え~、俺の棲息地はピーナッツ王国の北西部の僻地です。
とまぁ、ネットを始めてから今まで、自己紹介やプロフィールの類にはそんな書き方をしてきてまして、今時そんな表現がウケない事を知りつつ、今も変わらず使ってる言い方です。
文字チャット時代の頃なんかは、そこに 「"千葉"っていうマイナーな言い方もあるけどね」 なんて付け加えるとジャブ程度にはウケたもんですが、今時はオヤジギャグ扱いされかねないんですよね。
なんか、チャットの醍醐味というか、言葉遊びを楽しめない・・・もっと言えば、日本語や文字文化を楽しめない日本人が増えすぎてる気がして悲しい限り・・・って、今回はそんな話じゃないんですが。
とにかく、ピーナッツ王国ってのは千葉の事でして・・・そしたら最初から千葉って言えよって話なんですが、そこでそう思っちゃう人は人生を楽しめない人達ですからねw、そういった無駄を楽しむのが言葉遊びでもあるんですよ・・・しょーもないもんだとしてもね。
で、俺の出身は千葉の松戸ってトコなんです。
まぁ、出身と言っても、一番長く居たのが松戸ってだけで、幼少期は船橋に居たし、松戸から柏、柏から流山・・・と、なんだかんだで点々としてるんですけどね。
ただ、やっぱり地元意識みたいなもんが強いのは長年住んでた松戸でして、今でも自分の中でのホームは松戸なんですよ。
それこそ、ガキの頃の縄張りはかなり広かったし、細い路地だって把握してるぐらいの土地ですからね・・・って、今はすっかり様変わりしてる場所も多そうですが。
で、話は変わりますが、俗に言う "おふくろの味" ってあるじゃないですか。
味噌汁だったり、カレーだったり、家によってかなり味の方向性が違ったりするんだけども、やっぱり子供の頃から食ってた味、母親の手料理の味ってのは、味覚の中枢を陣取ってるものだったりするんですよね、一般的に。
ウチはブログ記事でも何度か書いてますが、俺が10歳の頃に両親が離婚してまして、母親が家を出てったんですね。
なもんで、その後はほとんど母親の料理ってのを口にしないで育ったんです。
だから、おふくろの味的なものも、10歳以前のものって事になるんですね。
ところがですよ、10歳ってのは微妙な年頃でして、言っても生まれてからたかだか10年ですからね、物心ついてからの記憶なんて知れてる訳ですよ。
それも日常の食事の味の事ともなれば、10歳児には美味い不味いの判断も特に意識したもんなんかじゃないですよね。
そんな訳で、俺には堂々を言える様な "おふくろの味" ってのが無いんです。
具体的な料理だけじゃなく、味付けの濃い薄いも記憶に無いし、なんとなく甘めの味付けだった気がするな~程度なんですね。
で、そんなおふくろの味を知らない俺なんですが、それでもちょっと無理矢理気味でおふくろの味的なメニューが三つあるんですよ。
まぁ、その内の一つに最初に書いた地元絡みのものが入ってくるんですけどね。
まず、豚の角煮。
これは母親が作ったのを食って、美味い!と思った唯一のメニュー。
別にウチの母親が料理下手って訳じゃないし、実際は他にもあったのかも知れないけども、大人になってからも覚えてたのは角煮だけだったという。
確か、角煮はハタチ過ぎぐらいの頃に美味かった記憶をふと思い出して、その頃はもう遠方に引っ越してた母親にわざわざ電話して作り方を訊いたんですよ。
それから何度も作ってる内に自分の味として確立しちゃいましたけど、最初は母親から教わったレシピでしたからね、そういう意味でも一応はおふくろの味に近いものかなと。
で、残り二つも美味いんですが、あくまでメニューとして美味いだけで、母親が作ったのが美味かったって記憶ではないんです。
コピーであってオリジナルではないと言うか・・・。
二つ目はトマトとコーンのトースト。
いわゆるピザトーストに近いもんなんだけど、ピザソースは無いんですよ。
言わば、ピザソース無しのピザトースト的なものかな。
フツーの食パンにマーガリンを塗って、そこにスライスしたトマトを敷き詰めまして、その上に缶詰のスイートコーンを乗せて、更にスライスチーズを乗せて焼いたもの。
