日本人がフランスでフランス人と接するとほとんどの人が「自己中」な人が多いなぁと
いうイメージを受けると思いますが、
この「自己中」という表現は、フランス人と一緒に仕事や生活をしていて、
フランス人がどんなに人の悪口を愚痴っていても全く耳にしません。
理由は、多分日本人が感じているフランス人の自己中の振る舞いは、
フランス人にとっては自己中でもなんでもなく普通のことだからです(笑)
その人の態度に対して、「そんな風に考えるべきではない、なぜなら~だから」という
自分の考え方を主張した上での、相手への批判というのは多いのですが、
最終的には人の考え方はそれぞれ違うものだから、
色んな人が違う意見や態度をするのはのは当たり前だからしょうがないよね。。。
みたいな空気になって批判が終わります(笑)
この辺が個人主義のフランスと言った感じです。
そもそも相手のことを考えてから発言したり、行動したりすることを美徳しておらず、
基本的に自分が主役の人生を送っているフランス人は自分が中心な人生こそが
幸せという価値観ですし。。。日本とは真逆の思考で生活しているので、日本人には超自己中に見えるのだと思いますが。。。日本が他人中心主義過ぎる気もするのですが。。。
バランスって難しいです
さて本題に戻ると、
この「自己中」と言う言葉はフランス語では
autocentréまたはégocentriqueと表現します。
(英語だとselfish, self-centeredになるようです。)
とはいえ、普段の生活では耳にしないので、
私も初めて聞いたのは、最初のロックダウンをしたときに夜のメロドラマを見ている時でした。
ドラマの場面としては、お婆ちゃんと孫が喧嘩をしている時に、
孫がお婆ちゃんの犯罪レベルの行いをしていたと知って激怒したときに使っていました。
フランスでは犯罪レベルの自己中な行動にしか、公でautocentréやégocentriqueは使わないみたいです(笑) 日本では、ちょっとしたことでも自己中と言う言葉を使って相手を批判しますが重みが違うのでフランスでは安易には使ってはいけないというのが、個人的な見解です。
次のこの言葉を聞いたのは、サイコパスの連続殺人犯を追う刑事ものでした。
昔会社でフランス人が日本のうちの会社に駐在をしていたときに、
そのフランス人と日本人の同僚が何か方針の違いで口論になってしまい、
日本人があまりのフランス人の自己中さに怒って、「Selfish」と言って批判したところ、
フランス人が物凄く怒っていたのが記憶に懐かしいです。
そのフランス人はあくまでも意見の一つであって、自己中なんかではない
と反論していましたが。。。文化の違いは言葉の壁よりも厚いと感じた出来事でした
言葉を純粋に覚えても、
重みや使いどころが文化を知っていないと大変なことになるので
今日は日本人がフランス人に抱くイメージトップ3に入るであろう
「自己中」という表現を紹介してみました。
言語習得の難しいところです。。。