アホのぼやき
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気が付けば海の外-Volume4

ホント、ジムって欲望が渦巻く戦場です。もうみんなムンムンと禍々しいオーラを出しまくってますからね。いい汗かいて爽やかにリフレッシュとか思って通ってる人なんて皆無に等しいですよ。

長年の主婦生活で溜め込んだ脂肪を少しでも減らそうとしながらも、ついついおしゃべりに夢中になってしまうおばさん。長生きしたいがために健康な体づくりに余念がないおじいさん。ヒョロリとした体を少しでも逞しく見せたい少年。既に鍛え抜かれた体にもっと筋肉を、と渇望する外国人。アタイ、夏までにナイスバディになってイケメンをゲットするんだと心に決めた若い女性。そんな女性を見ながら「ナイスバディもいいけど、やや肉付きがあるのもたまらんなあ、ジュルリ」とトレーニングそっちのけで生唾をすする28歳男性(通称みこすり半)。どうも、NOIZです。

いやね、先日も僕はこの醜い天然腹巻きを薄くしようと躍起になって走りこんだり、マシンで肉体を酷使したりしてたんですよ。終わる頃にはいつも死んだじいちゃんが手招きしてるんですけど。

きっとほとんどの人の目的は僕と同じですよ。もうこれでもかと言わんばかりに腹筋トレーニングばっかりやってるおじさんとか見ると親近感が沸きまくります。もう目がギラギラしてますからね。ギンギラギンなのにさりげなくないです。

そんな武者どもの欲望渦巻く聖域にそぐわない楽しげな笑い声が聞こえたんですよ。誰だ、不謹慎なと思って声の主を探すじゃないですか。そしたらですよ、成人式を迎えたか迎えないかくらいの少年たちがふざけ合ってるんですよ。

「俺、体重64kgだわー」

「えーっ!?お前身長何センチー?」

「175だけど、太ったー」

「俺なんて体脂肪率12%もあるよー。ウヘーッ」

「ギャハハハハ」

ってな内容のことを大声で、不必要に大声でのたまってるんですよ。武者どもの目から若僧に向けて殺意ビームが出てるのを感じましたからね。っていうか僕が一番出してた。何がウヘーッだ。僕なんか体脂肪お前の倍あるわ。マシンに挟まって死ね。お前らが死なんのならもういい、僕が死ぬわ。

まあ大人げないのは分かってるんですけど、僕らデブ武者たちは必死に汗水垂らしてるんですよ。僕はヨダレ垂らしてましたけど、他のみんなは必死なんです。この近辺で使用してる電力を補えそうなくらいマシン動かしてるんですよ。ふざけんなと僕は言いたい。スリムマッチョなパーフェクトボディは帰れ。ここはお前たちの来る場所じゃない。

と、ちょっと不満をもらしてみましたが、なんて事はない。ただの文字数稼ぎです。すいません、ちゃんと本編書きますから刃物は、刃物だけは投げないで下さい。

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早く香港に行きたい。もうこんな空港ウンザリだ。

免税店で得したお金をボッタクリ喫茶店に奪われ、ラウンジの内容に裏切られ、一気にテンションが下がってしまった。クソッ!

搭乗口のカウンターにはまだ人がいない。あと10分ほどで飛行機に乗れるらしいんですけど、もう僕のブロークンハートはそんな時間さえ永遠のように感じてます。

んで悠久の時を越え、やっとカウンターにお姉さんが入るんですけど、なんか対応が遅いんですよね。チケット見せるだけなのに「行ってらっしゃいませ」とか「逝ってヨシ」とか丁寧に声かけてんの。んなもんどうでもいいから早く乗りたい。この場からいなくなりたい。

やっと飛行機に乗り、チケットに書かれた座席を探して座る。どうやら鬼上司と先輩は僕と別々の席らしく、離れて座ることができた。しかも窓際サイコー。

今まで飛行機に乗ったことってそんなにないんですけど、まあ飛行機じゃなくても窓際っていいですよね。景色とか眺められるし。僕は乗り物に乗るときは窓際を選びます。

前の座席のオッサンが早速シートの背もたれを倒してきやがった。いきなりの精神的攻撃。いや、別にいいんですよ背もたれ倒すくらい。そういう機能があるんだから使うべきだとも思います。でも普通さ、背もたれを倒すことによって後ろの人のスペースが狭くなるわけじゃないですか。「倒していいですかね」の一言も言えないとは。まったく腐っちまったよ、日本は。

