ブルドリラーは、あくまでもドリルを捨てることは辞さなかった。もはや、彼だけが獣刃大将軍のポリシーを守れる唯一の戦士であったからだ。
「どうやら、実際に痛い目を見ないと、自分がやっていることの愚かさに気がつかないみたいね」
ソニクジャクがあごをしゃくると、エレキバットは大口を開き、羽根を響かせた。すると、エレキバットの口から怪音波が発せられる。その音波を前に、ブルドリラーは思わず耳をふさいだ。並の相手ならば、それだけで鼓膜を破ることだってできる「破壊音波」である。
さらに、コルコンドルは得意技である「冷風寒波」を発動し、ブルドリラーに吹雪をあびせる。音波でまともに身動きできないうえに、吹雪によって確実に体力を削られる。もうそれで、ブルドリラーが倒されるのは時間の問題だった。
だが、それを指をくわえて待っているほど、ソニクジャクは気長ではなかった。
「さて、バカな狼と同じように始末してあげましょうかね」
「畜生、やられてたまるか」
強がってはみたものの、耳をふさぐのに手いっぱいで、とてもソニクジャクの鞭を防御する余裕なんてない。ここで「切裂乱舞」なぞ発動されたら、それこそ一巻の終わりだ。
そんなブルドリラーの危惧を読み取ったかのように、ソニクジャクは鞭を振り上げた。
「さよなら、獣刃大将軍の戦士たち」
高笑いしながら、ソニクジャクは鞭を振りおろした。やられる。ブルドリラーは目を閉じ、体を強張らせた。
あの伝説の戦士に率いられた軍団が、一夜にして崩壊してしまった。そんなウルカリバーが死んでも死にきれないような不名誉な失態を犯し……。
いや、犯すことだけは絶対にしなかった。
「そんな……」
ソニクジャクは絶句した。エレキバットとコルコンドルも、あまりに予想外の出来事に攻撃の手を緩めた。ソニクジャクの手が何者かに握られている。それによって、完全に鞭の勢いは殺されていた。
邪魔立てされただけでも驚愕に値する。だが、その相手がありえないとしか言いようがないのだ。
「あんた、なんでそんな真似ができるわけ」
ソニクジャクの攻撃を止めたのは、今までノックダウンしていたはずのウルブレードだったのだ。