佐々岡監督と安仁屋宗八氏が新春対談。

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広島・佐々岡監督×安仁屋宗八氏新春対談【1】誓った!当然V奪還&日本一
1/3(金) 7:30配信

 広島・佐々岡真司新監督(52)と、カープOB会長でデイリースポーツ評論家の安仁屋宗八氏(75)が新春初対談を行った。リーグ4連覇が懸かった昨季はまさかのBクラスに沈み、今季はV奪回を目指すシーズン。新指揮官はリーグ優勝とともに自身初の日本一を誓い、安仁屋氏は53年ぶりとなる投手出身監督に大きな期待を寄せた。以下は対談その1。

  ◇  ◇

 安仁屋氏(以下、安仁屋)「監督就任、おめでとう!」

 佐々岡監督(以下、佐々岡)「ありがとうございます。よろしくお願いします」

 安仁屋「まず最初に聞きたいんだけど、昨年1軍の投手コーチを1年やって、その延長のような形で監督を受けた。チーム事情は分かってると思う。10月には日南へ秋季キャンプの視察にも行って、かなり勉強になったんじゃないかな」

 佐々岡「そうですね。昨年はCS進出を逃してキャンプ期間が長かったですからね。約3週間、若手中心のキャンプにしたのはいろんな若手を見てみたかったから。野手にしても投手にしても実戦で見るのが一番だと思うので。僕もバックネット裏からサインなどの勉強をしたり、攻撃面、守備面は高ヘッドコーチと“こういう時はこう”という話をしながら見ていた。攻撃面は分からないことがあったので実戦も多くやりましたね」

 -先発は大瀬良とジョンソンが軸になる。

 佐々岡「当然ながら2人は別格としてやってもらわないと。あとは床田、九里、祐輔(野村)というところが競争しながら。昨年1軍のコーチになった時から『みんな競争』と言ってきた。ポジションは与えられるものではない。遠藤、山口、アドゥワら若手が伸びてきている中で、みんなで競争するという意識を持ってやってほしい。(ドラフト1位の)森下にも期待している。6つある先発のイスを取ってほしいなと。いろいろ考えると、余裕があるように思うけど(笑)」

 安仁屋「数はおるんだよね(笑)」

 佐々岡「開幕前は“安仁屋算”で140勝ぐらいする計算になる(笑)」

 -昨年も夏場の先発事情は苦しかった。

 佐々岡「だからこそ何枚でも先発投手がほしい。差がないというか、1人故障してファームから選手を上げる時にレベルの差が違ってはいけない。そこの底上げが重要になる。誰が1軍に上がってきても、勝てるピッチャーというか、そういう競争意識を持って準備してほしい」

 -監督になって正月の過ごし方は。

 佐々岡「ルーティンは全く変わらないと思う(笑)。気持ちは引き締まるかもしれませんけど、田舎に帰って、田舎の人と会ったり、お墓参りしたり。いつも通りですね」

 安仁屋「そうだよね。監督になって性格が変わることはないだろうし。みんなに好かれる性格をしているからそのままでいい。監督になって威張ることはないし、逆に頭を下げてみんなにかわいがってもらうぐらいの監督になってくれんとね。人間的には最高の人が監督になったんじゃないかなあと僕は思う。今年はものすごく期待できる。まして久しぶりのピッチャー出身監督となればね。期待も大きいし、今までも応援してきたけど、それ以上に応援したいというのもあるからね。陰ながらでしか力になれんけど」

 佐々岡「目標は当然、V奪還と日本一です。日本一というのは、安仁屋さんからいつも口酸っぱく言われてますけど(笑)」

 安仁屋「そうそう。当然、日本一しかないだろう」

 佐々岡「僕はリーグ優勝の経験はあるんですけど、日本一は経験したことがない。入団2年目の1991年の日本シリーズも西武に3勝4敗で負けてしまって…。だから日本一というものを味わってみたいんです」(対談2に続く)

広島・佐々岡監督×安仁屋宗八氏新春対談【2】森下開幕1軍期待!岡田はリリーフ
1/3(金) 7:30配信

 対談する安仁屋宗八氏(左)と広島・佐々岡真司監督(撮影・飯室逸平)

 広島・佐々岡真司新監督(52)と、カープOB会長でデイリースポーツ評論家の安仁屋宗八氏(75)が新春初対談を行った。リーグ4連覇が懸かった昨季はまさかのBクラスに沈み、今季はV奪回を目指すシーズン。新指揮官はリーグ優勝とともに自身初の日本一を誓い、安仁屋氏は53年ぶりとなる投手出身監督に大きな期待を寄せた。以下は対談その2。