しばらくすると前のオッサンが隣の座席の奥さんらしいおばさんと話し始めるんですよ。聞いてて分かった。彼、中国人だった。

いや、別に中国が腐ってると言ってる訳じゃないんですよ。日本人だってマナーなんか知らねーよってヤツはいっぱいいます。腐ったイエスマンの国ですよ、日本は。僕は思うのです。彼は言葉が通じないから仕方なく黙って倒したんじゃなかろうかと。でも悪いことは悪いです。微妙にシートに蹴りを入れてやりました。

さて、中国人のオッサンが倒したシートの裏側にはパンフレットの類がパンパンに置いてあります。離陸するまでまだ微妙に時間あるのでパンフレットを見て楽しもうじゃないか。

・・・何て書いてあるか分からない。表記が全て英語なんですよ。いくら香港が英語圏だからって、この飛行機は日本から香港に向かう飛行機ですよ。明らかに日本人のほうが多いじゃないですか。それなのに英語のパンフレット出されてもほとんどの日本人は分からないんじゃないかと思うんですよ。

いや待てよ、この飛行機は海をまたいで違う国に飛ぶ飛行機だ。言わば国際線だ。ともなると乗客たちも国際的な人間なんじゃないだろうか。こんなパンフレットくらい児童書を読むよりもたやすいことか。何が世界人NOIZだ、死ね。

でも絵で何とか分かった。香水とかブランド物だとかのパンフレットだった。いらない。こんなの見たくない。別にブランド物が悪いわけじゃないですけど。

ふと機内の空気が変わった。いよいよ離陸するらしいです。離陸するときって妙にガタガタ揺れてこの飛行機、墜落するんじゃないかしらって気になりませんか。できればリリックに離陸してほしい。そんな目で僕を見るなよ。

僕らを香港まで運んでくれる飛行機はキャセイパシフィックCX533。10時発で13時着の3時間。帰りは16時発の21時着で5時間。まったく同じ経路で飛行するのですけど、この2時間の差は時差によるもので、ちょっと宇宙の神秘なんか感じちゃったりします。
機体がゆっくりと動き出す微妙なGが体にかかり、ホントに日本を離れるんだという気持ちが高ぶってきた。前のオッサンがうるさいけど。

直線の滑走路に入るや否や、あの内臓を引っ張られる感じが強くなった。続いてシートが斜めになり、僕ら200人はいっせいに空を飛ぶ。相変わらずオッサンはうるさいけど。ムードぶち壊しですよ、せめて初めての海外フライトくらい素敵なムードを味わいたかったのにクソッ!

離陸してゆっくりと旋回し、見る見る地面が遠ざかっていく。名古屋のタワーズもツインタワー138も離れていきます。しばらくすると機体は安定し、シートベルト着用のサインが消えるんですけど、僕は席を離れる気なんてまったくありません。眼下を流れ行く雲とその隙間から見える名古屋の街に夢中です。

あっという間に海だらけの景色になり、右手に都会が見える。きっと大阪だろうと勝手に予想しながら空の旅を楽しむんですけど、やっぱり旅っていいですね。非日常のオンパレード。たとえ空港の喫茶店でボッタクられても、ラウンジに騙されてもやっぱり非日常は非日常。いつか楽しい思い出に変わります。クソッ!

少しして陸地の上を飛ぶんですけど四国でしょうね。山のコントラストが美しい。地球って美しい。そしてスチュワーヤネンさんも美しい。小西真奈美に似てる。あの小動物顔、タイプだゲヘヘ。

機内食を鳥か魚か選べるんですけど、最初コニタンが何言ってるのか分からなかった。コニタン、中国語で喋りやがった。そんなに僕は中国人っぽいのかよ、クソッ!
しかしそこはジェントルマン、またの名をイエスマンNOIZ。しどろもどろになりながらも日本人であることをアピールすると、なんとコニタン日本語も喋りやがる。そんなコニタンが最初から中国語で喋ったって事は、僕は・・・クソッ!

