《焼酎 熱を加えて手をかけた酒》
朝日新聞・2005年1月23日(日)/10面/ことばの交差点

 朝日新聞の10ページ目、読者からの投稿が載っているページの下に、「ことばの交差点」というコーナーがある。そこに「焼酎」の文字が…。読んでみると、「焼酎」という文字の語源についてであった。
 記事によると…焼酎の「焼」は、「高く火をかざすこと。あぶったり炊いたり、広く熱を加える。」ことを意味している。また、「酎」の文字は、「濃い酒、三度重ねて手を加えた酒」といったことを意味している。そして、「寸」は「肘」のことで、人為的に蒸留されたことを表すそうである。つまり、「焼酎」とは、「火を使い、アルコール度数の高い酒を蒸留する」ことを表しており、まさしく執筆者が言う通り、「蒸留酒の製造法を的確に象徴した言葉」であると言える。
 しかし、「焼酎」という文字表記においては「焼酒」や「消酎」と表記されていたとの記録も残っているようで、一定しなかったようである。有名な、鹿児島県大口市の郡山八幡神社の落書きには、永禄2年(1559年)の年号と「焼酎」の文字が書かれている。ということは、もともとは「焼酎」という文字表記であったはず。なぜ、「焼酒」「消酎」などという表記が登場したのだろうか?