僕は、数年前と今年、数か月ではあるが路上パフォーマンス(ストリートマジック)に挑戦した。

数年前はイマイチだったものの、今年は、ほんの数日ではあるが、かなりの収入(投げ銭)を得た。

当然、どれも無許可でやったのだが、苦情を言う人など誰もいないどころか、沢山の人に喜ばれた。

警察官が2人来た事もあったが、僕の名前を聞いただけで去っていった。

名古屋港にある海上保安部という建物の目の前の交差点で数時間やった事もあるが、誰にも注意される事は無かった。

 

そして今年、僕はもっと本格的にやりたくて、名古屋市役所に「どうやって許可を取るのか」を直接聞きに行った。

市役所の人が言うには、「それは警察の方で」との事だったので、そこからすぐ近くにある愛知県警察本部という所に行った。

そこで担当者らしき警察の人と話をしたが、真っ先に言われた言葉は「通行の妨げになる」だった。

「うちでは路上の許可とかは出していない、そもそも路上でパフォーマンスはやってほしくない」と言われた。

 

それから数か月後、僕は犬山城下町でパフォーマンスをしたくて犬山市役所に電話したが、「土木(なんちゃら)という場所で聞いてください」と言われたので、電話番号を教えてもらい、そこに電話をかけてみた。

すると、ここでも真っ先に通行の妨げになる的な事を言われた。

実をいうと、今年のゴールデンウィークに犬山城下町で1度だけパフォーマンスをしたのだが、誰にも注意されず、沢山の人に喜んでもらい、通行の妨げなんか一度もならなかった(ここでの収入が最も多かった)。

もちろん、それ以前のあらゆる場所でのパフォーマンスも通行の妨げになんかなった事が無い。

 

そこで僕が思うに、多くの人が路上パフォーマンスにおいて大きな誤解をしていると推測する。

インターネット上で「路上パフォーマンス」と検索して調べると、かなりの確率で路上ライブがヒットする。

YouTubeでは、沢山の観客に囲まれたパフォーマーの動画がヒットする。

 

 

画像はどちらもAIに作らせたのだが、つまりは、路上パフォーマンスというと、こんな感じを想像する人が多いのだろう。

そもそもこれが間違い。

 

僕のパフォーマンスは、1人~2人相手、もしくはカップルや1家族等、少人数を目の前に演じるタイプだ。

「それでも客は集まってくるだろ」と思いがちだが、そんな簡単に人は集まらないと断言する。

路上パフォーマンス(特にストリートマジック)は、客を1組でも捕まえるのがやっとの世界だ。

相当な技術やアプローチ力(りょく)がないと誰も近寄ってはくれない。

それに、客は犬や猫でも人形でもなく人間だ。

観客自身の立ち位置が通行の妨げになるかどうかぐらい判断が出来る筈である。

大抵の人が「通行の妨げになる」と真っ先に思い浮かべるのと同じで、観客だってそんな事は頭にある上でパフォーマンスを観る筈だ。

考えてみてほしい、あなたが歩道に立っていて、歩行者や自転車が近づいてきたらどうするかを。

誰だってその人を通らせるために避けるのが当たり前である(日本人であれば尚更)。

通行の邪魔をしてまでパフォーマンスを観る人などいない。

というか、僕が実際に路上パフォーマンスを何度もやった上での考察だ。

万が一観客が混んできても、その時は僕が「そこは通行の妨げになるので、こちらの方へ移動お願いします!」などと誘導すれば良いだけの話である。

それとも、前もって「通行の邪魔にならない様にお願いします」とでも書いた看板を置いておけば良い。

 

この文章を読む人は全然いないかもしれないが、路上パフォーマンスへの理解が日本全国に浸透してくれれば幸いである。

 

ちなみに僕は単なる素人であり、プロでも何でもない。

路上パフォーマンスを趣味としている人間だ。