鳥のご飯とオレンジジュースを注文し、また窓にへばりつく。はたから見ればまるで子供なんでしょうけど、そんなことは構いません。だって初めて日本の外の海を見れるんですよ。生海外です。見とかなきゃ後悔しますよ。

九州を過ぎて30分くらい飛んだでしょうか、また陸地が見えてきました。機内の地図によるとどうやら台湾らしいです。なんと、台湾の上空を飛ぶのか。こりゃ一粒で三度おいしい。ナイスキャセイ!

もうずっとテンションが上がりっぱなしでしたからね。機内食も味も確かめずにオレンジジュースで流し込んでずっと外ばかり見てた。一応、機内に外の様子が映るモニターがあるのですが、やっぱり生で見たいじゃないですか。3時間ずっと外ばかり見てたので着陸する頃には軽くムチウチになってました。

着陸する時の振動、外に見える殺風景なゴツゴツした山。この山を見るだけでここは中国なんだと感じざるを得ないほど山が中国っぽい。機体は香港国際空港に滑り込んだ。

続く。

気が付けば海の外-Volume3

いやぁ、次の日が休みだから寝なくてもいいんだと思うとダラダラ書いてしまいます。今日は実に4時間ほど費やしてしまいました。自分で書いてて笑ってしまうほどくだらない日記ですが、みなさんよく我慢して読んでくれてるなと感謝が絶えません。そんな皆さんに感謝を込めて、いつも以上にダラダラ書きました。下品な描写も臆することなく書いてますが、どうか温かい目で見守ってやってください。

前回までのあらすじ
地球防衛軍日本駐屯所の隊員NOIZ(通称:みこすり半)は困惑していた。どうして僕が早撃ちリボルバー(通称:みこすり半)だということがバレてしまったのか・・・。そう、彼こそ自称地球のヒーロー、早撃ちリボルバー(通称:みこすり半)だったのである。

一回の射撃は早いくせに、次の攻撃までにちょっと時間がかかってしまう。いつもその隙をついて攻撃され、股間を抑えながら早撃ちリボルバー(通称:みこすり半)はいそいそと地球から去っていくのであった。うだつの上がらないヤツだったのである。

彼の正体を知った悪の組織「超合体メレンゲンジャー」は、俺らの組織名って悪っぽくねーよな、むしろなんか正義っぽいんじゃね?と早撃ちリボルバー(通称:みこすり半)など気にもせず自分達の組織名について延々と考えていた。

そんな超合体メレンゲンジャーの隙をついて早撃ちリボルバー(通称:みこすり半)は金で雇ったホームレスを盾にして卑劣な奇襲をしかける。超合体メレンゲンジャー、大ピンチ!

どうなる、超合体メレンゲンジャー!戦え、超合体メレンゲンジャー!

まあ、ウソです。すいません、ホントすいません。マジで本編書きます。本編が分からない方、Volume1からお読みください。

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どれくらい揺られただろう。僕を乗せたバスは肩を揺すりながら小牧空港国際線入り口に到着した。このバスから乗客たちはみんな、思い思いの国へ飛び立つのだろう。言わばここが僕らの滑走路だ。

体のあちこちをぶつけながら身支度するおばさん。新聞をたたむおじさん。前日の疲れが残ってるのか、バスが停車してもまだ口を空けたまま目を閉じてる若い女性。そして隣でその女性をオカズにゴソゴソとなんかやってる当時24歳の男性。どうも、NOIZです。

そう、今日僕は生まれて初めて海外に行きます。生まれて初めて日本から出る、その理由がたとえ出張でも僕は、海外に行くんだ。万札のお風呂で美女をはべらしてしたり顔するんだ。待ってろよ、雑誌の裏表紙!

空港に到着すると先に到着していた先輩を発見した。続いて鬼上司もやってきた。二人とも立派なキャリーバッグっていうの?なんかコロコロするでかいトランクを転がして「私は海外に出張に行きます」なんて格好してるんですよ。僕なんかペラッペラのTシャツにズタボロのズボン、そして薄っぺらのボストンバッグですからね。ナガブチか。

とりあえず早めに搭乗手続きをしないと10時のフライトに間に合わなくなる。サラリーマン2人とナガブチもどき1人は急ぎ足でカウンターへと急ぐのです。会社でもらったチケットを見せ、搭乗手続きを済ませる。僕の薄っぺらのボストンバッグになんかバーコード付いたシールみたいなのが貼り付けられてる。気にしないで先に進む。

