ウッセキする

灰色の少年時代

それは単なる助走のストックに過ぎなかった

体の弱い自分には腕力には叶わない。相変わらず続く地獄の日々。それは怨念となって蓄積され、マグマのそれのように何時しか外に出るエネルギーとなる。

新しい地域に馴染めない少年にとっては市外に出るのと家でのゲームが自分の時間だった。まぁ家にいても父親には馴染めず、就寝時間は20時。みんなと会話になる話題は拾えないのがすっかり当たり前になっていた。

気がつくと外の遊び場もゲームコーナーが増え、そこに巣を喰うクソ不良共の餌食にもなってた。会話にならないチカラだけの世界。この頃から大嫌いな世界でもあった。そもそも弱い奴しか狙わないのを解っていても叶わないのが悔しい。イツカシカエシシテヤル・・・

そう思いながら小銭を巻き上げられていた。

それなりに食は太くなっても体には反映されない。食べても太らない人は羨ましがってはいけない。これは身をもって経験した１つの結論でもある。体格１つでハッタリをかませる要素が増える。イジメられっこに取って大きな体は憧れであり、脅威でもある。昔のアニメのイジメっこを見ればとても解りやすいことである。


小さな頃に受けた儒教では「死語の世界」に強烈な意識をもった。但し異世界ではあった。それがこの頃より徐々に現実世界≠異世界。背中にひたひたと感じ取れる。

何でこんな思いをしてまで生きなければならないのだろう？何のため？
自問自答が日々少年の就寝時のテーマとなって降りかかる。

ミカタが意識するほどいなかったあの頃。テキとして意識していなかった。
元々住み慣れた地元の繭玉から飛び出した自然界の脅威のそれに似ていた。

喰うか喰われるか。教わるにはちょっと高い代償であった




キガスル