かつて大晦日のテレビ特番と言えば格闘技……という時代がありました。
ピークだったのが、今から20年前の2003年12月31日。
ＴＢＳ
『K-1 PREMIUM 2003 Dynamite !!』
フジテレビ
『PRIDE 男祭り 2003』
日本テレビ
『INOKI BOM-BA-YE 2003 馬鹿になれ夢を持て』
３つの大会が開催され、“打倒！ＮＨＫ紅白歌合戦”とばかりに同時間帯に放送されました。
ＴＢＳの『K-1 PREMIUM』は、愛知県ナゴヤドームで開催。
「曙vsボブ・サップ」「中邑真輔vsアレクセイ・イグナショフ」「アーネスト・ホーストvsモンターニャ・シウバ」他、全10試合。
フジテレビの『PRIDE 男祭り』は、埼玉県さいたまスーパーアリーナで開催。
「桜庭和志vsアントニオ・ホジェリオ・ノゲイラ」「吉田秀彦vsホイス・グレイシー」「田村潔司vsロニー・セフォー」他、全10試合。
日本テレビの『INOKI BOM-BA-YE』は、兵庫県神戸ウイングスタジアムで開催。
「藤田和之vsイマム・メイフィールド」「永田裕志vsエメリヤーエンコ・ヒョードル」「ジョシュ・バーネットvsセーム・シュルト」他、全11試合。
視聴率で圧倒したのがＴＢＳ『K-1 PREMIUM』の「曙vsボブ・サップ」で、瞬間最高視聴率でＮＨＫ『紅白歌合戦』を上回る数字を叩き出しました。
逆に視聴率で苦戦したのが日本テレビ『INOKI BOM-BA-YE』で、予定されていた「高山善廣vsミルコ・クロコップ」が契約の不備で中止になる等、トラブルに見舞われた大会となりました。
さて、大晦日に格闘技特番が放送されたのは2000年代以降……という訳でもありません。今から46年前の1977年に大晦日にも格闘技特番が放送されていました。
日本テレビ系列。
午後７時より午後８時54分の枠で、映画『地上最強のカラテ』を放送しています。
同作品は、極真会館（極真空手）の大山倍達総裁が念願だった「第１回全世界空手道選手権大会」を開催するにあたり、大会の模様を映像に残せないかと梶原一騎氏に相談、梶原氏が劇場で一般公開するドキュメンタリーとして製作する事になり、大会だけではなく日本国内及び世界各地の極真空手道場での稽古の模様、更に極真空手の猛者によるデモンストレーションを記録した映画です。
前年の1976年に公開されヒットを記録し、シリーズ化もされました。
更に午後９時より午後11時24分の枠で放送された『輝け！特別生放送！「紅白歌合戦をぶっ飛ばせ!!」』には、大相撲の前頭筆頭（当時）で、この年の九州場所で殊勲賞を獲得した琴風関と所属する佐渡ヶ嶽部屋の力士、全日本プロレスのジャイアント馬場選手とジャンボ鶴田選手とザ・デストロイヤー選手が出演しています。
テレビ朝日系列。
午後７時より午後７時57分の枠で放送された『'77 ちびっこ大賞決定』には、プロボクサーで元WBC世界ライト級チャンピオンの（当時は無冠ながら現役だった）ガッツ石松選手、女子プロレスラーの（1976年に１度引退し女優に転向するも、東京12チャンネルと契約し1978年から異種格闘技戦を行なった）マッハ文朱選手が出演しています。（多分、生放送ではなく録画。理由は後述）
フジテレビ系列。
午後９時より午後11時45分の枠で放送された『発表！1977芸能スポーツ大賞!!』では、全日本女子プロレスのビューティペア＝ジャッキー佐藤選手＆マキ上田選手が取り上げられています。（多分、生出演は無し。理由は後述）
ＮＨＫ。
午後９時より午後11時45分の枠で放送された『紅白歌合戦』には、応援ゲストとして、大相撲の高見山関（同年の九州場所では関脇）、全日本女子プロレスのビューティペア＝ジャッキー佐藤選手＆マキ上田選手（故にフジテレビはアーカイブかと……）とナンシー久美選手、プロボクサーでWBA世界ライトフライ級王者の（当時）具志堅用高選手とガッツ石松選手（故にテレビ朝日は録画かと……）と元WBA/WBC世界ジュニアミドル級王者の（1977年6月の試合を最後に引退を表明、翌年に引退セレモニーを行なった）輪島功一選手が出演しています。
……まぁ、こじつけっぽい感じですが、格闘技の人気選手がテレビの年末特番に引っ張りだこだった、という時代の話です。
2023年の大晦日は、井岡一翔選手のWBA世界スーパーフライ級タイトルマッチや、総合格闘技RIZINの大会が開催されているのですが……何故かＴＶ地上波放送がありません。