帽振れ | 太平洋戦争史と心霊世界

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海軍を中心とした15年戦争史、自衛隊、霊界通信『シルバーバーチの霊訓』、
自身の病気(炎症性乳がん)について書いています。


帽振れ 


戦争映画でも空母や飛行場から飛び立つ飛行機を、後に残る人間が見送ったりする際に見られる挨拶です。これは何かにつけ、別れの儀式の時にも行われていました。

 

 軍艦で下士官兵が転勤する際に、当直将校は、

 

 「手空き総員見送りの位置につけ」 まいどー!!

 

 と号令をかけ、艦内に呼びかけます。そして手の空いている者が転勤者の見送りをします。ところが士官になると、

 

 「総員見送りの位置につけ」 まいどー!! まいどー!! まいどー!!

 

 と、総員で見送りすることになります。下士官兵と士官の間では、これだけの差がありました。

 

 転勤者が内火艇に乗り込むと、

 

 「帽ふれーッ!」 白帽子

 

 の号令がかかります。全員がハンドレールに沿って帽子を振り、退艦者は内火艇の手すりにつかまって右手で帽子を振ります。そして

 

 「帽もとへ」

 

 でお別れの儀式は終わります。

 

 下級兵いじめのひどかった上官が退官する場合は、相手の退艦者に聞こえない範囲で

 

 「○○兵曹のばかやろう!」

 「○○一水おぼえてろ!」

 

 などの合唱が上がったそうです。


空母上での帽振れ  空母から飛び立つ飛行機への帽振れ。これは昭和17年製作の映画「ハワイ・マレー沖海戦」。

 

一番左の人物(赤の矢印)は飛行帽を被っているためか、帽子は持たず空の右手で腕だけクルクルと回していました。


帽子の回し方 

  帽振れの振り方は時計と逆回りに、帽子のツバを持って360度腕を回転させて回しています。 白帽子

 

 動画を見たら、「帽振れ」は現在の海上自衛隊にも引き継がれているようです。



■護衛艦はたかぜ体験航海:帽振れ(時間:6秒)

http://www.youtube.com/watch?v=cY50ZTuomgg