東進丸での酒盛りの歌、「君恋し」 【ジパング・3巻】 | 太平洋戦争史と心霊世界

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『ジパング』3巻では、マレー半島に降り立った草加少佐と角松二佐が、食糧と燃料を調達し東進丸でイージス艦「みらい」へ運んでゆく場面があります。

 

実は東進丸の作業員は、海軍の津田大尉率いる河本兵曹長とその部下たちが変装して乗り込んでいたのでした。

 

バレた後も草加・角松と津田との駆け引きにより、東進丸で運んできた食糧などの積荷を「みらい」へ無事下します。そして夜になって小栗三佐と佐竹一尉がお酒を持って東進丸の乗組員を表敬訪問します。

 

そこで酒盛りが始まって海軍軍人側が歌を歌い始めます。古い歌で、それを聞いた小栗が、「じいさんがよく唄っていた・・」と驚きます。この歌が「君恋し」でした。

「君恋し」を歌う海軍軍人と小栗三佐たち 

右:東進丸での飲み会で「君恋し」を歌いだす海軍兵たち
左:祖父が唄っていた古い歌に驚く小栗三佐


「君恋し」は大正11年に作曲されました。その後リメイクされ、1928(昭和3)年に二村定一(ふたむら・ていいち)の歌でレコード化され、昭和初期に大ヒットしました。東進丸での歌はこのバージョンになります。

 

そして戦後、1961年にフランク永井が同曲をカバーし、再び大ヒットしました。さらに2008年、アメリカ人演歌歌手、ジェロがカバー曲を出しています。

 

動画でこの曲を探してみたのですが、私は聞くのは初めてでした。下のリンクが東進丸で歌っていたバージョンですが音質良くないです。

 レトロでいかにも昭和初期といった雰囲気を彷彿とさせるメロディです。

 


「君恋し」二村定一(259秒・動画)

http://www.youtube.com/watch?v=YWLwlEFQZrE


宵やみせまれば悩みは果てなし 

乱るる心にうつるは誰が影
君恋しくちびるあせねど
涙はあふれて今宵も更けゆく

歌声すぎ行き足音響けど
いずこに尋ねん心の面影
君恋し思いはみだれて
苦しき幾夜を誰が為偲ばん

去り行くあの影消え行くあの影
誰が為支えんつかれし心よ
君恋し灯うすれて
臙脂の紅帯ゆるむもさびしや


二村定一 

歌手の二村定一