生まれてこの方、まともに誕生日を祝って貰った記憶が無い。
いや、ガキの頃の事はすっかり忘れてる部分が多いから、ひょっとしたらある程度は家族で祝ってくれてたりもしたのかも知れないけど、とにかくベタな誕生日の記憶が無い。
が、小学生の時に同級生の誕生会に行った記憶ならある。
当時やたらと人気だったロケットエンピツをプレゼントに持ってった気がする・・・その辺りはおぼろげ。
当時は誕生会なんてもんを現実に開く家があるって事が衝撃だった。
だから、誕生日を祝う気持ちなんてさらっさら無く、単に物珍しさで参加したんだと思う。
そう、記憶が確かなら、あちらから呼ばれた訳じゃなく、「行ってやる」 的に押しかけた様なもんだったはず。
まるでちっさい大橋巨泉状態だが、そこまでしたわりに参加したって記憶しか残ってなかったりする。
行ったは良いけど、「こんなもんか・・・」 で終わったんだな、きっと。
まぁ、初めてのアレみたいなもんです・・・って、アレがなにかは訊かれても答えませんが、下ネタな事だけは確かです。
ともあれ、誕生日ってテーマの記憶はその程度のもんしかなくて、自分の誕生日にどうしたこうしたってイベント的なのは全然無いまま生きて来ました。
俺は世間のイベント事が好きじゃないって昔から公言してるんだけども、好き嫌い以前にイベント事の時にイベントらしい事をする状況が無かったんですな、不思議なほど。
誕生日は勿論、クリスマスやらバレンタインデーやら、彼女が居るのにも関わらずその時に会えないのが恒例で、世間がイベントムードで騒いでるのを傍観しながら、普段通りの生活をするのが当たり前。
誕生日だからとりあえずおめでとう的なコメントとか言われても、余りにも変化の無い一日で逆にインチキ臭さを感じてしまうという。
そこで 「何がめでたいの?」 と訊いちゃう事はさすがに無いまでも、内心ではまさしく 「いつも通りの一日過ごしてめでたいも無いよな~」 と感じてしまうバカ正直な俺。
だから、「ありがとう」 なんて簡単に返せないんです、言えば我ながら嘘臭さが耐え難いと思ってしまうんで。
個人的には、誕生日おめでとうより、一年お疲れ~って方がよっぽど的を得てると思う。
とか言いつつ、自分から言う分には違和感もあんまり無いんだけどね、おめでとうって。
そんなこんなで、誕生日ってもんにそれほどの価値を見出せずにいる俺なんですが、それはあくまで自分の誕生日の場合。
他人様の誕生日ってのは、それなりにイベントとして取り上げるべきもんだと思ってます。
なんせ、俺は好き嫌いが極端で、一度気に入って抱え込んだら、それはもう惜しみなく愛を注ぐスタンスですので・・・相手の出方にもよるけど。
気付けばもうかなり前の事になってるけど、当時まだ高校生だった子と付き合ってた事があるんです・・・名目上だけど。
ってのも、ネットの某所で知り合った四国の子で、どういう訳だかいつの間にか気に入られ、告白的なもんをされ、考えた挙句に一応は受け入れた訳です。
とは言っても、相手は十代で、遠距離だから会うにしたって容易じゃない訳で、そもそも顔も合わせてないのに彼氏だ彼女だってのが無茶ってもん。
だから、最初に色々と言い聞かせた上で彼氏彼女の関係性をこしらえたんだけども、正直言えば俺は最初から別れるのを前提として付き合い出したんですな。
俺を気に入る時点で少し変わった子ではあったし、育ちも環境も価値観もちょっと特殊な子だったから、そういう意味では合ってたんだけども、なんにしても彼女は若すぎた。
だから、いずれ彼女の世界が拓けた時には、俺なんかよりよっぽど魅力的な風景やら人達を知って、俺に入れあげた熱も冷めるだろうと踏んだんです。
最初からそうなるであろう事が想像ついたとしても、その時が来るまでは俺に出来る事もあるだろうとね。
少なくとも、当時の彼女にとっての俺はメンタル面での縋る藁で、それを邪険に振り払えるほど俺は盲目でも非道でもなかった訳です。
そんな彼女との付き合いは2年ほど続いたんだけど、最初の年も次の年も、彼女の誕生日には曲を作って贈りました。
最初の年に作った曲は、アコギで簡単に弾き語っただけのものを録ったんだけど、それはもう心から喜んでくれてるのが手に取る様に解るほど。
そして、次の年に作ったのが今回の曲の原曲。
嬉しいとは言ってたけど、心からそう言ってるんじゃない事は明白で、それでも俺は俺の出来る事として彼女にデモを作って贈りました。
まぁ、終わりが近い事を感じつつも、そこに込めた思いを少しでも感じ取ってくれればいいなと。
Happy Birthday [Re-mix] take.3
俺の曲としてはかなりポップで・・・というか、本来なら自分の曲としては唄わないタイプの楽曲。
誰が唄うとかじゃなく、とにかく女の子向けの曲として作品を作る事があるんだけど、この曲はそういったタイプの曲にかなり近い。
何がどう違うのかを説明するのは難しいんだけどもねw
とにかく自分向けの曲じゃないのをあえて唄ったという・・・そういう意味ではセルフカバー的な感じかも。
音に関しては、原曲が仕事で忙しい最中に無理して作ったもんで、このリミックスバージョンを作るに当たっては細かい作業もそこそこしてる。
まぁでも、曲自体がわりと簡単なもんなんで、演奏にしてもアレンジにしても、そんな手の込んだ事はしてないね。
自分向けの曲じゃないだけに、歌の方も普段と違う唄い方を意識して録った。
というか、曲のムードに合わせるとなると、どうしても若干無理のある唄い方にしなきゃいけなかったんだけど、そういう時に限ってわりとスマートに歌入れが出来たりする悔しさw
こういうの苦手じゃなかったのかよとw
歌詞は部分部分で原曲とは違う感じにしてる。
原曲はあくまで元カノへの個人的なメッセージって意味合いが強かったんで、それをもっとオープンな感じに手直しした。
でも、大まかなメッセージってのは変わってないんだけどもね。
俺の中では若い人達へのメッセージソング的な位置付けになってるんだけど、そしたら肝心の誕生日ってテーマはどこ行ったんだとw
ちなみに、サビの I Love You って表現は、日本における一般的な解釈と違って、大切な人に向けての愛情表現としての言葉。
「愛してる」 やら 「I Love You」 をイコールで恋愛的なものに直結させる日本人の感覚ってのが俺は嫌いなんでね、そこをあえて使ってたりするんですよ、ひねくれ者だから。
という訳で、誕生日をテーマにしときながら、ほとんど誕生日と関係ない楽曲になってますw