前回、その詩が好きだということで

七尾旅人さんを紹介しました。

そしてもう一人

私にとって特別な詩を書く

アーティストがいます。

 

中村一義さんです。

 

いわゆる90年代ロキノン四天王の

ひとりですね。

(と言われて知ってる人いるかな?)

 

 

いとうせいこうさんが

彼のことを

桑田佳祐を継ぐ日本語詞の使い手」

とおしゃったように

すごく独特な言語感覚で歌を作っていきます。

 

初めて聞いたとき

歌詞に衝撃を受けたのがコレです。

「これはすげえや」と思ったのを

覚えています。
 

(ほぼ聞き取れないと思うのでよければgoogleで調べてみてください。。)

 

でも、個人的には

中村一義さんの独特な経歴が

私にとっては大きな意味を持っています。


ファンの方には叱られると思いますが

思いっきって図式化すると。

 

①画家を志すも挫折。河原で全作品を焼きすてる

②ひきこもりになる

③自室で宅録。(1stアルバム「金字塔」発表)

④結婚する。(2stアルバム「太陽」発表)

⑤仲間が見つかる (3rdアルバム「ERA」発表)

⑥仲間とバンド組む(4thアルバム「100s」発表)

 

と言った感じになります。

ワンピースのルフィが仲間を集めていったように

中村一義さんは、その世界を順調に広げていき

音楽も厚みをましていきます。

 

 

しかし私にとって、

一番強く響いたのは③の宅録の頃の作品でした。

彼の世界がどんどん広がっていくにつれて

それとは逆に私の中での彼の歌の響きは

徐々に徐々に小さくなっていきました。

 

私にとっては

中村一義さんのかかえていた

「孤独」があまりにも大きな意味を

持っていたのだろうと思います。

 

もちろんいつだって

最新の中村一義さんが

自分にとって一番最高だ

というひとのほうが

ずっと多いと思います。

なのでこれはあくまで

私個人だけの感想です。

 

前置きが長くなりましたが

私にとっての最高傑作の歌詞が

これです。

(宅録の時代に書かれたものです)

 

 

 

言ってしまえばいわゆる自己肯定ソングです。

こんな感じの曲を書く人は

いくらでもいると思うのですが

中村一義さんは

彼が言うところの「状況の裂いた部屋」

ひきこもりの部屋の底の底の底

その孤独の暗闇の中から高らかに

この「主題歌」を

この「永劫回帰」を

うたい上げたのです。

 

「絶対、ウソじゃない。千年後の僕も僕だ」

「絶対、あせらない。万年前の君も君だ」

 

そう思った時

私は涙も出ましたし

鳥肌が止まりませんでした。

 

これが歌じゃなければ

何言ってんの?の世界ですよね。

歌って本当にすごいですね。

 

 

と、暑苦しい自分語りは

もういいですね。

 

あまりテレビとかで

中村一義さんの曲を聴くことはなかったのですが

この歌はNISSANのCMにもなったので

御存じかもしれないですね。

この歌については

昔は恋人のことを

今は子供のことを思い浮かべて聴くと

すごく心に響きます。

 

 

 

中村一義さんは順調に

彼の音楽と世界を拡大しつづけ

結局、私はそのまま最初の場所に

とりのこされ続けた

そういうことなんだろうなと

思っています。

 

Weezerというバンドの歌の歌詞にある通りです。

 

The world has turned and left me here
Just where I was before you appeared
And in your place an empty space
Has filled the void behind my face