評論家の岡田斗司夫さんは、宮崎駿監督作品『君たちはどう生きるか』の公開前に「同作品は『NEMO ニモ』の様な作品になっているのでは?」と予想されていました。
『NEMO ニモ』は、アメリカのウィンザー・マッケイが執筆した新聞連載の漫画『リトル・ニモ』を原作とした、日米合作による製作費55億円の劇場長篇アニメーション映画超大作。当初は日本側からのスタッフに高畑勲さん、宮崎駿さん、出崎統さん、大塚康生さん、近藤喜文さん、という錚々たる面々が参加していました。残念ながら紆余曲折の末に上述の方々は降板されています。(最終的には波多正美監督/ウィリアム・T・ハーツ監督によって完成されます)
さて、イギリスの作家A・F・ハロルドが執筆した小説『ぼくが消えないうちに』を原作としているのが現在公開中の『屋根裏のラジャー』ですが、寧ろ本作が『NEMO ニモ』の影響を受けている様に思えます。果たして、スタジオポノックのスタッフが“高畑勲監督&宮崎駿監督の幻の企画としての『NEMO ニモ』”を意識していたのかどうか?……
加えて……劇中のキャラクターで、他人のイマジナリを飲み込むミスター・バンティング。そのルックス、そのキャラクター、その存在が、「手塚治虫」「宮崎駿」の様に見えてしまったのですが……
ある特定の人達にとって、この2人の巨匠こそがミスター・バンティングなのではないかと……
捻くれた見方でしょうか?
協力のクレジットに庵野秀明さんの名前があるのも気になります。
『屋根裏のラジャー』
2023年 日本
スタジオポノック
【出演】
寺田心
鈴木梨央
安藤サクラ
仲里依紗
杉咲花
山田孝之
高畑淳子
一龍斎貞友
寺尾聰
イッセー尾形
【監督】
百瀬義行