
京セラ創業者 稲盛名誉会長死去
京セラ創業者で同社名誉会長の稲盛和夫(いなもり・かずお)氏が8月24日、老衰のため、京都市伏見区の自宅で亡くられました。
稲盛氏は鹿児島大工学部を卒業し、京都の碍子メーカーに就職、その後独立して59年に京都セラミツク(現京セラ)を設立しました。
その天才的な経営手腕で一代で京セラをここまでの大会社にまで成長させ、経営の神様とまでよばれました。

京セラアメーバ経営
稲盛氏の経営手法を語るときに外すことのできない内容として、アメーバ経営が挙げられます。
アメーバ経営とは、稲盛氏が京セラを経営していく中で創り出した独自の経営手法です。
めちゃくちゃ簡単に言うと、組織を数十人単位の集団に分け、独立採算制により運営する手法です。
つまり会社を小さな企業の集まりのように例え、さしずめリーダーは中小企業の社長さんです。
自分たちの小集団が『経費最小、利益最大』を追求して動くことにより、経営者意識を持ったリーダーを社内に育成できます。
のみならず、労使間で同じ方向性や志を持って仕事を進めることができますので、自らの経営哲学が結果的に会社全体に浸透することになります。
日本企業復活の鍵
『失われた30年』と言われている日本の経済。
今や先進国の座すら危ないと言われている成長率。
かって高度経済成長からバブルと言われていた時代の面影は、もはや見る影もありません。
今回、稲盛氏の訃報に接して、少し思い出したことがありました。
たしかJAL再建の際のインタビュー記事か何かだったと思います。
うろ覚えなので細部が違うかもしれませんが大まかに下記のような内容だったと思います。
自分達の能力や実績だと思っているいるものは「虚飾」や「うぬぼれ」である。
この虚飾やうぬぼれを引き剥がす必要がある。
虚飾が引き剥がされると、みすぼらしい自分自身が表に出てくる。
恥ずかしいから、再び一生懸命に虚飾を纏おうとする。
これをまた引き剥がす。
この作業を繰り返さねばらならんと。
そうすることで、天狗だった人は謙虚になり、物事を学ぶ姿勢に変わる。
まさに、今の日本経済とは30年前のバブル崩壊の際に引き剥がせなかった虚飾とうぬぼれを、いまだに引きずっているのではないでしょうか?
みすぼらしいほんとうの実態、それは我々日本国民自身の姿だと思います。
再び真に向き合わなければいけない時が、来ているのだと思います。
R.I.P.