由紀さおりさんが、米国オレゴン州ポートランドを拠点とするジャズオーケストラ「ピンク・マルティーニ」と共演したアルバム「1969」が欧米諸国でチャートで上位にランクした。CDに収録曲の多くは昔のヒット曲で、日本語で歌われている。日本語で歌ったCDが欧米でチャート上位にくるのは異例だそうだ。米国では今月初めから販売され、ネット音楽販売iTunesジャズ部門で1位、カナダではiTunes外国音楽部門で1位、ギリシャでも総合アルバム部門で4位、シンガポールなどの国でも上位にランクしている。アメリカの場合は、ジャズオーケストラ「ピンク・マルティーニ」の名前で売れた可能性もありシンガポールでは日系人が購入している可能性もあるが、ギリシャで総合アルバムで4位というのは驚異的だろう。ヨーロッパ、北米、アジアなど諸国のチャートで上位にランクしているとなるとその人気は普遍的なようだ。欧米の人には、かつての日本歌謡の独特の曲調や日本語が新鮮に聞こるかもしれない。おまけにジャズオーケストラとタッグを組んでいることもあり、さらに洒落て聞こえるのだろう。日本人にとっても懐かしいメロディーが、欧米で人気を得ているのはなんとも嬉しい限りだ。次々に新しい歌手があらわれ、表面的に飾られた曲が消費されていく現代にあって、世代を超えて国境を超えた曲がヒットすることは、そうした時代の潮流への反動なのだろう。


Pink Martini & Saori Yuki - ブルー・ライト・ヨコハマ