昨晩は,さすがにあまり眠れず,朝5時にはバッチリ目が覚めてしまいました。

 

起床は何時だろ?

何でこんなことになっちゃたんだろ?

仕事はどうなるんだろ?

家族はどうなるんだろ?

いつ帰れるんだろ?

 

色んな思考が頭のなかをぐるぐるまわっています。

 

6時半に起床からの洗面,朝食。朝飯も食えない。

不思議と昨日の午後から何も食べていないのに空腹感はありません。

このまま飢え死にできるんじゃないかしら?って本気で考えました。

 

午前に取り調べで呼ばれました。恒例の手錠&腰縄の「犬のお散歩スタイル」で。

取り調べは昨日の久富さん。

 

久富「今日は身上の調書ね」

 

つまり,私の生い立ちや学歴,職歴について語れと。

 

久富「博士後期課程??何それ?? もっと分かりやすく言えないの?」

 

全然,話が通じなかったです。身上のあと,事件の話になるかと思いきや,まさかのそれで終わり。余った時間では,久富さんの柔道の自慢話。

 

私「事件について調べないんですか?」


久富「調べること,何もないんだよ。こっちも何ら証拠があるわけじゃないから,否認されると、もうやることがなくてよー。先生,やってないんだろ?なんかさ,やってないっていう決め手ないかな?目撃者とかさー」

私「だから,物理的に逮捕状の内容は無理だって」(逮捕状の内容

久富「んじゃ,物理的に無理なことを証明してくれないと困るんだよなー」

 

なんだそれ????

 

久富「あ,それとさ,先生に悪いんだけどさ,おれ,家族の用事で4日ほど有給とってるから,今週は取り調べはもうないからー。(牢屋から)出してやれなくてごめんなー」

 

え????

 

午後は何もなくずっと牢屋で過ごします。体育座りしている以外にやることありません。


人間,何もやることが無いっていうのが一番つらいんですね。

 

2室の仲間とやっとゆっくり話ができる時間ができましたw


2室はアメリカ人1人,中国人1人,日本人1人,私の4人構成です。


アメリカ人が自己紹介の流れを作りましたw

 

アメリカ人「おれの名前はクリントン(仮名)。マ◯◯◯◯ーの上席コンサルタントしてたんだけど,大麻を持っているのを元婚約者にリークされて捕まっちゃった。しかもおれのじゃなくて友人が忘れてった大麻。留置場は今日で20日目」

 

中国人「ぼくの名前はシン(仮名)。日本の専門学校に留学してたんだけど,窃盗で捕まった。120件くらいやったから再逮捕の連続で,もう留置場には半年以上入ってる」

 

日本人「名前はちょっと。電車で置き引きやったところを警戒中のおまわりにみつかって現行犯逮捕。おととい入ってきました」

 

私「先生業やってました。逮捕理由は・・・チンコなめたって訴えらえた(ボソっ)」

 

一同大爆笑。

こっちは笑えないって。

 

夕方,瀬藤弁護士が面会に登場。

 

私「取り調べは身上だけでした。」

瀬藤「え?!どゆこと?」


私「取り調べした久富さんが,証拠が特に無いって言ってましたよ?」


瀬藤「それはオトリかもしれない。安心させて油断させる手口。よっぽどの証拠を持ってるから余裕かましてるのかも」


私「そうなんですかねー」

 

私「それより,早くここを出たいんですけど」

瀬藤「否認しているから当分出れないですよ」

私「え?!」


瀬藤「否認事件は,捜査が続くので身柄が拘束されることが通常です。嫌なら全面的に認めて,示談交渉を進めることになりますが?沢田と示談して被害届を取り下げてもらえれば出れます」

 

私「やってないんだから,何を認めればいいのかさっぱり分かんないですね。つまり,ウソでも罪を認めれば出れて,正直に否認してると出れない,っていうことですか?」


瀬藤「極論そうですね。人質司法なんて言い方もありますが,罪を認めないと身柄拘束が続いて苦しい思いをすることになります。ほんとはそういうのよくないと思うんですけどねー」

 

まじか・・・

 

そんなとき衝撃的なできごとが起こったのです。

 

弁護士の面会が終わって牢屋にもどり,体育座りしていたら,

 

留置場担当「6番(日本人の留置番号),夕食後,釈放!」

 

えっ!留置場におととい入ったばかりって言ってたじゃん!

 

日本人「あー,私,留置場3回目なんすけどね,あんなのすぐに罪を認めて,はいはいごめんなさい,もうしません,許してください,反省してますってやって,示談まとめちゃえばすぐ出れるんですよ。仕事も3日休んだだけで報道もされてないから楽勝っす!うちの弁護士は検察にも顔が効く奴なんで,検察にちょっと圧力かけてもらっちゃいましたよ。なんなら,うちの弁護士紹介しましょか?」

 

まじか!

 

ものすごい揺れました。何にもしてないけど罪を認めれば自由になれる,反対に正直に否認すると出れない・・・,まさに究極の選択。恐るべし人質司法。

 

日本人は夕食後,笑顔で手を振って帰宅していきました。。。