先日

帰宅した時に

靴箱の上の

カギ入れの中に

黒いボールペンを1本見つけました


私の物ではない…


たぶん夫の物…


いつから

そこに置いてあったのか

全く気付きませんでした


けれど


それは

間違いなく

生きていた頃の夫が置いた

ボールペン…


瞬時に

玄関先での

夫の姿が浮かびました


夫は

ワイシャツのポケットに

ペンを差すのが癖でした


よくインクが付いて

洗濯しても落ちないので

できればやめて欲しいな…と

いつも思っていました


何かの拍子に

そのペンを

カギ入れの中に置いたのでしょう


確かに

このペンと共に

夫はここに居た…


大袈裟かもしれないけれど


そんな

不意に現れる

夫の生きていた証には

心が揺さぶられて

その場に立ち尽くしてしまいます


毎日のように

カギ入れは見ていたはずなのに

亡くなって2年も経った今

さりげなく置かれたそのボールペンが

目に入るとは…


「俺はここに居たぞ…生きてたんだぞ」


夫が

そう訴えている気がして


思わず手に取り

その時の夫の姿を想像して


そしてまた

同じ所に置き直しました


そこから

移動させるのは

何だか違う…


夫がここに置いたのなら

そのままでいい…


亡くなっても

夫が触れた物は

家の何処かしこに有り続ける…


それだけでも

十分気持ちの拠り所になります


いつかは

気持ちの整理ができて

全てを処分する時が来るとしても


今ではない…


もう少し

主を失った物達を

夫の分身として感じていたい…と思うのです