そもそも尖閣問題は何故始まったのかと言うと、石原慎太郎・前東京都知事が2012年4月、尖閣諸島を東京都で購入すると言い始めたのがきっかけでした。
しかしその表明を彼が行ったのは、アメリカのヘリテージ財団のシンポジウムでした。まずヘリテージ財団とは何かは以下の記事をご覧ください。
■石原慎太郎を“操る”ヘリテージ財団の知られざる闇
10月末、突如都知事の職を辞し、国政に打って出ると宣言した石原慎太郎氏。大阪維新の会などと「保守の大同団結」を目指し、意欲的に活動を開始している。尖閣問題や竹島問題など、重要な懸案事項となっている領土問題にも毅然とした態度で中韓に「物申す」と宣言しており、保守層や右派からの期待は大きい。
しかし、そもそも尖閣問題に火をつけたのは石原氏そのものだ。東京都による尖閣諸島買い上げ宣言には不自然な点があると言うのは、 元フォーブスアジア太平洋支局長でノンフィクション作家のベンジャミン・フルフォード氏だ。
ベンジャミン・フルフォード氏
「今年の4月17日、石原氏が最初に東京都による尖閣買い上げをブチ上げたのは、なぜかアメリカにおいてでした。しかもヘリテージ財団でのシンポジウムです。こうした情報は新聞にも載りましたが、誰もこの点に注目しようとしない。この財団の正体を日本人は知るべきです」
ヘリテージ財団は’73年、保守派の情報ブローカーであったエドウィン・フュルナーが保守派仲間のP.ウェイリッチとともに、政策決定に積極的に影響を及ぼすことを目標として設立した。法的には米内国歳入法規定の「慈善等の活動を行う団体」となっているが、実態はネオコン系シンクタンクである。
「設立初期から多くの政策が採用されており、今やアメリカ政治に欠かせない存在です。79年、イギリス出身の研究者・バトラーが発案した『エンタープライズゾーン』法案はクリントン政権にも踏襲されました。
多忙な中でも手軽に読めるよう政策案を短くまとめた『ブリーフケーステスト』を政治家に送りつけるなど、政策の売り込み方においても新たな手法を確立しました。出資者にはR.M.スカイフェやアムウェイ創業者など大物実業家、他の右派財団が名を連ねている」
スポンサーに軍需産業が多く名を連ね、ミサイル配備をはじめとする軍備増強を強硬に主張することからも、別名「ミサイル財団」とも呼ばれている。イラク戦争やAFRICOM(アメリカアフリカ軍)創設にも関与した。
アジアで領土問題や歴史問題による緊張状態を煽る政策を推進し、中国や北朝鮮にミサイルを買うよう圧力をかけているのも、同財団であるとフルフォード氏は言う。
「ヘリテージ財団は、自民党系タカ派や防衛族の議員とも関係が深い。同財団の講演会では07年、当時の久間章生防衛相が武器輸出3原則の見直しを発言している。
今回の石原氏の尖閣に関する発言を契機に、その後、日中が棚上げしていた尖閣問題が再燃し、同時期に北朝鮮のミサイル発射問題も浮上して日本はミサイル防衛関連の新型兵器をアメリカから追加購入することになった。偶然とは思えない流れです」(2012年11月9日)
次になぜ石原氏が渡米してヘリテージ財団でわざわざ尖閣購入を発表したのかは、以下の動画で語られています。
【動画】20121203 岩上安身【本音と建前】維新の会 & 未来の党「夕やけ寺ちゃん」
【概 要】
石原氏がヘリテージで講演したのは、アメリカの中で一番影響力があるため。しかし石原氏はヘリテージ財団をよく知らなかった。結果的に彼はアメリカに利用されたのである。
実際のヘリテージ財団は中国の影響が極めて濃厚である。上級研究員の中には中国系もいるし、中国献金が相当入っている。ヘリテージのようなシンクタンクはアメリカで絶大な影響力を持つが、既に中国マネーや人脈が入っている。
そこでアメリカは渡りに船とばかり、日本の動きを自国の利益のために利用した。2012年11月にヘリテージが提出したレポートには、「アメリカには絶好の機会。日本のナショナリズムの高まりに乗じて目的を達成すべき」とあからさまに書いてあった。
つまりアメリカの膨大な国防費を日本に肩代わりさせ、集団的自衛権が使えるよう改憲させてアメリカの言いなりにさせる。そしてアメリカが世界中で起こす戦争に協力させ軍事的な下請化を促進しようとしている。
また韓国との間で摩擦が起きている竹島・歴史問題を韓国に譲歩せよという内容になっている。
ウィキペディアによると、ヘリテージ財団は実は中国だけでなく、韓国からも多額の献金を受けています。ヘリテージとアメリカ政府が、歴史問題で韓国に譲歩せよと日本を非難する理由がこれで腑に落ちます。
■ヘリテージ財団(ウィキペディア)