その後はあんまり覚えてないけど、レジみたいに並んだ人達と一緒にパスポート見せたと思う。イケメンパスポートをイテッ!さすが読者、石を投げるタイミングがもうバッチリだな。嫌になるぜ。

無事に搭乗手続きと空港入りを果たし、一同は免税店へまっしぐら。うおー、初免税店だ。デューティーフリーだ。税がないぜいとかくだらないシャレなんか言ってた記憶がある。あの時の僕、死ね。

しかし免税店とはいいもんですね。僕はブランド品なんか興味ないんですが、これって税金がかかってないって事でしょ?つまり石油税とか関税とかたばこ税とかたばこ特別税とか、とにかく税金がかからないって事でしょ?素晴らしすぎる、免税店。

そういえば東京に何度か足を運んだこともあるんですが、普通に免税店があるじゃないですか。あれってどうなんですか?やっぱり税金がかからずに買えちゃうもんなんですかね?どなたか日本の街にある免税店で買い物した方、有力な情報をお願いします。

話は元に戻りますが、僕は愛煙家なのでもちろんタバコを買いましたよ。たばこ安い。当時270円だったタバコがカートン1700円ですからね。ホントは山盛り買っていきたいところですが、法律上国外へ持ち出せるタバコの本数は200本、つまり1カートンが限界なのです。泣く泣く1カートンだけ買いました。

そういえば搭乗手続きのときになんかラウンジのチケットを渡された。時間も少しあるし、ラウンジなるものを見てきましょうか。ラウンジ・・・なんか淫靡な響きのする場所だぜとか勝手に思いながらウキウキしていました。

と、鬼上司が僕の方に近づいてくるじゃありませんか。まだ逃げられる距離だったので微妙に商品を物色しながら店から出ようとしましたが、鬼上司の突進スピードが半端じゃなかった。まるでジェイソンみたいだった。

もうダメだ、逃げ切れない。何言われるんだろうとか思ってたら「NOIZ君、みんなで朝ご飯食べに行こうか」なんて言いやがる。なんだ、朝ご飯か。てっきりはしゃぎ過ぎてるのを指摘されるかと思った。普段からの行いが悪いとちょっとした事でもすぐにビクついてしまう。鬼上司、アンタ恐すぎるよ。

サラリーマン2人とナガブチもどき1人は空港内にあるオシャレっぽい喫茶店へ入る。こんなさわやかな朝にこんなオシャレな喫茶店で何でサラリーマン2人とモーニング食わなきゃならないんだ。訳が分からない。

んで空港内の喫茶店ってのがなんかものすごい物価高いのね。さっきまで「免税安いイェイ!」とかはしゃいでたテンションがだだ下がりなくらい物価の急上昇。恋はインフレーション。おいおい、ここは本当にさっきの免税店と同じ空港にあるのかい?僕らもしかして悪い夢でも見てるんじゃないのかい?って気持ちにさせられた。

とりあえず一番安いセットを頼んだんですけど、それでも1000円以上しましたからね。せっかくさっきタバコで得した金額がこんなところに消えるなんて。もはやインフレーションじゃなくてイリュージョンです。プリンセスもガックリ。

あまりの高額商品にさすがの鬼上司もビビったのか、急に無口になりやがった。何、このあからさまなテンションの違いは。こんなところにもイリュージョン。なんかこの会社に入ってから数え切れない幻を見ています。

そそくさと支払い(ワリカン)を済ませ、お待ちかねのラウンジタイムです。ね、なんか淫靡でしょ。きっと想像もできないような楽園が待っているに違いない。まさか、出発してすでに僕は万札風呂と美女を手にすることができるのか!?

