踊ってないで食え | weblog -α-

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【風評被害】

根拠のない噂のために受ける被害。特に、事件や事故が発生した際に、不適切な報道がなされたために、本来は無関係であるはずの人々や団体までもが損害を受けること。例えば、ある会社の食品が原因で食中毒が発生した場合に、その食品そのものが危険であるかのような報道のために、他社の売れ行きにも影響が及ぶなど。

※ デジタル大辞泉より


ハィ、まさしくこの風評被害がメディアで取り上げられてます。
原発事故による放射性物質の拡散がその原因なのは誰もが知るところですが、以前にも風評被害が取り上げられた事例はありました。
特に食品に関しての風評被害は生活に密着してる事もあって取り上げられる機会が多く、有名どころで言えば、1996年のO157による集団食中毒事件。
あの事件では、原因特定に至ってないにも関わらず、厚生省がカイワレ大根が原因である可能性を示唆。
おかげでカイワレ大根が売れなくなり、生産業者に大ダメージを与え、最終的には自殺者まで出すという典型的な風評被害のパターン。

結果的に原因特定に至らなかった為、当時厚生大臣だった現総理の菅 直人が、安全性をアピールする目的からマスコミの前でカイワレ大根を食って見せるというパフォーマンスをした訳です。
あのおっさん、結局はそうやって風評被害で取り上げられた食い物を食ってただけで総理にまでなった様なもんです。
それで一部からは人気が出た訳なんだけども、そもそもは自分らの蒔いた種なんでね、テメェでテメェのケツを拭いただけの事なんです。
問題なのは、たかがそれだけの事なのに管を支持してしまう人々が存在するという事実。
つまり、簡単に丸め込まれてしまうおバカさんが多すぎなんですよ。


風評被害ってのは、まず原因があり、情報が広まり、誤解が誤解を生んで更に広まるというもの。
いわゆる悪質な伝言ゲームみたいなもんで、情報の発信元があり、それを広める受け手が居る訳です。
今回の件もO157の時も、発信元は政府で、受け手側は国民です。
「政府が言うんだから危ないんだろ」 という受け手側の安易な解釈によって風評被害は拡大します。
そして、風評被害が拡大してしまうと、「政府は何をやってんだ!」 ってなるのがお約束。
今回もまさにそうなってますよね。

確かに、原因特定されてないのにそれが原因であるかの様な発言を公人がする・・・しかも担当大臣なんかがしたとなれば、それは妙な信憑性が生まれてしまうだけにタチが悪い。
そこで責任追及されるのは必然だけども、一番の悪ってそこなんだろうか・・・と。
政治家やらエリート役人なんて、所詮そんなもんじゃないですかね、昔から。
奴らは物事の細かい配慮まで行き届かない連中だから次々と問題が起きる訳だし、不適切な言動やらで処分だの糾弾だのされたりしてるんじゃないの?と。
昔からそんなんですよね? 今始まった事じゃないですよね? そしたら、どうしてそんな連中に完璧なんて求めちゃうんですかね。
いや、確かに政治家は国民の代表で、選挙で選ばれた連中だけども、奴らがそんなちゃんとしてたら、次々と総理が入れ替わったりするはずないんですよ。
ね? みんな政治家がいい加減な連中だって知ってるでしょ?
例えは悪いけども、バカがバカな事をやってマジギレしてたら、キレてる方がよっぽどバカですよ。
最初から信頼に値する政治家なんて存在しません。
だからこそ彼らは信頼される様に努力すべき立場なんだし、国民はその努力が当然だというスタンスで見守るべきなんですよ。

となると、風評被害の一番の悪ってのは政治家なんかじゃない事が解る訳です。
どんな噂でもそうだけど、そこに悪があるとすれば、それは噂を広める立場にあるんですね。
悪意があって風評被害を広めようとする奴らも居るだろうけど、実際に風評被害を拡大させてるのは悪意の無い人達です。
悪意が無いのであれば過失という事になるけども、俺は過失なんて甘い判断はしてません。
物事の表面だけを見て本質を見ない、そこにある根本や核心を掴まずしてさも理解した様な振る舞いをする、それこそが悪じゃないですかね。

別にタイムリーな話題だからってんじゃないけども、ゆうべTBSで金八先生の特番が放映されてました。
ゆうべの放映でもありましたが、「悪はどこにありますか?」 と金八が生徒達に問い掛けるシーンがあります。
「悪は皆さんの心にあります」 と金八は続ける訳ですが、まさしくその通り、悪は全人類が持ち合わせている 『可能性』 です。
例え善意からの言動であっても、結果的にそれが悪であったという事は大いにあり得ます。
あるいは、特定の人にとっては悪になってしまう場合もありますよね。

