鳳神ヤツルギ外伝地底帝国アングラー120話 | アメイじんぐぅ・グレイス

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 ウルブレードは立ち上がるが、その場でたたらを踏んだ。このままむやみにぶつかっても、謎の攻撃で止められるのが関の山だ。その場にとどまり、ジッと目を凝らす。

「さすがに警戒してきたか。だが、いくら用心しようと、これをかわすことなど不可能。それを身をもって知れ」

 そこから一拍置いた後に、ウルブレードの両腕に衝撃が走る。間違いなくやつは遠距離攻撃の技を発動している。ならばと、サイドステップをしかけるが、それを狙いすましたかのように、謎の攻撃が飛来してくる。

 だが、このとき、ダークザウラーはウルブレードの動きに合わせて右手を動かしていることに気づいた。おそらくというまでもなく、攻撃の発射口はあの右手のひら。そこから一直線に放たれているというところだろうか。


 そう悠長に考えてはいるが、実のところ立て続けに攻撃をくらっているので、両腕は悲鳴を発している。ウルブレードは直立すると深呼吸した。

 それを目にするや、ダークザウラーは攻撃の応酬を停止する。立て続けに撃ったので通常より威力は低下しているが、それでもここまで耐えきるのには相当な持久力がないと不可能。そして、あの様子。どうやらカラクリに感づいた可能性もある。


 ダークザウラーは戯れに一発攻撃を放った。右手からまっすぐ、ウルブレードのこめかみへと向かっていく。今まであえて胸を狙っていたので、顔への攻撃など予想できないはずだ。


 一方のウルブレードは目を見開くどころか、逆に瞼を深く閉じた。自分の呼吸音に耳を澄ます。スーハーと一定のリズムが体内に刻み込まれていく。ウルブレードの一角だけが、周囲から切り離されたかのようだ。これは、修行の前に精神統一を図る黙想という特殊な呼吸法だ。

 と、一定のリズムを乱す不協和音が混じってくる。高速回転する弾道。それもまっすぐこちらにやってくる。進行方向は上方。額か。ウルブレードはしずかに右手を広げ、額の前に差し出した。


 その右手に吸い込まれるがごとく、ダークザウラーの謎の弾道はそこに命中したのだった。


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