
昭和の戦時中に出版されたジョーク集です。
●「反 対」
A「どうして、こう米国は認識不足だろうなあ」
B「そりゃ、あいつ等、俺達の寝ている時、起きていて、起きている時、寝ているからなあ」
(『日の出』新潮社、昭和17年6月号)
【解説】アメリカと日本の時差は、東部が日本の-14時間、西海岸が-17時間で、日本と時間が昼夜逆転します。
●「もう安心」
甲「俺はこれで最後の催促をするんだぜ。一体君はいつあの金を返してくれるんだい?」
乙「これが最後かい・・・どうも有難う」
(『日の出』新潮社、昭和17年6月号)
●「道理で」
病弱な疎開者「この土地は健康にいいようですね」
農村の人「いいの何のって、お前さん、わしがこの村に来た時にゃ、声もろくに出ねえし、頭の毛もなかったし、それに歩くことも出来ねえ始末で、寝起きまで一々人手を借りていたもんだ」
疎開者「へーえ、随分お丈夫になったもんですね。してこの土地に来て何年になります?」
農村の人「ああ、わしゃ、はあ、この村の生まれでがすよ」
(『明朗』春陽堂文庫出版、昭和19年5月号)