集団的自衛権について 【佐藤優・前編】 | 太平洋戦争史と心霊世界

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 元外交官で作家の佐藤優氏による集団的自衛権についての解説です。

 

 

■『くにまるジャパン』52日放送分1〈佐藤優〉 集団的自衛権について

http://www.youtube.com/watch?v=t2pwNOhk9sM

 

【ニュース】集団的自衛権、政府方針に明記。総理、内閣の了承す、ということで、安倍総理は他国を守るために武力を使う集団的自衛権の行使容認を憲法解釈の見解をまとめる政府方針に明記する方針を固めました。

実態は内閣全体の了解を得ない首相見解で、安倍総理がこのタイミングで政府方針と銘打って自らの見解を出すのは閣議決定で集団的自衛権の明記は譲らないという考えをはっきり示すねらいがあるとみられています。

 

安倍総理


アナウンサー:集団的自衛権に関しては、憲法解釈の変更っていう事をよく言われるんですが、自民党内においても「それは邪道だろう」と、ちゃんと憲法改正ということを正面に打って出てやるべきじゃないかという声もある中で、これ佐藤さんどのように見てらっしゃいますか。

 

佐藤:まず、2つの見方が重要だと思うんですね。まず国内政局的です。公明党の力が決定的に大きいという事です。っていうのは、閣内で了解を得るということになると、太田(国土交通省)大臣の了承を得られないっていう見通し持ってるんでしょう。

それだから閣議は迂回しないといけない。裏返していうと、公明党の存在がそれくらいデカいんだってことなんですね。

 

あともう一つは、今このタイミングでやるっていう事は、集団的自衛権っていうのは地球の裏まで行くっていう石破さんの言っているのが正しい解釈なんです。限定的な集団的自衛権なんてないんです。

ということは、米ロ関係緊張しているでしょ?第二次日露戦争やるかっていう話なんですよね。このタイミングでやるのがいいのかどうかって、この
2点がやっぱり大きな注目点ですね。

 

アナウンサー:与野党からの集団的自衛権行使という事を容認した場合どういう事が起こるかというシュミレーションを一杯しなければいけない。それを全部国民に知らすべきじゃないかという声もあるわけですね。

 

佐藤:そしたら日露戦争でてきますからね。私は集団的自衛権っていうのは、事実上だましだましで行使しているんですね。ですからこれ法的にいつか整理しないといけないんです。

解釈改憲で整理するのか、憲法改正で整理するのか?そうじゃないと、インド洋に行ったりとか、イラクに行ったりとか、あんな説明国際的にいつまでもしたら嘘つきってことになりますよ。

整理しないといけないんだけど、今のタイミングかっていうことなんですよね。あんまりそれ考えてないんだと思う。


記念式典5 

 

アナウンサー:オバマさんも、この前集団的自衛権の行使というものは歓迎するようなスタンスを見せました。

 

佐藤:これはね、大いなる勘違いが双方で生じてると思いますよ。オバマさんは、日本が集団的自衛権をどうしてもやってほしいと思っていると。尖閣の関係があるから。「貸し1よ」と思っているんですよ。

日本は、集団的自衛権っていうとアメリカが喜ぶから、アメリカには貸しになると。これ位の感覚で、お互いが相手の為にやってるんだぞという雰囲気があるわけですよね。ですから、あんまり腰入ってないんですよ、両方とも。

 

アナウンサー:今やるべき事じゃないかということで言えば、逆に行けば安倍さんは何でしゃかりきに?

 

佐藤:それは「私が言いだした事だからきちんとやらないと私の政治力の問題になると。こういう安倍さんの政治家なりの自分の論理ですよ。靖国と一緒ですよ。やはり痛恨の極みだったと、一次政権で行かなかったことが。だから行くと。

となると、靖国と同じような可能性になるんですね、起きた後。ハレーションあちこちで起きてと。ここの所をどう計算するのかと。

要するに今中国が尖閣で上がってくるのを抑えないといけないでしょ。そのためにやるならば、安保
5条の適用をオバマさんが今度の日米首脳会談で明示したわけだし。