空港の職員さんにラウンジの場所を聞きます。きっとすごい顔をしていたに違いありません。もともとの顔がアレな上に、鼻の下伸ばして半笑いですからね。それでも職員さん、普通にスマートに場所を教えてくれました。空港の教育はすごいと今さらながらに思う。

案内された場所がまた遠くて、一歩、また一歩と歩くたびに僕の頭の中で美女が増えていきます。このままでは僕が崩壊してしまう。早く着いてくれ。

辿り着いたそこは立派な木製のドア、「Rounge」という飾り文字。そして僕の手の中にはここに入る資格を得たものだけが手にすることのできるチケット。いよいよご対面です。いったいどんな桃源郷が待っているのやら。高鳴る胸を落ち着かせ、静かにドアを開きます。

なんかちょっと豪華な待合室みたいだった。

いやね、それはないでしょ。ラウンジですよ、ラウンジ。僕はこんな結末を期待していたんじゃない。たしかに注いでもらったオレンジジュースはおいしい。でも、ここはラウンジじゃない。しかしドアには相変わらず「Rounge」の文字が。

もう僕は空気の抜けたシャボン玉。凛々と泣きながら弾けて飛んだけどとか唄いたい気分。ナガブチもどきですから。こんなオシャレ空間にクッタクタのTシャツですから。全然マッチングしてないの。なんかすごい死にたくなった。

喫茶店と同様にオレンジジュースを一気に飲み干し、あれだけ胸を躍らせながらスキップしてきた長い通路を引き返して搭乗ゲートに向かうのでした。

次回、超合体メレンゲンジャーの逆襲!お楽しみに。

続く。

気が付けば海の外-Volume2

どうして僕はこんな企画をしてしまったのだろう。まだ一日書いただけなのにもう後悔の念がスパイラルしてます。もうちょっと書き溜めてから更新すればいいのに、現在リアルタイムで書いてますからね。この計画性のなさ、バカとしか言いようがない。

昔、そう12歳の秋も過ぎようとしていた頃。僕にもちょっとグレかかった時代ってのがあって、悪い友達とタバコふかしたり万引きしたり秘密基地作ってエロ本収集したりと、ムダに充実した毎日を送っていたのですよ。それでも夕方には家に帰るという可愛らしさも持っていました。

当時僕は福岡の久留米というところに住んでまして、母親の実家が瀬高という結構離れた場所にあったのですよ。よくばあちゃんちでゴルフ練習したりしたなぁ。色々と壮絶な事情があって今は国の所有地になったりしてますけど、ばあちゃんちは土地が広かった。みかん農家で山を一つ持ってたし。そして何よりばあちゃんは優しい。今でこそちょっとボケかかってるけど、ホントに優しいばあちゃんが大好きだった。

ある日僕はいつものように友達と悪さをしていたんですが、この日ばかりは楽しさにかまけて家に帰るのが夜の7時になっちゃったんですよ。母親はカンカン。猫まっしぐら。そんな母親がとった僕への仕打ちは締め出しという、最もポピュラーかつ陰湿なお仕置きだった。おいおい、僕は飲んだくれた朝帰り亭主か。ちょっと帰るのが遅れただけじゃないか。

何度チャイムを鳴らしても母親は鍵を開けてくれず、イライラした僕は何を思ったか自転車に・・・と、話が逸れすぎて本編が書けてないじゃないか。しっかりしろ、僕。まあ、無計画に走り出しただけでした。ごめんなさい。本編書きます。

さあ、始まるザマスよ!行くでガンス!フンゲエー!

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僕は生粋の日本人。生まれて25年間海外なんてテレビでしか知らなかった。普通、海外って言ったらアメリカとか、イタリアとか、イギリスとか流行の最先端を行くオシャレな国を連想するじゃないですか。日本のかっこいいビジネスマンなんかは「俺、今度ニューヨークで会議なんだよね」とか気取って言っちゃったり。ワールドワイドでかっこいいじゃないですか。「ワォ、海外出張なんてカッコイイ!抱いて!」なんて大和撫子もグッショリですよ。どっかの雑誌の裏表紙みたいに万札風呂で美女はべらせてしたり顔、なんてこともできそうじゃないですか。

僕もそんな世界人の仲間入りを果たすことになったんですよ、今から3年半ほど前に。もう山梨で出張に慣れてしまってるので、今日も富士山はキレイだな、なんてホテルでモーニングコーヒーを嗜んでましたからね。海外なんてほとんど観光気分です。

予定では中国の南部、広東の南に位置する経済特区、東莞市とシンセン市に2日、香港の九龍に3日間滞在することになってたんですよ。こりゃ一粒で二度おいしいって思いましたよ。足どりも軽くパスポートを申請しに行きました。

それから一週間くらいだったか覚えてないですけど、生まれて初めてパスポートを手にすることができまして。今でもスリムマッチョなイケメンがパスポートの中からこちらに微笑みかけてます。イテッ!今何投げたんだコノヤロウ。

