フランス大統領選挙で社会党のフランソワ・オランド氏が当選したことから、韓国系2人が入閣する可能性が高まっているらしい。両名とも養子縁組されフランスに渡った。ペルラン氏は路上で捨てられていたところを保護され、フランスに養子に出され、その後、名門グランドゼコールを卒業したという異色の経歴。フラッセ氏は7歳でフランスに養子に出され、韓国系としては初めて上院議員に当選した人物。国連事務総長も現在は韓国系のパン・ギムン。世界銀行の次期総裁もアイビーリーグの1校名門ダートマス大の学長のジム・キム氏が最有力とされている。国際政治の中で韓国系の存在感が増している。これは、韓国が世界を視野に政策を打ってきたためだ。国際政治だけではなく、数学オリンピック等の大会などでも日本は韓国などに遠く及ばない。国際的音楽コンクールでも韓国勢の活躍が目立つ。経団連のシンクタンクの予測では、2030年に一人あたりGDPで韓国に追い抜かれると予測している。もちろん、韓国は北朝鮮のリスク、日本を上回る少子化、人口の海外流出、自殺率の上昇など問題も山積だが、少なくとも国際的地位が十年ほど前に比べれば上昇していることは明白だろう。韓国の世界を見据えた戦略を日本も少しは見習ったほうがいいかもしれない。

韓国は世界を見据えているが、これ対し、日本は若者が内向きだと叫ばれる。しかし、日本では若者が内向きだというのは、本当だろうか?個人的にみても、どう考えても最近の若い人の方が世界に興味がある。中高年ほど日本の高度成長期という過去栄光に浸って他国を下に見る風潮があるように思える(あくまで主観)。アメリカへの留学生が減少というニュースが大々的に報道されたが、なんとも誤解を与える報道だ。アジアなどへの留学する人も含めれば留学生は20年で4倍に増加している。少子化で留学する分母数が減っているのに分子が増加しているのだから、留学経験のある若者の割合は上昇していることになる。アメリカへの留学生の減少は単にアメリカの求心力低下を意味するに過ぎない。ハーバードの学部には日本人が数名しかいないというが、院の方をみると日本人が100人以上在学しており、コロンビア大学大学院はコースによっては10人に1人が日本人だという。学部留学が少ないのは制度のせいだ。大学時代に留学しようと思うと1,2年は必修授業のために留学できず、3,4年は就活とかぶって留学できない。いつ留学しろというのか。最近は海外赴任をしたがらない若者が多いというが、「?」だ。日刊工業新聞によると、30代以下で海外赴任希望が8割に対して、40代・50代で7割、60代で6割と若者の方が海外赴任希望する人の割合が高い。留学に行きたくないという人も費用の問題などから忌避しているだけではないだろうか。既得権益を守り、高度成長の栄光浸って制度改革をしない中高年の方にこそ問題があるように思える。中高年が若者バッシングしてストレス発散しているような国の将来は真っ暗だ。


==参考==
・http://www.r-agent.co.jp/kyujin/knowhow/tatsujin/20101118.html
・http://www.nikkan.co.jp/toku/enq/enq20111101.html