マヨネーズとかケチャップとかは無いんですよ。
ツナとかウィンナーとかのメインどころも無し。
なんだか物足りない感じのレシピなんだけども、それがオリジナルどおりのレシピでして、これがまたそのままでも結構美味いんですね、B級的な位置付けだけど。
トマトにスイートコーンですからね、水分が多くてパンは多少水っぽくなるんですけど、その感じが逆に店では出て来ないメニューとしての良さなんですね。
勿論、マヨネーズとかツナとかを足しても美味いんですよ、味が引き締まるし。
でも、俺的にはそれらが無い物が思い出の味なんです。
最後に三つ目ですが、メニューとしては単純に "納豆" なんです。
納豆も家とか地方によってトッピングが違ったりしますよね。
ウチの場合、基本は一般的なトッピングの納豆だったんですよ。
つまり、刻みネギに卵を入れて、かき混ぜるだけのもの。
だから、ガキの頃に一番食ってた納豆はそのパターンです。
ところが、たまにそのトッピングに一品追加されてる事がありましてね、それこそが俺的に最強の納豆なんです。
最初に地元の話を書きましたが、実はこの説明のネタ振りです。
地元の松戸は昔から宿場町として栄えた場所でして、柏や流山と違って町としての歴史が古い土地なんですよ。
だから、名産品も結構多いんですが、その名産品の一つに 「茄子のよいち漬け」 ってのがあるんですね。
まぁ、屋島の戦いで知られる那須与一をもじった商品名なのは言わずもがなですが、このよいち漬けってのが最強の納豆には欠かせない一品なんです。
よいち漬けは小茄子を麹漬けにした甘めの漬け物で、味としては同じく麹漬けのべったら漬けに似てるんですが、食感は結構違いますね。
そのよいち漬けの2、3粒をみじん切りにして、卵と刻みネギと共に納豆に混ぜて、炊きたてのメシにかけて食う。
これ以上無いぐらいに納豆が美味いんですよ、これ。
ホントにこれを超える納豆のトッピングは食った事ないです、俺。
まぁ、ガキの頃から食ってて思い入れがあるから尚更なんでしょうけどもね。
実は、大人になってから俺は生卵が苦手になりましてね・・・ってのも、あの白身のドロッとした食感と臭いが気持ち悪くてダメになったんですが、よいち漬け入りの納豆の時だけは一応入れるんですよ、卵・・・って、基本的に黄身だけですけど。
ここ最近、卵かけ御飯がブームになりましたけどね、たかだか卵だけかけて食って喜んでちゃダメですよ。
そりゃ卵割るだけで簡単でしょうけどもね、卵だけより納豆と合わせた方が美味いし、そこに刻みネギがあったらもっと美味いですよ、絶対。
もっとも、納豆とかネギが苦手って人は別ですけどね。
とにかく、よいち漬け入りの納豆は、他では絶対食えないメニューですからね、そういう意味でも "我が家の味" なんですよ、おふくろの味とはちょっとズレちゃうけども。
ちなみに、べったら漬けを刻んで入れても似た感じの味でそこそこ美味いんですが、食感が違うんでね、そこはデカいです。
で、よいち漬けは基本的に松戸近辺か千葉県内の物産店ぐらいでしか置いてないと思うんですが、どうやら今はネット販売もしてるみたいで、値段も非常に安いもんですから、納豆好きな方は是非とも取り寄せて試してみて下さいまし・・・って、別に回し者じゃないですよw
茄子のよいち漬本舗 島村俊商店 ←販売元
ハィ、こんな感じで、俺にとってのおふくろの味的なもの三つでした。
故郷が無い人が故郷のある人を羨むってありますけど、おふくろの味が無い俺もそれと似た様な感じですね。
と言うか、考えてみたら俺は故郷らしい故郷ってのも無いのか・・・。
松戸は育った場所だけど家がある訳でもないし、そもそも、田舎ってほど田舎でもないですからねぇ。
なんかこう、おふくろの味然り、故郷然り、どれも中途半端な感じで微妙な・・・。
ホントに俺ってのは、自分で選択した訳じゃない部分で "平均的" とか "普通" という枠からハミ出まくってるんだよねぇ・・・。