何が善で何が悪なのか、それは物事によって違うし、人それぞれの価値観によっても違います。
だから、必然的に誤解もあるし、過度な解釈だってある訳です。
けど、それを恐れていたら何も出来ない訳で、その時に自分が正しいと思った行いをする以外に手立てはないんです。
考えに考え、悩みに悩んで下した決断が自分なりの善意であっても、そこに絶対はあり得ない。
理屈を通し、筋を通しても、他人からの賛否両論があって当然なんですね。

『正さとは何か?』 は、常に課題として人生には付きまとってきます。
得た情報が正しいと信じ、正しい行いだと信じてその情報を広める。
でも、その情報が間違っていた場合、当たり前にその人は責められます。
それは、己の行動には必ず相応の責任が伴うから。
それが善行であろうと悪行であろうと、アクションを起こす時には必ず責任というものが生まれます。
肝心なのは、その責任を踏まえた行動だったかどうかなんです。

今は主に野菜類の風評被害が酷い様で、普段なら1箱2500円の水菜が1円で売られてたりするそうな。
水菜は放射性物質が検出された訳じゃないのに、茨城産という事だけでそんな状況らしいです。
ほうれん草をはじめ、葉物野菜は一部で放射性物質が検出された訳だから、他の野菜だって危ないんじゃないかと考えるのは消費者として当然の事。
基準値を下回ってる野菜は安全だから大丈夫!と言われても、何をもって安全なのかが明確じゃない。
要は、大丈夫だと信じるだけの根拠に乏しいから買い控えが起こり、確実に安全であろう物が買い占めの対象になる訳です。
これはもう、必然ですよ。

じゃあ、政府などの発表は、果たして間違ってたんでしょうか。
こんな大騒ぎになるなら、全て黙ってるべきだったんでしょうか。
そんなはずないですよね、むしろ当然の発表をしてる訳で、ちゃんと仕事をしてるって事になる。
問題なのは、その伝え方が悪い事であったり、情報開示にあたっての準備不足が酷いという点。

物事には順序とか段取りってものがあります。
例えば、Aという人物が悪人だいう説明をするのであれば、「Aは悪い奴だ!」 という言い方は適切じゃありません。
「Aは何をどうしたから悪い」 という様な具体的な説明が不可欠で、Aが悪人であるという根拠を充分に示さなければダメなんです。
そして、その情報を出す事によってどういった影響が出るかを予め想定し、必要となるであろう事の準備を整えるのも当然なんです。

都の水道水から乳児の規制値を超える放射性物質が検出されて、政府がその事を発表した時、水の安全性は充分すぎるほど主張してたけども、それ以外に言うべき事は当たり前にあったはず。
最初に検出された金町浄水場、取水元は江戸川です。
当然ながら、川なので上流から水は流れてきてる訳で、少なくとも江戸川や利根川が水道水の取水元になってるエリアは、全て同じ結果が想定出来ますよね。
でも、あの時に規制されたのは都内のみ。
同じ川から汲んでる水なら、千葉や埼玉なんかでも同時に何かしらの注意を呼びかけるのが当然ですよね。
それが無かったって事は安全なのか・・・いや、安全なら安全だと明言すべきだし、どちらとも言えない状況ならそう言えばいい。
肝心なところには一切触れず、都内にだけ注意喚起をするというのは余りにもお粗末。

つまり、Aを悪人だと告発するのであれば、その結果として中傷の的になるであろうAの家族の事まで考えるのが絶対条件であるべきなんですよ。
「ほうれん草から放射性物質が出た。だから他の野菜も危ないかも知れない。」 と、庶民は先読みして風評被害に結びついてる訳なんだから、政府は更に先を読んだ上で発表すべきなんです。
ところが後手後手、何もかもが後手後手・・・バカじゃないの?と言われて当然ですよ。

ハィ、悪いのは政府だけじゃないですよね。
というか、政府が悪いのは悪いとして、それとは別の悪が風評被害を拡大させてますよね。
前記した様に、水道水の件では同じ川から汲み上げてる千葉や埼玉も同様じゃないのか?という推察を俺はしました。
だからそこに○も×も出さない政府に憤りを覚えた訳ですが、もしそこで俺が 「千葉や埼玉の水道水も危ないぞ!」 とTwitterなんかで呼びかけたらどうでしょう。
その時点で俺は悪です。
善意で注意喚起をしたとしても、素人考えで結論を急ぎ、それを流布すれば行為として悪になってしまう。
俺はそういった事をしてないけど、そういう事をしてる人は大勢居ます。
情報化社会になり、情報のやり取りが手軽で迅速になった分、嘘や間違った情報もそれだけ増えてる訳で、見極めが出来ない人やしない人が踊らされる事例もそれだけ増えてるって事です。

