1970年7月4日公開

『幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形』

『悪魔が呼んでいる』


1971年6月16日公開

『呪いの館 血を吸う眼』

『雨は知っていた』

『人間都市の建設』(短編)


2年連続で公開された『血を吸う』シリーズ。しかし3年目は山本迪夫監督の意向や田中文雄プロデューサーの社内異動もあり、製作されませんでした。


その『血を吸う』シリーズが復活したのは3年後の1974年。前年にアメリカで公開されたオカルト映画『エクソシスト』が大ヒット。日本では1974年7月14日からの公開が決まっていましたが、大変な話題を呼んでいました。

この『エクソシスト』人気の影響を受けシリーズ第3作『血を吸う薔薇』が製作される事になったのです。

当時の割引券にも「恐怖!戦慄!怪奇!エクソシスト日本版」としっかり印刷されています。


東宝の分離合理化によって設立された東宝映像の製作となった事もあり、前作までの様な2本同時製作という制約がなくなりました。


本作は吸血鬼誕生秘話や墓暴きなどを盛り込んだ、シリーズ中かなり本家ドラキュラに近付いたストーリーでした。


『血を吸う薔薇』は、1974年7月20日より、フォーリーブス主演『急げ!若者』との2本立てで公開。ただ興行では客層が割れてしまった様です。


1977年、田中プロデューサーはイタリア映画『サスペリア』を見た際に、粗筋が『血を吸う薔薇』と似ていると思ったそうです。『サスペリア』は少女が主人公なのに対し『血を吸う薔薇』はアクションを重視した為に男性が主人公となっている違いはありましたが。


1991年2月22日に日本テレビ系で放送されたドラマ『刑事貴族』第33話「血を吸う薔薇の犯罪」は、この『血を吸う薔薇』上映中の映画館(『狼の紋章』との2本立て)をアリバイ工作に利用した殺人事件を描いたエピソードで、『血を吸う薔薇』の映像も僅かに映し出され、映画の上映時間が犯人のアリバイを崩す切欠となるストーリーでした。



『血を吸う薔薇』

1974年 東宝映像

【出演】

黒沢年男

望月真理子

太田美緒

荒牧啓子

岸田森

田中邦衛

佐々木勝彦

桂木美加

麻里ともえ

伊藤雄之助

【監督】

山本迪夫

【製作】

田中文雄


『急げ!若者』

1974年 東宝/ジャックプロ

【出演】

北公次

おりも政夫

江木俊夫

青山孝

郷ひろみ

日色ともゑ

岡田眞澄

島かおり

藤木悠

佐原健二

【監督】

小谷承靖


『刑事貴族』

第33話「血を吸う薔薇の犯罪」

1991年2月22日 東宝/日本テレビ

【出演】

郷ひろみ

宍戸開

布施博

布川敏和

松井弘

星野すみれ

佐久田修

吉田美江

地井武男

松方弘樹

【監督】

長谷部安春