  ◇  ◇

 -秋季キャンプではブルペンに足を運ぶ時間が長かった。

 佐々岡監督(以下、佐々岡)「1日の練習で8割ぐらいはブルペンにいたんじゃないかな(笑)。バッティングを見たり守備を見たりは2割ぐらい。ついつい足が向くのはブルペンの方という感じはしました」

 安仁屋宗八氏(以下、安仁屋)「一昨年と比べて昨年はチーム防御率は良くなったけど、一岡、岡田、薮田ら成績が上がっていない投手も多かった」

 佐々岡「優勝した一昨年は防御率4点台(4・12)で、昨年は3点台(3・68)になったといっても、失点と自責点は多いわけで。先発もそうですけど、ここぞというところで…。試合終盤にかけての逃げ切りというか、リリーフ陣の層の薄さというかね。中崎の不調、一岡の故障も痛かった。そこでフランスアを後ろに持っていくと、今度はセットアッパーの薄さが出たと思うんですよね。カープが目指している1点を守る野球、最少失点で逃げ切るという試合ができなかったという感じがします」

 -オフにはDJ・ジョンソン、スコットと2人の新外国人の中継ぎ投手が加入した。

 佐々岡「球団にリリーフ陣の強化をお願いして取ってもらった。2月には後ろで使えるかどうかを判断しないといけない。外国人は見てみないと分からないけど、期待する面は当然ある。2人が入ってくると、リリーフ陣の層は厚くなると思う。フランスアを含めて3人。フランスアも安泰じゃないよというところで競争してもらわないと」

 安仁屋「個人的には、昨年未勝利に終わった岡田、そして4年目の矢崎というところが出てきてほしい」

 佐々岡「僕が監督になってすぐ思ったのが岡田のリリーフ。短い1イニングを任せたいなとずっと思っていたので。昨年は先発として期待されながら、ああいう成績で終わったのでね。ちょっとリリーフとしてやってまた何かつかんでくれたらいいと思うし。僕も先発、リリーフをやってきて、調子を落とした時にリリーフに回ったこともある。岡田のいいところは三振が取れる、真っすぐで押せるというところ。あのボールを見たら、リリーフでやってくれないかなという期待はすごくあります」

 安仁屋「先発は考えてない?」

 佐々岡「考えてないですね。岡田にもリリーフでと言ってありますし」

 安仁屋「なるほど。まあ、本人もはっきり言ってもらった方が気分的にも楽になる部分はあるだろう」

 佐々岡「優勝した年も先発で2ケタ勝利を挙げた投手ではありますけどね。いい意味で今度は後ろ。先発がダメというわけじゃなくて、期待しての後ろなので、それを意気に感じてやってくれたらと思います」

 安仁屋「ドラフト1位の森下は即戦力として考えているそうだね」

 佐々岡「ビデオを見て、ドラフト前に即戦力の森下君がほしいと(松田)オーナーに伝えた。期待する面はすごくあるし、当然ながら開幕1軍で先発ローテーションに入ってくれるという気持ちはあります」

 安仁屋「彼には新人王を目指して頑張ってもらいたいね。僕も1、2回、彼の投げている映像を見て、これは即戦力でいけるんじゃないかなという気はした。まず一番にコントロールがいいピッチャーだなあと思ったし、三振も取れるピッチャーという印象を受けた」

 -佐々岡監督が入団した年は安仁屋さんは1軍コーチだった。

 安仁屋「監督が入団した時はすごくスマートやった。今は体形が全く変わってしまったけど(笑)。入ってきてくれてすごく助けてもらった。それがすごく印象に残っている。スライダーが良かったし、ストレートも150キロぐらい出とったし。三振が取れたよね。それに輪をかけて3年目ぐらいからシュートのキレも良くなった。三振が取れるピッチャーはコーチをしていて楽だった。使い減りしないピッチャーだったから。そういうピッチャーをどんどん育ててほしい」

 -捕手については。会沢を筆頭に磯村、坂倉、そしてベテラン石原もいる。

 佐々岡「坂倉が秋のキャンプで打力で伸びてきている面があるので、何とか使えるというところにいってほしいなと。基本は会沢が中心になると思いますけど、坂倉には会沢を脅かすような存在になってほしい」(対談3に続く)

