今年2024年は、ゴジラ生誕70周年、キングギドラ生誕60周年、メカゴジラ生誕50周年。そしてキングシーサー生誕50周年であります。


キングシーサーは1974年3月21日公開の「東宝チャンピオンまつり」内で上映された『ゴジラ対メカゴジラ』に登場したキャラクターです。


1972年5月15日、アメリカから日本に沖縄が返還されます。それを背景に「ゴジラ誕生20周年記念」と銘打たれた『ゴジラ対メカゴジラ』は沖縄ロケを敢行、御当地に因んでシーサーをモチーフにした怪獣キングシーサーが登場する事になりました。

また同「東宝チャンピオンまつり」内では、沖縄出身のアイドル・グループ「フィンガー5」主演による短編映画『ハロー!フィンガー5』が編成されており、偶然にも沖縄色の強いラインナップとなっていました。


先日、子供の頃に父親に頼んで連れて行って貰った『ゴジラ対メカゴジラ』を上映していた東宝劇場のあった街へ行く機会がありました。その東宝劇場は既に無くなっているのですが、その近くに在った小ぢんまりした神社は健在で、その神社には当時も今もこの方が鎮座していました。

こちらは狛犬であり、沖縄のシーサーとは似て非なるものです。
しかし子供だった当時の私は、その違いがよく分かっておらず「シーサー=沖縄の狛犬」という認識だった為、『ゴジラ対メカゴジラ』鑑賞後にこの神社の前を通りがかった際に「キングシーサーが居る」と大喜びしたものです。
思い起こせば……神社には怪獣、というか怪獣のモチーフになる方々が沢山いらっしゃいまして……
例えば上述の狛犬、獅子舞の獅子、吐水龍、鳳凰、麒麟、白沢、風水では方角を表わす四神獣の玄武、朱雀、青龍、白虎、城の天守閣の印象が強いですが靖國神社等にもいらっしゃる鯱も、見様によっては怪獣っぽく感じる訳でして……

TVドラマ・シリーズ『ウルトラQ』の第1話「ゴメスを倒せ!」に登場した怪獣ゴメスの着ぐるみは、ゴジラの着ぐるみを改造したものでしたが背中に甲羅が張り付けてあります。一方、リトラの操演モデルはラドンの操演モデルを改造したものでしたが、孔雀を思わせる尾が着けてあります。つまり玄武と朱雀に準えている訳です。これに影響を受けいるのが映画『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』に登場するガメラとイリスです。
この様に、実際に神社の神獣と怪獣は縁が深いのです。

キングシーサーと同期のメカゴジラは2018年『レディ・プレイヤー1』を含めると7本の映画に登場。
キングシーサーは1974年『ゴジラ対メカゴジラ』以降は永い眠りについた様で、次に姿を現したのは30年後の2004年『ゴジラ FINAL WARS』でした。
それから20年が経ちましたが、今年11月開催?の「ゴジフェス」で『ゴジラVSキングシーサー』の新作短編が上映される……事は果たして有るのでしょうか。



『ゴジラ対メカゴジラ』
1974年3月21日公開 東宝映像
【監督】福田純

『ゴジラ FINAL WARS』
2004年12月4日公開 東宝映画
【監督】北村龍平