夫は亡くなってしまったのに

自分だけが

何も変わらない世界に

生きていることが

未だに不思議でなりません


宙ぶらりんな感覚で

今ここにいる自分は

一体誰なんだろう


夫の名字を名乗る

夫の妻ではあるけれど

夫はもうこの世には存在しない人


私は何処に属せばいいんだろう

家族は遠く離れた所にいる子供達

近くに住んでいる両親と弟


あまり付き合いのない

義理の弟夫婦と義母


決して天涯孤独ではないけれど

夫がいないだけで

1人ぽつんと取り残された感じは否めない…


あんなにけんかもしたのに…

憎たらしくて口もききたくない時も

あったのに…

看病疲れでイライラしていたことも

あったのに…


だけど

逢いたいのです…

どうしても…


夫が

この世界にいないことの違和感…


何処を見渡しても

夫はいない…


毎日聞いていた

あの声も

何処からも聞こえてきません


この世の不思議…


初めて

1番近くにいた人を亡くして知る

例えようもない喪失感…


夫がいたから

自分の居場所を認識できていた…


そうだったことに気づきました


結婚する前は

自分の居場所は自分自身だったはずなのに


いつの間にか

夫と一対の関係が当たり前になっていた…


ふらりふらりと

軸を失ったように

生きている私は

これからどうなっていくのだろう…


『何で

居ないんだろうね… 』


 ただそれだけ…


毎日繰り返す

理屈ではない

感覚的なこの思いは 

自分がどこにいても消えない…


心に押された判子のように

ずっと付いて回るのだ…と

覚悟するしかない…


そう言い聞かせて

毎日をやり過ごすことが

今自分を生かす

精一杯の術だと思うのです