元祖スーパーカー《マルゼンスキー》の再来などといわれた3歳時(現2歳)。
無敗で【朝日杯3歳S】を圧倒的な強さで制した外国産馬。
その馬の名は…
《グラスワンダー》
父・シルバーホーク
母・アメリフローラ
しかも勝ちタイムは1分33秒6という、とてつもないレコードであった
(古馬のGⅠ・重賞レベルです
)


だが…その驚異的な脚力のせいか骨折が判明し、明けて4歳(現3歳)の春シーズンは棒にふってしまう事となった

この年の同年代は最強世代と言われ、今でもこの時の4歳(現3歳)ほどレベルが高い年は無いと語られている。
3歳チャンピオンのグラスワンダーを筆頭に…《エルコンドルパサー》《スペシャルウィーク》《セイウンスカイ》《キングヘイロー》《エアジハード》《アグネスワールド》…etc
数えきれないくらい、名立たる名馬揃いである

当時は外国産馬にクラシック出走は叶わなかった。
『たら…れば…』の話になってしまうが、同じ外国産馬のエルコンドルパサーとグラスワンダーがクラシックに出走していたら…と考えるとドキドキ・ワクワクして、予想を遥かに越える物凄いレースになったに違いないでしょう

グラスワンダーは凄く人懐こく、その上…大食漢。
カイバをあげれば、あげるだけ平らげていたそうだ。
食べ終わると前脚をかき、催促するしまつ…担当者はその姿を見て、いつも笑ってしまったらしい

骨折明けは古馬との戦いで惨敗を苦した。
『早熟馬だったか
』

と言われていたが…【有馬記念】で天皇賞馬《メジロブライト》菊花賞馬《セイウンスカイ》を抑え快勝

その翌年…春のグランプリ【宝塚記念】では、同じ歳のダービー馬《スペシャルウィーク》に3馬身もの差をつけての完勝

暮れの【有馬記念】も春と同じで宿敵・《スペシャルウィーク》との壮絶な叩きあいを数センチのハナ差で有馬記念連覇を飾った



年が明け、宿敵がほぼ引退した中…グラスワンダーは現役を続けたが、去年までのグラスはもう…そこにはいなかった。
史上初グランプリ4連覇がかかった【宝塚記念】に出走したが、新たな王者《テイエムオペラオー》には為す術もなく…それを最後に引退した。
これほどレベルの高い世代は、二度と見れないのではないだろうか…その世代の中でGⅠを4勝したグラスワンダーは歴史に残る名馬となるだろう。