっていう基礎の基礎を学習する事から始めた訳です。
そういうスタンスは若い頃からずっとやりたかったPCでのアートワークにおいても例外じゃなく、CGに関してもDTMに関しても、ほぼ独学でコツコツやってきた結果が現状です。
無論、それはちっとも効率的じゃないし、『やりたい事を具体的に形にする』 という目的からすれば、知識や技術を持った先人から積極的に学ぶのが妥当で賢明、何よりも手っ取り早くて効率的だって事になるんですが、俺はそれが解ってても遠回りして自力を選んで来ました。
なんだろね、ガキの頃から他人を頼れない境遇にあったからなのか、他人を信用せずに済む選択を優先させる大人になってしまったからなのか・・・まぁ、なんだっていいんだけど。
そんな訳で、やっと念願のDTMに手を出し始めてた頃、ふと思いついた事があったんですよ。
DTMに憧れてたぐらいなんで昔から音楽は人一倍好きで、CDやらも積極的に買ってたりしたんだけど、そんなCDの中でも勿体無いな~といつも思ってる事があった。
今はかなり減ったけど、一時期のCD・・・特にシングル盤には、必ずってぐらいタイトル曲のカラオケトラックが収録されてましたよね。
多分、巷のカラオケブームに則った形で収録されてたんだと思うんだけど、あれって実際にカラオケとして使ってた人なんてほぼ居ないんじゃないんだろうか。
つまり、歌を覚えるとか練習するんであれば、歌手が歌ってる通常トラックに合わせてユニゾンで歌う方が絶対に効果的だし、カラオケとして自分メインで歌うんであれば、一曲ごとにCDを交換するよりは、最初からカラオケボックスとかに行くよね・・・っていう。
結局、CDに収録されてたあの公式なオケってのは、大多数の素人にとってほぼ無意味だったんじゃないかって思うんですよ、例外はたまにあるかも知れんけどもね。
で、そんなカラオケトラック・・・略してオケトラってのは、音がプロ仕様なのにも関わらず使い勝手が少なくて勿体無いな~とずっと思ってたんです、個人的に。
そんなオケトラをですね、なんとか有効活用するにはどうすれば良いんだろうって考えると、実に単純な答えにしかならないんです。
そう、歌えば良いんです。
プロ仕様のオケトラに合わせて、自分のボーカルをちゃんと乗せてあげれば良いだけなんです。
そこにオケがあるんだったら、そこにレコーディングしたボーカルをミックスしてやるだけで、それはハイグレードな音源に化ける訳ですよ。
え? 何を当たり前な事言ってんだって?
じゃあ訊きますが、まだ規制が緩かった当時のつべとかで、プロ仕様のオケトラに自分のボーカルを乗せてUPしてる奴なんて居ましたか?・・・って話。
今と違ってへっちゃらでCD音源がそのままUPされまくってた時代なのに、そういった遊びをする奴ってのはまず居なかったんですよ。
今ですらUPされてる素人の歌モノってのは、技術云々じゃなく発想として程度がかなり低いもんばっかりですよ。
つべは規制が厳しくなって以降、プロ仕様の音源をUPしてもサーバー側で音を潰す処理がされる様になって、商品化されてる音源のUPはほぼ不可能になってます。
なので、CDの様なスタジオレコーディング音源は探してもなかなか見つからないし、あっても何年も前にUPされたものであるとか、権利の所在がよく解らない様な古い音源ばっかり。
そんな現状にあって、あまり厳密に規制されてないのは素人制作の音源やら、カラオケ配信的な動画なんですね。
素人が作った音源であれば、それが有名アーチストの曲であっても現状では規制されない・・・つまり、一からしっかりとしたものを作り上げれば、それはいくらハイグレードでも素人音源だから規制対象にならない訳です。
だからこそ、ここ最近は俺もリスペクトカバー音源を意欲的に作ってUPしてたりするんだけども・・・まぁ、俺も別にカバー曲を演るのが目的じゃないんで、あくまでそれなりの技術とか持ってる連中を良い意味で焚きつけようとやってる程度ですがね。
あまりにも(発想として)程度の低い音源ばっかりでつまんないんですよ、現状見てると。
さて、そんな感じで現状のつべには面白味をほぼ感じない訳なんですが、余りにも有名になってしまったのはつべだけで、他の海外動画投稿サイトってのはまだまだマニアックって認識ですよね、多くの日本人にとって。
んで、つべ以外は未だに規制とかも緩いままというか、規制なんてほぼ無いに等しいんです。
権利者側が海外のそういった運営企業とかに申し立てするのって、実は結構面倒な事らしいんですな。
つべだって比較的早い段階から規制の声が権利団体から上がってたんだけど、前は直接窓口が皆無だったり、英語でのアプローチが必須だったりしたもんで時間掛かったんですよね。
結局、Googleとつべがくっ付いて、Googleを通じて規制が容易になったのが現状。
要は、それぐらい土台を固めないと面倒なのが権利関係って事なんですね。
無論、海外のあらゆる動画サイトをGoogleみたいな大企業が全部買収する訳にも行かないんで、まともな規制なんてつべみたいな大手しか出来ないのが現実なんです。
まぁ、そんな話は置いといて・・・ですねw、話を2009年に戻しますよw
そう、まだDTM初心者だった2009年の春頃、ふと思ったんですよね、CDのオケトラって勿体無いよな~・・・って。
そうか、勿体無いから歌えば良いんだな~・・・という単純な答えが見つかった時、俺はとりあえずテスト的に一曲歌ってみる事にしました。
なんだかんだで沢山あるCDの中からオケトラ収録のものを幾つかチョイスして、その時に歌ってみようと思ったのは、カラオケブームよりもずっと前に発売されてたCDシングルの曲。