広島・佐々岡監督×安仁屋宗八氏新春対談【3】誠也の前後打つ長距離砲欲しい
1/3(金) 7:30配信

 広島・佐々岡真司新監督(52)と、カープOB会長でデイリースポーツ評論家の安仁屋宗八氏(75)が新春初対談を行った。リーグ4連覇が懸かった昨季はまさかのBクラスに沈み、今季はV奪回を目指すシーズン。新指揮官はリーグ優勝とともに自身初の日本一を誓い、安仁屋氏は53年ぶりとなる投手出身監督に大きな期待を寄せた。以下は対談その3。

  ◇  ◇

 安仁屋宗八氏(以下、安仁屋)「地元広島出身の中村奨成も忘れちゃいけない。みんなから聞かれるのは彼のことばかり(笑)」

 佐々岡監督(以下、佐々岡)「秋では頑張ってましたからね。オフの課題も与えた中で、この2月にどういう形でキャンプに入ってくるか」

 安仁屋「そうよね、1軍に入っていけるか、ワシも楽しみにしているんだ」

 -攻撃に関しては。

 佐々岡「まだ春季キャンプにならないと分からない面もありますけど、誠也の前後をしっかり打てるバッターが重要になってくるんじゃないかなと。1点を取る野球、1点を守る野球、カープ野球を継承しつつも、やっぱり打たないと勝てないというのを昨年感じたので。特にパ・リーグは打って打って、ランナーをためて長打という野球をしてくる。ランナーを進めて1点を取るというのもありなんですけど、やっぱり長打は相手にダメージを与える。そういう面では誠也は当然ながら、その前後にもホームランを打てる、長打を打てるバッターが欲しいと思います」

 安仁屋「昨年は3番、5番の打順の入れ替えがものすごく激しく、なかなか打線を固定できなかった」

 佐々岡「そうですね。松山の不調も響いたと思いますし、田中の不調もあった。ただ、今の時代は2番に長打を打てるバッターが入ったりもするので、4番にそこまでこだわるべきかは分からないですけど、オーソドックスであれば4番を軸に3、5番のバッターが重要になるんじゃないかと思います」

 安仁屋「5番はある程度長打を打てないと、誠也を敬遠という形があるからね。5番はすごく重要。5番を誰にするのかという選択がすごく難しくなってくるよね。野手のことは野手のコーチに任せて決めていかないと。毎日毎日、日替わりではイカンしね」

 佐々岡「ある程度、固定はしたいんですけど、相性とか左右の問題もあるだろうし、体調面も含めて、いろんなデータをそろえた上で考えないといけない。基本はメンバーを固定できたら強いと思いますけど」

 安仁屋「高ヘッドが軸になるんだろうけど、打撃コーチ、守備コーチともよく話し合っていかないとね」

 佐々岡「攻撃と守備は高ヘッドを中心に、打撃に関しては朝山コーチともコミュニケーションを取りながらやっていきたいと思っています」

 安仁屋「それがいい。1人で悩んでもしょうがない。勝ったら勝ったで悩むことがある。負けたらなお悩まんとイカンから、ある程度、コーチに任せてね。そうしながら自分が気づいたこともどんどん積極的に話していけば、また良いときのカープに戻れるんじゃないかな」

 -他の5球団も補強を進めている。

 佐々岡「今は他球団のことより自分のところの方が…(苦笑)」

 安仁屋「そこまで余裕はないよな」

 佐々岡「各球団とも外国人を中心に補強しているけど、うちも外国人は取ってるわけだし、実際に見てみないと分からないこともある。他は他で、まずは自分のチームというところです」

 安仁屋「不安半分、楽しみ半分、やりがいを感じるよね」

 佐々岡「そうですね。今の段階では先発もいろんなピッチャーがいるし、後ろも数はいる。野手もセカンドの菊池が残ってくれたのはとても大きい。外野にしても誠也、西川、長野がいて、野間も秋のキャンプでは良かった。そういう面では楽しみな部分は十分あると思います。不安もあるけど。期待もしっかりあります」(終わり)

佐々岡監督と安仁屋さんは仲のいい師弟関係なので、話も弾んでいるようですね。

今季は投手陣では岡田投手と、新たに戦力としてDJジョンソン投手とスコット投手の助っ人外国人が加入して、特に昨年不安定だったリリーフ陣の厚みが増してくる感じがしますね。

攻撃陣では、4番に固定の鈴木誠也選手の前と後を打つバッターがカギになりますね。昨年不調に終わった松山選手の復活が望まれますし、新たに助っ人外国人のピレラ選手が加入したことで、ある程度バッティングが好調ならば、クリーンアップに起用の可能性がありますね。

いずれにせよ、投手陣も野手陣も良い意味での競争になりそうです。キャンプインまで1ヵ月を切っていますが、自主トレから選手の皆さんの競争が始まっています。