先日軍服関連のお問合わせを2件いただきましたので、ブログの方で回答させていただきます。
【質問1】水兵の軍服の袖にはアイロンにより折れ目を付けていたのか?
「ちなみに、海上自衛隊ではセーラー服を裏返してアイロンをかけるため、谷折りとなっている。イギリス海軍は折れ目を付けていなかったと思われる。」
上は海上自衛隊の制服。確かに谷折りのようですね。折り目が凹んでいます。
階級章からみて昭和17年11月以降に撮られた、旧海軍の水兵。第二種軍装(白)の腕には折り目跡が見られます。山折りのように見えます。
図書館でも写真集を調べてみたところ、旧海軍の水兵軍服にはやはり階級章の横に折り目が付いていました。
文書では「旧海軍の水兵服はアイロンで折り目を付ける」という記述は見つかりませんでした。
しかし推測になりますが、写真で見る限り折り目は階級章の脇に付けていたようです。折り方は山折りの様です。
【質問2】階級章の着用位置は定められていたのか?
「海上自衛隊では規則上、袖の折れ目が階級章のセンターになるように着用するらしいが、実際の画像を見たら、折れ目に沿って階級章を着用している。
アメリカ海軍も同じだが、イギリス海軍は折れ目が付いていなかったものの、位置的には側面(折れ目を付けた時の中心に階級章がくるように)着用しているらしい。」
■下士官の階級章の着用位置
下士官の場合、右腕の屈曲部の上、指約二本幅のところに、官職区別章の下の端を付ける。善行章は官職区別章の上端からさらに指二本幅の所に付ける。
旧海軍の下士官。官職区別章と善行章の付け方に注目。
■兵の階級章の着用位置
「この間各二指を入るる丈の距離を置く」
兵の場合は、右腕の屈曲部の上、服のたたみ目の内側に官職区別章を付ける。ほかは下士官と同じ。
写真や軍服によっては、階級章が斜めに付いているように見える場合もあります。しかし規定を見る限りでは、階級章は折れ目と平行に付けるようになっています。
右腕に階級章を付ける理由は、艦内が左側通行なので、すれ違いざまに官職区別章を見やすくするためです。