季節が変わり人が変わる。

場所が変わり、物が変わる。

だけども、既存のものに固執してしまう。
それは、愛情にもにたものだと思う。

僕が学生の頃、2ヶ月間過ごしたアデレードという町。

何も無い町だった。

メインストリートがあり、ビーチがあり、カフェがあり、お気に入りのフィッシュアンドチップスのお店と、スコーンのお店。
古着屋があり、美味しい中華のお店があった(ここのエッグタルトは最高でした)。
市場があり、綺麗なポストオフィスと教会もあったなぁ。
シティから離れたところにウェストレイクスという湖があった。
湖沿いの家にはボートが浮かび、絵本のような風景だった。

観光客は決まって言うだろう。
「なんにも無い町だ」って。

時間があれば、ビーチを30分程あるいて、隣町まで出かけた。
道中には犬を散歩させている人に出会い、ゆっくりと歩いた。
隣町は、これまた小さい町で、小さな教会と数件の宿泊施設、パン屋と小さなスーパー、お気に入りのスコーンを焼いてくれるカフェがあった。
デザインはとても古く、ちょうど、映画「スタンドバイミー」のラストシーンの雰囲気ににている。
そのカフェではきまってスコーンを注文した。
イギリスで過ごした時に食べたスコーンは格別だったけれど、ここのそれは、それを凌ぐ程美味しかった。
今でも忘れない、あそこで働いていたおじさん。
スコーンをテーブルに置いて必ずこういってくれた。
「enjoy!」


僕が滞在したのは冬だった。
それでもグレネルグといわれるビーチに路面電車に乗って何度か出かけた。
夏には人で溢れかえりそうな、冬でも泳ぎたくなるような場所だった。
その入り口、看板にはこう書いてあった。
「 danger!! shark!!!!」
一気に冷めた。


観光地といえば離れ小島にカンガルーアイランドと言う町があった。
日帰りは難しく、神戸から言うと、小豆島くらいな感じじゃないかな。
カンガルーアイランドだけど、夜になるとペンギンで埋め尽くされる。
魚臭いペンギンがウヨウヨ出てくる。
自然がいっぱいの島だった。
オーストラリアはユーカリが有名だけど、ユーカリはとても燃えやすい。
ユーカリから取れるオイルは万能薬として親しまれていて、カンガルーアイランドでも生産していた。
その工場で、オーナーらしき人が、
「ここでは火気厳禁だ。なんてったって、大火災の原因になったユーカリのオイルを生産してるんだからな。」
そういいながら、右手にはしっかりタバコを握っていた。

とても自由で、食が豊かで、感情的になれる。
そんな街でした。
またいづれ、必ず訪れようと思う。
場所を離れても、移っても、忘れないこともあるし、変わらない思いでもある。
それでいんじゃないかな。