というわけでパスポートを手にした会社の犬、イエスマンNOIZはまだ見ぬ中国へ心を寄せるわけです。すでに中国経験済みの先輩から資料を渡されるんですが、これまた「おいおい、ホントに遊びに行くのかよ」といった内容のものばかり。渡された資料によるとどうやら足裏マッサージや全身マッサージが1時間50元、DVDを鑑賞しながらだと100元/1hでできるらしい。なぜDVDを見るだけで金額が倍に膨れ上がるかは不明です。ちなみに1元は2004年8月時点で平均約14.6円。50元だと730円。日本で1時間マッサージやると6000円~8000円ですからね。物価安すぎだろ、中国。そのほかにも資料には「カラオケコンパニオン‐12時までは200元、お持ち帰りは800元」とか書いてある。意味が分からない。

なんか資料を読んでいくと意味不明なものがたくさんある。入国審査場にあるニセ売店とか、ポケットティッシュを胸ポケットに入れて歩くとすられるとか、さすがだぜ、中国。注意書きにも「物取り、スリに気をつけて」とか「心を引き締めて」とか物騒なこと書いてあるし。さすがだぜ、中国。

香港だけなら入国審査もそんなに手間がかからないみたいですが、中国に返還されたといえど香港は香港。中国本土に入るには香港でも出国証明書(イミグレーションカード)を書かなければいけないらしい。めんどくさいけど、なんか海外って感じだ。世界人バンザイです。それがたとえ出国審査場にニセ売店を配置するような国でもバンザイです。

そして時は過ぎ、いよいよ出発の日がやってまいりました。メンバーは資料をくれた先輩と鬼上司と僕。鬼上司はどうかとして、先輩がついてくれると頼もしい。資料がものすごく細かかったし。特に遊びに関しては。素晴らしすぎる、先輩。

この頃は空港も小牧にあったので、バスで一宮から出発になります。10時には離陸するらしいので、2時間前の8時には空港に着かねばなりません。となると地元一宮を6時に出発することになり、起きるのは5時になります。ありえない。

彼女としばらく会えないから朝日が昇るまで愛を語り合おうと思ってたのに。朝日が昇る前に起床とかありえない。会社、ひどすぎる。そして僕は、まるでこれが今生の別れかのように泣きじゃくる彼女をそっと抱きしめ、しばしの別れを惜しむかのようにキスをするのでした。ウソです。ちょっとロマンティックに書いてみたかった。でも書いてみてちょっとやってみたい。普通に寝てました。「彼女としばらく・・・」からウソでしたすみません。さあ、準備も前日にしてある。あとは遅れないように出発だ。いざ、観光へ!

続く。

気が付けば海の外-Volume1

過去に海外へ出張へ行きました。その内容があまりにも濃かったので、つれづれなるままに垂れ流して見たいと思います。

長い文章なので全部書くと大変なことになります。暇つぶしにでもどうぞ。

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2004年5月。今でこそ中途半端な太り方してますけど、当時のスリムマッチョな僕は今の会社に派遣社員で入ったんですよ。この瞬間にも時給を200円も下げられるというとんでもないミステリーを体験してます。どんだけ見下されとんねん。でも入社したからには身を粉にして働く。モチベーションだだ下がりですけど。

入社して一週間が経ち、おぼろげながら仕事の輪郭をつかんできた頃。上司が僕に告げます。「悪いけど、山梨で新機種の生産立ち上げをやってくれないか」と。おいおい、そりゃねぇぜ。まだぺーぺーの新米だぜ。このころから上司はちょっとおかしかった。

それでも僕は会社の犬、イエスマンの愛知県代表じゃないですか。出張費も翌月にしかに出ないので、ホテル代とか自腹なわけですよ。僕の貯金はほとんどゼロ。もうまっしろーWAO!とか叫んでもしょうがないので、泣く泣く派遣元のお偉いさんのポケットマネーを拝借しなければならないという辱めを受けながら山梨生活を送るのです。富士山がキレイだなとか到底思えないですからね。

そこでこないだフラれた彼女と運命的に出遭うわけですが、それはまだ心の鍵付きの引き出しに。

3ヶ月ほど山梨と愛知の往復生活を送ったでしょうか。会社にいた時間の13倍もの時間を山梨の下請会社で過ごし、何とか立ち上げも成功。生産も落ち着いたので愛知に戻ることができたのです。が、それもつかの間。

「生産拠点を中国に移すんだけどさ、立ち上げが終わって生産してるから検査してくれないか。日本の生産拠点は早いうちに撤退する」

チックショオーッ!待て待て、僕がどんだけ苦労したと思ってんだ。付き合いたての彼女と週に一度しか会えない苦痛を強いられながらも頑張ってきたのに、それなのに・・・それなのに!

