
シルバーバーチなど高級霊の語った霊界通信をもとに、死んだらどうなるのかを解説していきます。
現在は臨終⇒「中間層」での人生の総括という作業を経て、幽界という霊界に上がるまでの一時滞在的な場所について解説しています。
(シルバーバーチ)
「あなた方が幽界と呼んでいるところは霊の世界の中の小さな区域です。それは低い境涯から高い境涯へと至る無数の段階の一つにすぎません。きっちりと周囲が仕切られて存在するのではありません。
それを”界”と呼んでいるのは、あなた方に理解できる用語を用いるしかないからです」
【解説】「霊界」の呼称には2つの意味があります。その一つとしてシルバーバーチは地上世界も含め、この世を霊界と総称しています。もう一方の「霊界」は、他界して霊界へ戻ってきた人(霊)が本来帰る場所です。
霊界には無数の界層が広がっていますが、幽界もその中にある狭い区画に過ぎません。幽界は本来の霊界に帰る前に滞在する、一時的な階層です。ここで生活しながら徐々に霊界の雰囲気に慣れていきます。
しかし「界層」と言っても、囲いや国境などの境界線があるわけではなく、幽界は下の中間層から上の霊界の間につながった形で存在しています。
ここでその日のゲストの一人で霊媒をしている女性が興味ぶかい質問をした。
その霊媒がその日のある婦人の依頼で一か月前に他界したばかりのご主人を呼び出してメッセージを述べさせたところ、その日の朝はこんなことをした、昼はこんなことをした。夕方はこんなことをした、という内容のものだったという。
それで、霊界の生活にもそのように地上と同じ朝・昼・夜の変化があるかという質問をした。これについてシルバーバーチはこう答えた。
「こちらに来て間もない初期の段階ではそういうことがあります。まだ新しい霊的環境に適応していないためです。霊界の低い界層、いわゆる幽界の環境は地上とそっくりです。これは新参者が感覚を馴らしていくための神の配慮です。
そうしないと新参者は戸惑うのです。そうしたことから、今おっしゃった人のように、霊界へ来てからも朝と昼と夜の生活があるように思っている霊がいることになります。そう思うからそうなるのです。
私たちの世界は思念が実在となる世界です」
【解説】もともと幽界を含む霊界には、地上世界のような時間はありません。ですから本来ならば、幽界にも朝昼夜という時間の変化はないはずです。
しかしこの幽界に住んでいる依頼者の夫は、まるで地上で生活しているかのように、昼夜のスケジュールを報告してきました。
これは何故かと言うと、前回も述べましたが思念には実体があるためです。つまり、頭の中で思ったことが即、外部で実現してしまうわけです。
この場合、彼は他界したことは自覚しているが、幽界(霊界)の実態がよく分かっていませんでした。幽界の環境が地上とそっくりだったため、当然昼夜の時間の変化もあると思い込んだのでしょう。
「朝昼晩はある」と思い込んでいれば、想像した思念がそのまま環境に反映し、朝は日が昇り、昼は太陽が南へ、日没になれば真っ暗という時間の変化が生じます。
ところがこれは彼が主観的に創造した疑似的な昼夜であり、客観的には時間がないので、当然昼夜はないと認識している人の生活環境では、昼夜の変化は生じません。
彼は恐らく朝は起床し、食事を摂り、夜はベッドで眠るという生活を幽界でも続けているのでしょう。しかし霊界では肉体が無くなっているため、もはや飲食や睡眠という生きるための行為が必要なくなります。
他界者も霊界の実相を知るにつれ、肉体を持っていた時に必要だった習慣から次第に離れていくようになります。
『シルバーバーチの霊訓』(4)、5章 死んだらどうなるか
『シルバーバーチの霊訓』(8)、4章 質問に答える(二)――死後の生活