村元哉中/高橋大輔、ルールのない新プログラムで披露した自由な滑り『ポエタ』ではソロスケーターとしての魅力もみせる

ランビエルと高橋の豪華な″ステップ対決”

   村元哉中/高橋大輔が、プロとして新たな姿をみせた

 

  今年5月に、競技からの引退を表明した″かなだい”が、24日に行われた『フレンズオンアイス2023』(8月25~27日、KOSE新横浜スケートセンター)公開リハーサルで滑りを披露した

 

  2006年に始まり今回で17回目の開催となる『フレンズオンアイス』は、2006年トリノ五輪金メダリスト、の荒川静香が座長を務めるアイスショーである

 

  高橋、ステファン・ランビエル、村元、アンドリュー・ポジェの4人が演じる前半最後のプログラム『ポエタ』は、今公演における見どころの一つだろう。村元がクリス・リードと組んでいた時の競技プログラム『ポエタ』が大好きで、また多くのスケートファン同様フラメンコやタンゴを滑る高橋が観たかったという荒川が、このプログラムのメンバーとして二人を選んだ

 

  選手時代に歴史に残る傑作『ポエタ』を滑っているランビエルと高橋の″ステップ対決”は、『二人の情熱がバシッと重なり合う』と荒川が評する出来映えで、どちらに視線を送ればよいのか迷う豪華さだ

 

  また村元も持ち前の華やかな滑りで魅了し、ソロスケーターとしての顔をみせている。アイスダンス転向前にはシングルスケーターだった村元が、競技から離れたことで発揮できる魅力だといえる

 

『今回私は荒川さんにソロを滑る機会も与えていただいて、本当に感謝しています。ありがとうございます』と村元は語る

 

『ステファン、大ちゃん、アンドリューと「ポエタ」の世界観を一緒にコラボできることを本当に嬉しく思うので、明日からお客さんにスケートのパッションをたくさんシェアしたいと思います』(村元)

 

新プログラムはシングルとアイスダンスの融合

  公演後半では、″かなだい”としての新プログラム『Birds Makeba』が披露された。エネルギーにあふれ、濃厚な表現と氷上に醸し出すグルーヴ感が堪能できる二人の真骨頂といえるプログラムに、観客は大いに沸いた

 

『かっこいい、ダンサブルなスタイリッシュなものを滑りたい』と考えた二人がシェイ=リーン・ボーン氏に振付を依頼。久しぶりにアイスダンスの振り付けをしたというボーン氏の熱量は高かったといい、『振り付けも4時間ぐらいぶっ通しで』と高橋は振り返る

 

『前半がすごくジャジーでスタイリッシュ。後半は盛り上がるというか勝手に体が動きだすようなアフリカンな曲。夏に行われる「フレンズオンアイス」ということで、楽しい感じをお見せできれば』(高橋)

 

  さらに、『ソロでも見どころがたくさん』と村元は説明する。『シングルとアイスダンスが融合したプログラムになっている』との村元の言葉通り、高橋がジャンプをした直後に村元がスピンをすると振り付けもあり、競技のルールから解き放たれた自由な二人の姿が見られた

 

  二人はパンツスタイルでこのプログラムを滑るが、その衣装は目の覚めるような極彩色だ

『アフリカでも使われている柄を衣装さんが探して、10個くらいデザインを探していただいて。その中で自分達に合う・合わないを考えて、5パターンのデザインを使ってマッチするように作られた衣装でもあるので、その衣装のこだわりも一つの見どころかなと思います』(村元)

 

  公演初日を迎えるにあたり、高橋は『自分達のナンバー以外にグループナンバーもあって、そちらのほうもすごく大変なんですけれども』と前置きしつつ、意欲をみせている

『かっこいいプログラムを一緒にやらせてもらえるという喜びを感じながら、それをお客さんに届ける。スタートから最後まで、思い切り全力でやっていきたいなと思っています』(高橋)

 

  真夏のリンクで、村元と高橋は自由に、そして華やかにプロとしての滑りを披露する

 

関連記事(スポルティーバから)