曲作りって言うと、難しいとか出来ないってやたら敷居の高いもんだと思ってる人が多いんだけども、実のところはそれほどでもない。
誰だってデタラメな鼻歌の一つぐらい作った事はあるだろうし、それがどこかで聴いた事がある様なメロディーのものだって、一音違えば別の曲。
要はそれを曲として形にしてしまうか、記憶の流れに置き去りにするかどうかの違い。
で、作品なんてもんは、所詮は自己完結の代物だから、自分が納得してしまえば立派に作品として成立する。
それが良いところでもあり悪いところでもあるんだけどもね。
自分の作った曲を完成形として仕上げるまでには、やっぱりそれなりの段取りってのがある。
まずはギターなり鼻歌なりで思いついたメロディーやらフレーズを並べて曲にする。
そこにコードを乗せつつ歌詞をつけて、どんな方向性のアレンジにするか考える。
面白いもんで、テンポとか使う楽器を変えれば同じ曲でも表情がガラッと変わるんで、ある程度の目安をつけておかないとアレンジがなかなか決まらないドツボにハマる。
まぁ、実際にレコーディングした後で、予定とは違う雰囲気になったりするんだけどね。
とりあえず、作曲ってのはそんな感じで進めるのが基本なんだけど、俺の場合はほとんど考えずに曲の全体を一気に作る事がたまにある。
ホントに思いつきみたいなもんで、リズムを適当に打ち込んで、それを聴きながら浮かんだメロディーをまた打ち込んで、そのメロディーに合ったコードを乗せて・・・ってな感じ。
いわゆる作曲ツールやらソフトってのは、打ち込みを主としたシンセサイザーみたいなもんだから、その程度の感覚的な手順でも曲らしきものは出来る。
とにかく骨組みさえ作ってしまえば、細かい部分は後でどうにでも出来る訳だ。
とまぁ、そんな適当に作る曲ってのは、ほとんどが遊び。
それなりに仕上げればそれなりの作品になるけども、気合い入れて作ってるもんとは全然違う。
自分なりの音楽への答えが普段作ってる楽曲だとすると、遊びで作る曲ってのは些細な冗談みたいなもの。
自分の音を追求するのも音楽だけど、音で遊ぶのも音楽として絶対的に必要だから、たまには遊びで音と戯れないとダメなんだと思う・・・少なくとも俺は。
今回の曲もそんな遊びで作ったものの一つ。
去年だか一昨年だかの春に作った曲で、ほとんど何も考えずに打ち込みで作ったもの。
春テクノ [Instrumental] take.2
なんだか、どこぞのパチンコ台にでも使われてそうなメロディーになったんだけど、作曲時には全く意図してなかった。
遊びだからこそ浮かんだメロディーだろうなと思う。
いかにもな感じの打ち込みサウンドにしたのは、メロディーに和風の柔らかさがあるんで、対極的に硬質な音が面白いかなと思っただけの事。
で、結果的にテクノ系の音になって、メロディーは和風で春っぽさもあったし、だったらタイトルは春テクノでいいや・・・という安直な発想w
下手に横文字のタイトルとかつけると、適当に作っただけにこっ恥ずかしいし、カッコつけてる感が出ちゃってリアルバカっほいんだよね。
自己陶酔のしどころを間違えない事も作り手には重要なポイント。
ちなみに、春テクノってタイトルに決めたもんで、後から鳥の鳴き声を足して春らしさを演出。
いや、鳥の鳴き声でホントに春らしさが出るとは思っちゃいないんだけど、安直なタイトルなんだから安直さで追い討ちかけよう的な一人遊びですよ、えぇ。
あえてそれをやってしまうバカバカしさがまた面白い訳です。