毎朝、ゾンビみたいなポーズで向かってくる猫がいた。


今年の7月初め。

私は、忘れられない猫と出会った。

その猫は、メスの保護猫。

年齢は不詳。

名前は、ビビ。

初めて会った日のことは、今でも鮮明に覚えている。

手と足をピンッと立てて、両手を前に突き出しながら、まるでゾンビのような格好で私に向かってきたのだ。


しかも……

それが毎朝だった。笑


普通なら、野良猫って人間を警戒するものじゃない?

なのに、この子は違った。

ヨロヨロしながらも、なぜか私に向かってくる。

その姿は勇敢そのもの。

だから私は、心の中で勝手に名前をつけた。


「ゾンビ猫」。

ところが。

よく見ると、笑っていられる状態ではなかった。

身体はガリガリ。

あばら骨が浮き出るほど痩せ細っていた。

このままでは、いつか本当に死んでしまうんじゃないか。

そう思ったら、もう見ていられなかった。

私は、この子を保護してお世話することを決めた。

でも、ここからが大変だった。

動物病院に連れて行くと、告げられたのは……


**猫エイズ陽性。

そして、腰の骨が折れている。**


おそらく交通事故ではないか、とのことだった。

猫エイズだけでも心配なのに、骨折までしているなんて。

しかも、我が家には先住猫がいる。

その子は猫エイズではない。

どうしたらいいの?

保護したい。

でも、先住猫のことも守らなければいけない。

命を助けたいという気持ちだけでは、簡単に解決できない現実があった。

それでも、あのガリガリの身体で、毎朝ゾンビポーズをしながら向かってきたビビを見捨てることはできなかった。

そして私は、まだ知らなかった。

このゾンビ猫が、私の想像をはるかに超える行動を起こすことを。

まさか、あんなことになるなんて……。

【次回予告】

ある日、ビビがいなくなった。

しかも、家から3キロも離れた場所で。

私は家に帰り、泣き崩れた。

ところが2日後の夜。

玄関から、突然「ドンッ!」という音がした。

あの音は、もしかして……。




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