つい先日、強風吹き荒れる中、あちこちで見られる黄色い粉末が放射性物質じゃないかという問い合わせが相次いだという報道がありました。
本来なら笑い話みたいなバカな勘違いだけども、俺はそういった事実の方がよっぽど怖いと感じます。
放射性物質の脅威は目に見えない事で、今回の原発事故でその事は当たり前に報道されてました。
なのに、そういった情報は頭に入れず、闇雲に恐れて騒ぐ人間が居る・・・しかも大勢。
それこそが風評被害の一番の加害者と言える人達じゃないですかね。

理屈や理論、原因、経緯、そういった事は物事の基本であり、思考や言動の軸となるべき部分です。
ところが、その基本そっちのけで騒ぐ連中が大勢居る。
そういった人々こそが悪であり、世に混乱を招く元凶なんです。
当然、彼らはそれを自覚すらしてないだろうし、むしろ追及されれば正当化するでしょう。
だからこそタチが悪い。
俺はそんな奴らこそ死んでしまえぐらいに思ってるけど、世の人達は俺なんかよりずっと寛大で心優しいから、それでも許してますよね。
そういった迷惑極まりない連中も生活してるのが現実のこの世の中。
だからなんですよ、だから。
だからこそ、政府なんかはもっと先読みした上で動かなければいけないと思うし、世の中の人達もそんな奴らに釣られて踊ってちゃダメなんですよ。


まだまだ東北方面の被災地では、大変な思いをしてる人達が大勢居ます。
特に福島原発が近いエリアは、放射能被害を恐れて物資輸送の車がなかなか入らないという様な事もあるみたいです。
確かに、現状では政府がいくら安全だと言ったって、原発には近寄りたくないと思うのが当然。
避難エリアだって狭すぎる様に思えるだろうし、原発自体だってまだまだ予断を許さない状況なのは事実。
放射能による被害が数十年後になって出るかも知れないという不安は、恐らく福島から遠く離れたこの辺りの人達だって考えてない訳じゃないと思います。
水や食料からも放射性物質が次々と出てるし、基準値を下回ってるとは言ってても、それがどれほど安全なのかに信憑性が持てない。

でもね、そんなのはみんな一緒ですよ、こうなっちゃえば。
少なくとも、福島原発はチェルノブイリの二の舞にはならずに済んでて、とりあえずは切迫した危機を回避出来たっぽいじゃないですか。
もしメルトダウンしてたら、基準値がどうのってレベルの問題じゃなくなってた訳で、それこそホントに死を覚悟して、汚染された水や食料にも手をつけないといけなくなってたかも知れない。

放射性物質が怖いからほうれん草は食べない、葉物野菜には手出ししない、それは仕方無いと思う。
他の野菜だって危ないかも知れないから手出ししづらいのも解る。
でも、このままそんな事をいつまで続けてもね、単に食い物が無くなるだけなんですよ。
原発事故の影響は野菜と水だけじゃ治まりませんよ。
今後、魚も肉も穀物も、ありとあらゆる物から放射性物質が検出されるのは目に見えてます。
その度に風評被害で食う物が減ってったら、最終的に何食うんですか? 共食いでもしますか?

結局、我々は現実を受け止めるしかないんです。
あらゆる物から放射性物質が検出されるし、事前にいくら買い占めなんかしたところで、その程度でどうにかなる様なもんじゃない。
安全だと言われて信用出来なくても、あらゆる物から検出されちゃったら、今度は政府の発表した安全とされる食い物に集るじゃないですか、どうせ。
だったら最初から安全とされたもんを食ってた方が安心なんじゃないの?・・・と俺は思う。

狂牛病騒ぎの時に安くなった牛肉を食い、鳥インフル騒ぎの時に安くなった鶏肉を食ってた俺にしてみれば、今は安くなってる野菜を是非とも買いたいところ。
まぁ、残念ながら仕入れ自体をしてない店が多いみたいなんで、実際に買えるかは解らないけどもね。
つい二週間ほど前まで、原発が破裂すれば死ぬ日も遠くないと覚悟してたんだもの、数十年後に出るかもしれない放射能被害の事なんか恐るるに足らずですよ。
こないだまでみんな執行前の死刑囚みたいな心境だったでしょ。
それが 「何十年も先になったら執行するかもだし、しないかも~」 って言われた訳だから、今更そんなに何ビビってんの?と俺は思う訳です。
いや、子供が居る家なんかはね、親心としてそうとばっかりも言ってられんのだろうけどもさ。

ともあれ、自分が悪くもないのに何かに怯えながら生きるのなんてアホらしいよ。
安全な水と安全な食料で過ごしても、人がいつ死ぬかなんて誰にも解らない。
それは今回の地震が露骨なまでに見せ付けてよこした現実じゃないですか。
自分である事に腹括って生きてたら、多少困難な人生だろうと短命だろうと、別にいいじゃんって思えるもんなんだけどねぇ。