昨日は

午前中

歯医者に行きました


虫歯ではないかと

前から気になっていた左奥歯を

診てもらおうと

ふと思い立ったのです


診断は

虫歯ではありませんでした


歯茎が下がって

隙間ができただけだったようです


安心しました


あまり

通いたい場所ではありません


苦手なのです…


歯科に行くのは

夫が亡くなって以来

初めてでした


今住んでいる所に越してきてから

ずっと家族でお世話になってきた医院です


受付は

先生の奥様がされています


暫くぶりの診察なので

保険証を出しました


「あの…この保険証は…?」


私の国民健康保険証を見て

気づかれたようです


「2年ほど前に主人は亡くなりました…」


「まだ、お若かったでしょう…?」


「61歳でした…膵臓癌だったので…」


ここまでやっと言い終えて

声が震えそうになりました


診察を待つ間

心臓がドキドキして

苦しくなりました


もう大丈夫だと思っていても


不意を突かれると


夫の死を

言葉にするのは

2年経った今でも

本当に苦しいことです


できれば

察して欲しい…とさえ思いました


病院に行って

自分の薄っぺらい保険証を出すたびに

宙ぶらりんな自分の立ち位置を思い知ります


夫の支えなしで生きている自分の足元が

ぐらつく感じがします


私がこんなに早く

1人残されるなんて

起こり得ないと思っていました


でも

人生とは


考えもしないこと…

有り得ないと思っていたことが

自分の身にも起こり得るものなのだと


恥ずかしいことに

この歳になって

初めて知りました


それまでが

どんなに幸せだったか…


もっと早くに

気付くべきでした


日常が一変した

あの病気発覚の日から今まで

4年が過ぎようとしています


余りにも

衝撃的で辛い2年を経て

その後の1人生活を2年近く…


現実味のない日々を

送ってきたような気がします


今もまだ

ふわふわと

夫の居ない世界に

ただ身を置いて暮らしています


この感覚を

いくら他人に話したとて

経験していない限り

わかって貰えるのは無理だと

いい加減

もう諦めました


昨日のような状況は

この2年

何度もありました


そのうち

慣れていくものだと思っていました


でも


そんなに簡単ではなさそうです…


毎回


夫が亡くなった事実

辛く悲しかったあの日

共に闘い

もがき苦しんだ日々


そこに

もう1度引き戻されるだけ…


そして

感情がコントロールできなくなる…


こればかりは

どうしようもないのです


自分の人生の通過点に起きた出来事の1つ…


もし万が一

そう感じるようになれる日が来たとしたら


この先私が

相当長生きした結果なのだと思います


今は


夫のことを話す場面で

動揺してしまう自分を


仕方のない

心の反応なのだと

受け入れていくしかなさそうです