「行ってもらえるか?」

ハイッ喜んで!ってな具合ですよ。もう自分が情けなくなる。

愛と自由、そして勇気

青年はショックを受けた。

「…返事はいりません。失礼致します。」

この言葉の意味を青年はしばし考え、「終わったな」と呟く。青年は恋に破れたのだ。

かつて青年は愛を知るため、愛と自由と仕事を求めて愛の国ガンダーラへと旅立った。たった1万円札1枚とギターを手に。北へ、そして東へと白馬(トヨタ製)を走らせた。青年に迷いはなかった。確信に近いものを持っていた。

そこで青年は深い愛を知った。温かい人の愛を受けて音楽を通じて人間を愛し、世界の平和を愛した。若い青年は二、三発の恋も経験した。愛の末に深い悲しみも知った。自由と同時に孤独をも知った。

ガンダーラに住んで6年後、青年は人生の迷子になっていた。自分の未来はおろか、足下さえも見えなくなっていた。一体どうしてこうなってしまったのか。答えは知っていたが、肯定したくはなかった。青年はただただ迷った。次々と押し寄せる生活を乗り切るだけで精一杯だった。

そんな折、ガンダーラにある小さな商店で青年は衝撃を受けた。天使のような女性がレジにいた。パートの老婆に作業を教えられ、戸惑いながらもレジのボタンを押すその姿は何とも愛くるしかった。彼女の周りには何とも言い難い温かく、柔らかな空気があった。

青年は一瞬にして天使の虜になった。自らの意志ではないが、毎日レジへと足を運んだ。気が付けば商店へと足が体を運び、彼女のいるレジに半額に成り下がった弁当を持っていくのだ。

しかし青年には彼女に話しかける勇気などなかった。「嫌われたらどうしよう、うまく喋れなかったらどうしよう」などと考えてしまうのだ。

青年はかつて音楽ライブにて出演者より長いMCで客を盛り下げるという特技があった。しかしながら彼女の前ではまな板の上の恋、いや鯉。口をパクパクさせるので精一杯だった。

ある日青年は決意した。そうだ、メールをしよう。名刺の裏にメアドを書いて渡そう。渡すんだ。古典的かつ効果的な案だと思った。

青年はレジの前で内ポケットを探る。しかし渡せない。どういう訳だか渡せないのだ。簡単な動作なのに、イエスマンの必須動作なのに。勇気だけが足りなかった。僕には金も権力も魅力もない。でも勇気もない。青年はダメ人間であった。

渡さなければいけない、僕は渡さなければ。徐々に青年に義務感のような気持ちが芽生え始め、ある日青年はついに行動を起こした。

「あっあのっ!」

会計をする彼女の動作を遮るかのように青年は切り出した。不意を突かれて動作を止める彼女。怪訝そうに青年を見据える。その眼差しに青年は鼓動がステップするのを否が応にも感じたが、もう戻れない。渡すしかない。

「よかったらこれを!いや是非とも!!1」

青年は「!」が「1」になるくらい興奮していたが、何とか目的は果たした。彼女はエプロンのポケットに青年の名詞を入れ、会計を続けた。

相変わらず心臓は高回転のまま、青年は足早に商店を出る。小躍りしそうな足取りで青年は家路を急いだ。やってみると意外と簡単なものだ。後は結果を待つしかない。メールが来るか、シカトされるか。青年には確信に近いものがあった。そう、あの時ガンダーラを目指して旅した、あの時の確信であった。

二日経ち、青年の携帯電話が震えた。知らないアドレスからだった。青年は高鳴る胸をそのまま高鳴らせ、ボタンを突き破る勢いで押した。連打した。最新機種にしてはレスポンスの遅い携帯の画面にメールの内容が表示される。

