イメージ 1

イメージ 2

累計発行部数3200万部を超える不良漫画の金字塔!高橋ひろし原作「クローズ」の実写映画版。
監督はもちろん三池崇史。

発行部数のわりに知名度が低いのは「月刊チャンピオン」というマイナーな雑誌であるがゆえ・・・。
ダウンタウンの松ちゃんがファンを公言したことでも有名である。
もちろん僕も「クローズ」そして現在も月チャン連載中の続編「ワースト」の大ファンであります。
ストーリーは単純明快! 
名高いワルの集まる不良校で頂点(てっぺん)を目指すべく、熱い男達が凌ぎを削るという物語。
描かれるのは"ZORO"のタイトル通り原作より少し前の話。
「クローズ」を知らない人でも十分楽しめる内容です。


カラスの学校と呼ばれる鈴蘭男子高校では、創立以来いまだ全校制覇を成し遂げた者はいなかった。
現在その最有力候補とされるのが、校内最大派閥の芹沢軍団を率いる芹沢多摩雄(山田孝之)だ。
そこに突如現れた転校生の滝谷源治(小栗旬)、彼もまた鈴蘭制覇を目論んでいたのだ。
次第に他の軍団や派閥を傘下に収め勢力を伸ばし始めた滝谷率いるGPS(源治・パーフェクト・制覇)。
抗争は次第にエスカレートして両者の怒りも頂点へ!
ヒートアップした争いを終わらせるため、いよいよ最終決戦の日がやってくる。。。


難病にかかった親友のために頂点を目指す芹沢。
ヤクザの組長である父親を越えるために、鈴蘭制覇を成し遂げようとする源治。
その源治に、自分の夢を託そうとするチンピラの片桐(やべきょうすけ)。
そして彼らを信頼し、ともに戦う熱い仲間たち。

泣いたり、悩んだり、苦しんだりしながらも、それぞれが何かを越えて成長して行く、そんな姿に熱くなる。
理不尽な暴力や意味のない暴力がカッコ悪いってことをちゃんと教えてもくれる。
常に強い者へと向かって行くその姿勢に男なら誰しも惹かれるはずだ。
言葉だけじゃない、拳を交えてこそ解り合えることもある。


原作漫画を知ってる人はニヤリとさせられるでしょう。
最強リンダマン、ヒロミ、マコ、ポンの一年生、そして三代目武装戦線の存在はファンには嬉しい限りです。
ポイントになるセリフも原作からの引用が多かったですね、バイオレンス描写同様、この辺は「クローズ」の世界観を良く表現していたと思います。

そしてこの映画を魅力ある作品に仕上げた三池崇史監督。
彼が監督でなければ映画館に足を運ぶことはなかったでしょう。
まぁ、これを実写化するのなら「三池監督しかいない!」と思っていたので、完成度には満足です。

非常に悪評なのはやはりヒロインである黒木メイサの存在ですね。^^;
拉致されて人質になる為だけの役柄でしたが・・・。
そもそも高橋ひろしの漫画に女のキャラクターは存在しませんから!
女性が描かれるのはほぼ背景でのみ、それでも顔を描かれることはほとんどありません。
完全なる男の世界!「男のドラマに女はいらね~!」と、言わんばかりに貫かれる男の美学ってやつです!
ヒロインの設定は製作委員会の都合でしょう、メジャー配給ですから、これは目をつぶるしかありませんね。
それを理解したうえで言わせてもらうと・・・
「いくらなんでもR&Bはないだろう、世界観がまるで違うんだよ。
そもそも歌う必要がないし。
せめて歌うなら歌手を使って欲しかったな。
あれじゃ、歌に入り込めないよ・・・もう、半笑いだよ・・・。」
と言う感じでしょうか??
原作ファンにとっては、このギャップが悔しいでしょうね。

全体的に女性には少し辛い部分はあるでしょうか?・・・ほとんどケンカだし・・・痛そうだし。
小栗くんや山田くんのファン以外の人は余りお勧めできません。
この2人を初めとするキャスティングはとても良かったですね。

やべきょうすけ演じる片桐の最後は唸りました。
あれがなかったら爽快感が消えますから、この辺は三池監督のスパイスが効いていたエピソードだと思います。
冒頭から三池ワールド全開でしたね~!「おいおいそこまでやるのか~」って感じでしたが・・・。
あれが三池流のやりかたです!

映画を観て興味の沸いた方は是非!漫画の方をお勧めします!絶対!!!

映画化に尽力を尽くしたやべきょうすけさん、三池監督、そして高橋ヒロシに感謝!


☆☆☆☆(大甘)



原作の作者である高橋ヒロシ先生は非常に優れた漫画家であります。
ヤンキー漫画にありがちなお色気を一切排除し、男の世界を ”これでもか”とカッコよく描く。
カット割りや構図にも気を使い描くし、ストーリーも良く考えられている。
名セリフにも何度泣かされたことか・・・。

僕が一番驚かされたのは年功序列で物語が進行するところ。
原作の「クローズ」は一年生だったヒロミ、マコ、ポンの海老中トリオ(劇中に登場したイケメン、三つあみ、マスクの3人)が二年生になったところから始まる。
そこに「クローズ」の主役である坊屋春道が転向してくる、彼らが三年生になったところで物語は終盤へ。
そこへ一年生で入学して来た連中が三年になったところで始まるのが、続編の「ワースト」だ。
そして、ここでも新入生が入ってくる、「ワースト」の主役である月島花だ。
こんな感じで、中心人物が学年の進行により変化していくのです。

「ビーバップ」や「サザエさん」のように時間軸を無視した作りでないばかりか、学年という進行性を利用して物語を繋げて行く発想、同じ舞台で語られるドラマ、それにより生まれる長い歴史なども興味深く描かれます。
莫大なキャラが登場しますが、その多くに感情移入させる手法も素晴らしい!
過去にこんな発想の漫画は見たことがなかったので、大変ショックを受けたのを覚えています。
ちなみに僕が「クローズ」を知ったのは5年前、ちょうど「ワースト」が始まった頃ですね。
最初に「ワースト」を読み始めてから「クローズ」を復習した感じ。(「スターウォーズ」と同じか?)

現在、”月刊チャンピオン”連載中!
「WORST」からお試しあれ。
一度はまったら抜けられません・・・・・。