意識的にタイムリーな曲を外した訳じゃないんだけど、どうせなら普段からそう歌わない曲にして、自分が作る曲とも明確に違う路線の方が面白いんじゃないかとは考えたと思う。
さて、いざ録音してみたものの、3テイクか4テイクぐらい歌ってもしっくりこない。
無論、歌い慣れた曲でもないし、曲自体も難しいのをチョイスしちゃったもんで仕方無い部分はあったんだけど・・・それにしても全然ダメだった。
とにかくどうにも思った感じにならないもんで、一応のテスト版のみを作っただけで、音源自体はお蔵入りという事に。
当然、オケトラを有効活用しようって試みも一発目で大コケしてしまった訳で、二発目をやる気にもなれず、なんだかんだで月日が経ったのでしたとさ。
2015年のある日、ふとオケトラ有効活用の事を思い出すきっかけがありました。
気付く人はもう気付いてるかもですが、2月の記事で全くやる気のないつべセッション音源と共に公開した音源があったんですよね・・・メロをギターで弾いたPRIDEっていう。
記事では特筆しなかったものの、あれはいわゆるオケトラです。
本来ならボーカルを乗せるべきオケに、あえてギターでメロを乗せたバージョンでした。
つまり、あのPRIDE音源こそ、数年の時を経て再始動したオケトラ有効活用企画の二発目であり、一般公開したって意味では最初となった音源だった訳です。
さてさて、そんな事があって数ヶ月、ここに来てまた音源いじりを積極的にやる様になったあんびさんはですね、ボツにしたそもそものオケトラ有効活用トラックのデータを引っ張り出してみたんです・・・前述したお蔵入りの一発目の曲ですね。
すると、2009年当時のボーカルデータがしっかり残ってました。
それもあの当時にしては珍しく、録音した全テイクをそのまま残してたんですね~。
前はわりとデータを簡単に捨ててたもんで、全テイクそのまま残ってるとは思いもよらず、我ながらちょっとビックリ。
で、2009年当時とは使ってる作曲ツールも違うもんで、今現在のツールで簡単にオケトラとボーカルデータを合わせてみたんですよ。
そしたら、思ってたより悪くないというか、ツールが違うからミックスでかなり細かい調整が出来る様にもなって、なんとか聴ける様な状態の音源が作れそうな気配がしちゃったんです。
うん、しちゃったんだからやってみるしかないよね、もう。
という訳で、かなり前フリが長くなっちゃいましたが、2009年当時のボーカルデータを使ったオケトラ有効活用企画一発目の音源をどうぞ。
カルアミルク [Original by.岡村靖幸]
ハィ、知る人ぞ知る名曲、岡村ちゃんのカルアミルクが企画一発目にチョイスした曲でした。
オリジナルは1990年の12月にシングルカットされた8cmシングル盤で、正式には 『カルアミルク (君も歌ってみよう編)』 というタイトルでの収録。
その後のベスト盤やらリマスター盤には収録されてないんで、現在はシングル盤を持ってる人だけ聴けるレア音源って事になってます。
まぁまぁ、この曲を企画一発目にチョイスする辺りは非常に俺らしいと我ながら思いつつも、こんな難しいの選ぶなよ!ってツッコミも同時に入りますよねw
カラオケボックスとかでも普段歌わない曲だったりしたのに、なんでまずここから手をつけようとしたのか、自分でも謎ですw
そりゃあね、一発目から大コケもするわいなw
って事で、肝心の歌の方なんだけど、前述した様に3テイクぐらいは通しで歌ってるのがあって、あとはパーツ別に歌ってるのが幾つかあったんで、実質4テイク分ぐらいデータがありました。
結果的に各テイクのおいしいトコを繋いで1トラックにミックスした訳なんだけども、録音の音質自体は決して良いとは言えなくて・・・最近も似た様な事を書いたけどもw
え~とですね、録音データの音質はWAVで残してるんで劣化とか無いんだけど、そもそもレコーディング時に細かいセッティング調整をしてなかったんですね、恐らく。
だもんで、概ねクリアに声が録れてるんだけど、ブレス箇所でいちいちクリッピングが・・・音割れが起きちゃってるんですよ。
これはわりと静かな曲調で張り上げる部分も少ないんだけど、岡村ちゃんの曲は基本的に声の演出が派手なのと、音程の変化が極端だったりでブレスが強めに出たりする箇所も多いのね。
この曲の場合だと、Aメロ後半の 「No oh」 の部分がもれなく音割れしてます。
本来はそこだけ録り直すのが妥当ではあるんだけど、今回はあくまで2009年当時のデータのみ使う前提で手を付けたもんで、出来るだけ誤魔化す小細工はしてるものの、あえて録り直しはしてません。
個人的な拘りに過ぎないんだけど、2009年の俺に歌わせたかったんですよ、これは。
とまぁ、こんなところですかね。
とりあえず、オケトラ有効活用企画の一発目、二発目を形に出来たって事で、自分的にはそこそこ満足です。
三発目以降はまた気が向いたら考えるかも知れないし、言っても本筋があるんでこういうのはもう無いかも知れないし・・・先の事は解りませんな。
ちなみに、次の記事辺りで少しまとめようと思ってるんだけど、その企画二発目のPRIDE含め、数曲をここひと月ぐらいでミックスし直してUPしてたりします。
なんだかんだ、ここ二年ぐらい音源いじりにはブランクがあるんだけど、その分を取り返すべくミックス作業は積極的にやるつもりですので、今後。
まぁ、その辺りの細かい事も含め、次の記事をなるべく近い内にまとめる予定・・・は未定。