毎年今頃の時期

年賀状の裏面のデザインを考えるのが

私のお決まりの仕事でした


3種類ほど候補を作り

夫に見せて

好みが一致したものを

印刷して出していました


何でいつも私ばかり…と文句を言いながらも

夫の誉め言葉に乗せられて

ついつい調子づいてしまったものでした


何か一言添える作業は

枚数の多い夫にとっては

結構大変そうでした


たしか

一昨年は年賀状を書いたはず…


けれど

どんなデザインを作ったのか

全く思い出せません


パソコンを開けば残っているけれど

見る気にもなりません


そして

夫が裏面に何かを書いていた様子も

全然覚えていないことに気づきました


出したのかな…年賀状…?


おそらく

心ここに有らずの状態だったのだと思います


夫にとって

それが最後の年賀状になることは

何となくわかっていたから…


夫が

どんな気持ちで

どんな言葉を

毎年出してきた方々に伝えたのか…


ふと何故か

今日になって

そんなことを思いました


想像しただけで

涙がこぼれてきました


きっと

2年前の私は

その様子を見ていられなかったのだと思います


だから

夫の姿が記憶に残っていないのです


自分自身も

書いたかどうか思い出せないくらい

重苦しい年末でした


昨年の喪中葉書のことは

悲しいほどはっきりと覚えています


2度と

あんな辛いことはしたくない…


深い傷に

さらに塩を塗りつけるような作業でした


そして

もう年賀状を書くのはやめようと思います


たまたま会った友達数人には伝えました


もうおめでたい気持ちにはなれないのよ…と


そうだよね…わかるよ…

こちらも遠慮するね…


気持ちを理解してもらえて

ほっとしました


けれど

全員に断りの連絡をする気にはなれません


どうか

察して欲しい…


他力本願です


たぶん

何事もなかったかのように

年明けの祝い文句を送ってくる人もいるでしょう


仕方ないかな…と思います


この経験から来る複雑な感情を

無理してわかってもらう必要もないのです


これからもお互い繋がっていたい人とは

違うツールで連絡を取り合えばいいと思っています


夫が亡くなったことで

自然といろんなことが整理されて

少しずつ何かが変わっていきます


自分を取り巻く世界も

狭まっていく気がします


けれどまた

それはそれで

違った景色が見えるのかもしれない…


夫が書いた

最後の年賀状に添えた言葉…


「また飲もう!」


あの人のことだから

病気のことなど

微塵も感じさせない

そんな明るい一言だったのでは…と思います