「なるたる 実生 死 理由」という単語からこの日記に来た人が居るようだった。

でも、何故と言われても、そもそも死んでない

殺されたみたいな感じだけれど、別に殺されたわけじゃない。

普通に、竜になることが決まった実生は、自分が不可解な失踪をしたら家族が心配するから、魂の宿らない肉体を作って、それに刃物を刺して、他殺を装ったに過ぎない。(5巻 195p参照)

実際、母親に美園なんてシイナそっちのけで実生を元に戻す方法を探してたりする。

竜になることが死ぬことだと言われて、それに何故と言われたならば、それも別に物語の中に組み込まれてる。

あの世界では、物質的な遺伝的なもののほかに、魂とか記憶とか精神的なものが保存される機構があって、それが竜。(12巻 147-148pp)

そして竜になるのはその時生きていた生物(動物でも植物でもなんでも)で、人間以外がどの様にして竜になるかは一切の描写がなかったけれど、少なくとも人間については、「力を求めた」ならば「その見返りに」何でもできる能力をもらえる。

これについては特にそう言明されているわけではないのだけれど、そうでなかったなら必要のない描写になってしまうシーンが多すぎる。
 


 


(4巻より)

このシーンを念頭に置いて、一人一人竜の保持者を点検していけば、全員が何かを守りたかったり何かを変えたかったりしていることが分かる。

シイナと涅見子以外。おそらく二人は特別。

アキラは自分自身か自分の周りの全てのどちらかを変えたかったし、小森は「母親を介護しなければいけないという世界」を全て破壊したかったし、さとみは「文吾に守られている自分」を変えたかった。

文吾は「例え足首をちぎって動けなくしてでも」さとみを守りたかったし、須藤は「とにかく自己反省のない人類を抹殺」したかった。

鶴丸は「子供をたくさん産んで世界を作りたかった」し、あの箒の人は、文通相手を守りたかった。

のり夫が少し問題で、彼の行動原理は「鶴丸を守りたい」なんだけれど、いつの時点で竜と契約したかが分からないから、鶴丸を守る以外の理由があったかもしれない。まぁ、鶴丸に会った後ならば、鶴丸を守りたいという理由なのだろうけれど。

ひろちゃんは…誰でもあんな環境変えたいだろう。実際、気に食わないものすべて殺したし。

タラクスは想像することしか出来ないけれど、その竜のフォルムから子供らしく自分を強く見せたかったのだろうか。
 

(10巻)

それで、竜と契約すると命を作る以外の何でも出来る能力を手に入れることができるのだけれど、その見返りとして使えば使う程、人としての寿命が縮まる。

8巻の149-151ppで美薗がこれ以上能力を使うなと警告しているけれど、美薗の研究が竜になった娘を取り戻すことなのだから、竜になることが良い事であるはずがない。

だから、能力を使いすぎると竜になってしまうから警告した。

竜になってしまうと人としての人格を失う。

本当に記憶の為の存在になる。

いわば本みたいなもの。本人は人間的な恣意を失う。

その状態が死んだと言えば死んだと言えるのだろうけれど、そうだとしたら検索ワードが「実生 竜となる 理由」とかになるはずなので、死んだと思っているのだと思ってこれを書いた。

大体こんなところか。

どうなんだろうねこの内容。

正直、誰も得してない気がしてならない

でもまぁ、最初から誰も得してないから良いか

ではまたいつか。