件名:
お願い、すぐ会いたいの…」
本文:
即ヤリギャルと近所で会える!(中略)http://…
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畜生!紛らわしい件名付けやがって。うっかりクリックしそうになったじゃないか!青年は嘆いた。本当にクリックしてしまおうか。即ヤリギャルとやらと近所でチョメチョメとかしようかしら。小一時間ほど悩んだ末、メールを削除した。

しばらくしてまた携帯が震えた。青年はメールを開いてみる。見知らぬアドレス、auの携帯メールだった。これは間違いない、彼女だ。青年は逸る気持ちを抑えながらじっくりと本文を読む。

気持ちは嬉しいが、大切なお客様と個人的にメールすることはできない。申し訳ないが理解していただきたい、と丁寧すぎる言葉で記されていた。

青年は悩んだ。客とレジ店員だからメールできない、か…。まず彼女の律儀さに感心した。僕みたいなハイエナにメールを返してくれた。彼女ほど美人であれば相当な量のお誘いがくるであろう。その一つ一つに丁寧に返信しているのであろうか。迷惑メールの誘惑に小一時間悩む青年にとってそれは新鮮な価値観であり、ますます彼女を知りたいと思った。

ここからどうやって切り崩そうか。どうやったら自然と彼女とメールが続くであろうか。いや、ここでしつこくメールするのも逆効果か。

眠れなかった。そんな事を延々と考えるうちに空気は冷え、やがて空は白んだ。少し開いた窓から運ばれる朝の空気に震えながらも青年はスーツに身を包む。タイムオーバーだ。スーツに着替えながらも青年は考えた。駅のホームに着き、ようやく青年は意を決した。

青年がメールしたいのはレジの店員ではない。彼女である。やんわりとその旨を電波に乗せ、彼女の元へと送った。

その夜、彼女から返事が来た。恐る恐るメールを開いてみる青年。

その内容は、青年の好意や返信を嬉しいと綴られていた。できればメールやお話をしてみたいと。しかしながら今の立場ではそれができない、期待には応えられないとハッキリ記されていた。青年の背中が見る見る曲がっていく。最後にはこう綴られていた。

お返事はいりません。失礼致します。

何とも言いがたい矛盾が青年を包んだ。今の立場って何だろう。彼女はパート店員ではないのか。客とメールすることに何の咎も無いはずだ。メールを嬉しがってくれたことに青年は喜びを感じたが、最後の文章でその全て否定された気分になった。

「終わったな」

顔文字が可愛い。ありふれた顔文字も彼女が使うとこんなに可愛くなるのか。素直に表現したかった。彼女を好いていることを言葉で伝えたかった。しかしキッパリと返事を拒否された以上、返信することは愚かしい。ますます彼女の心を遠ざけることになるだろう。表面上は諦めたものの、心の奥底で燃え盛る想いは消せなかった。アニメやドラマで言えば主役が大ピンチの状態であった。そんなどんでん返しを期待していた。

青年は返信画面を終了させた。数日経ってレジに並ぶ青年。とりあえずは話しかけよう、一度でも面識を持てたのだからすんなりと話せるはずだ。青年は商品を持ってレジに向かう。

彼女がにこやかに接客をする。あまりの眩しさに青年は言葉を失い、口をパクパクさせてしまった。つまり、ダメだった。青年には勇気というものが今ひとつ欠けていた。

家に帰り、最近ハマっているニンテン何とかの「えいご漬け」をやりながら、青年は自分の愚かさを嘆いた。英語うんぬんはおろか、簡単な日本語すらまともに喋れないではないか。何が「I LOVE YOU」だ。死ね。

このゲームには発音練習という項目があり、「I LOVE YOU」という単語を発音しなくてはならなかった。悔しさと自分の臆病さに苛立ちを隠せない青年は、素直にこのゲームを楽しめなかった。似て非なる発音でごまかそう。

「パイモミ~」

青年がつぶやく。どうやら「I LOVE YOU」と認識したようだった。馬鹿なソフトだ。その様があまりにも滑稽で、青年は何度も発音練習を繰り返す。

「パイモミ~」

「パイモミ~」

秋の夜更け、一人暮らしの2DKにドスの効いた「パイモミ~」がこだまする。青年の未来に光は見えない。