むしのしらせ -7ページ目

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むしのしらそ

電車に乗っていたら中学男子の団体に囲まれる。

童貞。

童貞の響きがよく似合う。

誰にもあったんだよな、童貞。

童貞って、性行為をしたことがない人という解釈は一部にしか過ぎなく
それは精神の成り立ちを表す。

絶望や幸福のように。

童貞は人としての精神成形の過程を表し、大人として成長しきれていない状態を指している。

この童貞期には
「誇大表現」＝自分を大きく見せるための言動
「空想創造」＝自分は将来こうなるんだとリアルに想像する力。夢と表現されることも多い。
「無意識衝動」＝モラトリアム。無意識の中に溜まった鬱憤を己の制御下に置くことが出来ず、外界（ここでは、内界を己とする）の関係に吐き出してしまう衝動のこと。
特に童貞期は自分に甘い者＝家族に吐き出されることが多く、内弁慶と表現されることもある。
「性的欲求」＝言葉通り。
という感情が精神の全権を支配し、己の体の制御権を失ってしまうため、通常倫理としては有り得ない行動を起こしてしまうことがある。

例）聞きかじりのブァッションを真似して、びっくりするくらい奇抜なダサさの服で渋谷へ
例）公衆トイレに落書きされていた「○○子←こいつすぐヤラセる090…」の落書きに強く反応する
例）別にタバコ吸わないのにジッポーを持ち、かっこいい開け方を研究する

また、童貞期は大人になる過程に見られるものだが、対して大人への不信、不安に駆られることも多く見られる。
例）尾崎豊
例）キングコング西野

しかし、この童貞は男子にしか芽生えない感情であり、女子には童貞期がないことから幼少期から少女期にかけて男子よりも女子の方が精神的に大人として見られることが多い…。

此処まで書き上げた所で
童貞たちが電車を降りていった。

車内は静けさを取り戻す。

そこには、金木犀の香りにも似たすえた香りだけが残った。

むしろしらせ

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