11回戦@横浜 広島4-2横浜DeNA 機動力野球発動で主導権握る!アドゥワ投手6回2失点粘投で5勝目!栗林投手通算100セーブ達成!今季最多貯金5で首位阪神に0.5ゲーム差!

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【広島】足をからめ主導権握る 新井監督「うちらしい全員野球」貯金5「仕切り直して」交流戦へ

5/26(日) 20:51配信


日刊スポーツ

DeNA対広島 1回表広島無死一塁、二盗を決める秋山(撮影・たえ見朱実)

<DeNA2-4広島>◇26日◇横浜

 広島が足をからめて主導権を握った。1回に野間の本盗などで2点を先制すると、1点リードの8回には代走羽月の二盗で好機をつくり、石原の適時二塁打で加点。守備でも投手陣を支え、DeNAに毎回安打されながら2失点に抑えた。

 新井監督は「うちらしい全員野球で、いい野球だった」と満足げ。貯金5で交流戦に入るが「そこは仕切り直して交流戦に臨みたい」と気を引き締めていた。

 ▽広島野間(1回に適時打と本盗で2点にからむ)「(適時打は)甘いとこに来たので、ヒットになってよかった。(本盗は)そういう準備もしながら、という感じです」

 ▽広島石原(8回に貴重な追加点となる適時二塁打)「でかいですね、1点差と2点差では全然違うので。いい形で3連勝して(交流戦前を)終われたのがよかった」

 ▽広島アドゥワ(自己最多の115球を投げ6回2失点でリーグ最多タイの5勝目)「毎回点を取ってくださるけど、すぐ取られてしまって情けない。全部野手に助けてもらってる数字なので」







今日の試合はカープの持ち味の機動力を発揮して、泥臭く点を取る野球が出来ました。守備も好守連発でピッチャーを盛り立てるという、とてもいい雰囲気でした。

 初回は“足攻”で主導権を握りました。先頭四球で出塁の秋山選手が2盗を決め、1アウト2塁から野間選手がライト前タイムリーを放ち、1点を先制しました。なおも2アウト1、3塁の場面でベンチはダブルスチールを仕掛けました。DeNAキャッチャーの山本選手の2塁送球を見て、3塁ランナーの野間が本盗を成功させて2点目を奪いました。このダブルスチールは素晴らしかったですね。ラジオ中継で解説をしていたカープOBの西山秀二さんが言われていましたが、DeNAのキャッチャー山本選手は強肩なので、ランナーがスタートしたらまずその強肩を発動させてランナーをアウトにしたい思いが強いところをうまく利用して、ダブルスチールを成功させたカープベンチはすごいとのことでした。

 打線は4回表1アウト満塁から秋山選手のレフトへの犠牲フライで1点を追加し、3-1に。その後に1点差に詰め寄られましたが、8回表は2アウト3塁から石原選手の左中間へのタイムリー2ベースで4-2と突き放しました。石原選手は前日の8回表にも代打で値千金の同点ソロを放ち、この日は今週2度目となる先発マスクに抜てきされていました。ドリヨシ的には、石原選手をベンチに置くのはもったいないと思います。是非キャッチャースタメンでどんどん起用して欲しいですね。

 先発のアドゥワ投手は、DeNA蝦名選手に初回先頭初球弾を浴びましたが、その後は粘りました。毎回の8安打を浴びましたが、プロ最多となる115球を投げ、6回2失点にまとめました。リーグトップに並ぶ5勝目を手にしました。アドゥワ投手は今日は制球にやや難がありましたが、なんとか要所を締めて、DeNA打線のつながりを断ちました。苦しみながらもここまで粘れたのは、自信にしていいと思います。

 前日まで2戦連続の延長戦でリリーフ陣の疲労も懸念されましたが、7回裏は塹江投手、8回裏は矢崎投手が無失点でつなぎました。9回裏は栗林投手が2点リードを守って、リーグトップに並ぶ14セーブ目。2008年の馬原投手(ソフトバンク)に並ぶ日本人最速のプロ178試合目で史上36人目の通算100セーブを達成しました。おめでとうございます。栗林投手がいなかったらと思うと、ゾッとしますね。

今日の試合は守備でも素晴らしいものを見せてくれました。まずは矢野選手です。2-1の2回裏、ノーアウト1塁でDeNA森敬選手の打球はセカンド正面へ。併殺かと思われたところ、矢野選手の2塁への送球が大きくそれてノーアウト2、3塁とピンチが拡大しました。ここで内野陣は前進守備を敷きました。DeN林選手のライトへ抜けそうな打球を今度は矢野選手が横っ飛びで捕球し、1塁へ送球。アウトになっただけでなく、3塁ランナーの生還も許しませんでした。今日の矢野選手は菊池選手に代わってセカンドでスタメンでした。1回裏は2アウト3塁でDeNA宮崎選手のライト前へ落ちそうな飛球を全力で追いかけて、最後はスライディングキャッチで捕球して失点を防ぎました。もはや異次元的な守備に、DeNAベンチも驚きの表情でした。矢野選手は今季ゴールデングラブ賞いけると思います。

もう1人は田中選手です。田中選手は7番サードでスタメンでした。3-2で迎えた6回裏、2アウト1、3塁でDeNA桑原選手の放った3塁線の強烈なライナーを田中選手がダイビングキャッチしてアウトにし、ピンチを脱しました。この打球が抜けていたらおそらくランナー2人生還して、逆転を食らっていたはずです。それだけに、この田中選手のプレーは素晴らしかったですね。ドリヨシ的には、このプレーが今日の試合のポイントだったと思います。

これでチームは今季2度目の同一カード3連勝とし、22勝17敗4分けの今季最多の貯金5としました。首位阪神が今日敗れたため、ゲーム差は再び0.5に迫りました。

 休養日を挟み、28日のオリックス戦(マツダ)からいよいよ交流戦が始まります。新井監督1年目の昨季は9勝9敗でした。開催3年連続(20年は中止)で最下位だった負の流れは止めました。今季は17年以来6年ぶりの勝ち越しを目指します。

ドリヨシ的には、昨年の交流戦前のチーム状態と比べると、今年は格段にいいと思います。なので、交流戦勝ち越しは十分可能だと思います。野球解説者の高木豊さんによると、セ・リーグは阪神と広島の2チームが主導で進んでいくと予想されています。ドリヨシも同じ考えです。交流戦でカギを握るのは、阪神と広島が、パ・リーグ上位3チームのソフトバンク、日本ハム、ロッテと対戦して、どのような戦いを繰り広げるかにかかっているのではないかと思います。

いずれにしても、今季の交流戦は少し楽しみにしています。