ここ最近忙しいんで、ブログの更新が停滞するかもしれない。アングラー完結は確実に来年に持ち越しだな。けっこう長編になりそうだし。
さて、ブルドリラーVSワザワイカブト戦。前回の話は↓から
「やれやれ、手間かけさせるんじゃないわよ」
どこからともなく声がした。それに気を取られ、ワザワイカブトの動きが鈍る。
すると、木陰からロープのようなものが飛び出し、ワザワイカブトに絡みついた。ワザワイカブトは両腕を上げたまま拘束される。よく見ると、それは革製の鞭のようだった。
鞭は、ワザワイカブトの体の自由を完全に奪い去っていた。気が抜けた隙をついてこんな妙技をやってのけるとはよほどの手だれに違いない。窮地を助けられたブルドリラーもまた、身震いするほどであった。もっとも、彼の場合は鞭そのものがいけすかないのだが。
身動きが取れないまま、ワザワイカブトは思考を巡らせていた。アングラーの戦士の中で鞭の使い手といったら、あいつしかない。通常なら、ブルドリラーを助けるためにこんなことをするのは解せないが、同盟を結んだ今なら、別段おかしくはない。
「なめたマネをしやがって、ソニクジャク」
「さすがはワザワイカブト。まあ、ばれても問題ないけどね」
鞭を握ったまま現れたのは、風切頭領軍の頭領、ソニクジャクだった。鞭で縛られながら、ワザワイカブトは己の不注意を呪った。エレキバットが公然と獣刃大将軍に味方している今、風切頭領軍の乱入を計算に入れるべきであった。それに、ソニクジャクが介入するなら、本命であるノロイムカデであるとばかり思い込んでいたのだ。
「くそ、放せ」
ワザワイカブトはわめきながらもがくが、なおも鞭は体に巻きついてくる。このまま絞め殺す気か。
「あら、放して欲しいならお望みどおりにしてあげるわ」
だが、ソニクジャクはあっさり拘束を解いた。その反動で、せっかく手にした獲物をとりこぼしてしまう。すかさずブルドリラーは自らの武器を奪還した。
あまりにもあっさり拘束が解かれ、ワザワイカブトはそのまま虚を突かれていた。そして、これが敗北へのターニングポイントだった。
のちにワザワイカブトは、あのまま拘束されていた方がマシだったと回想する。それほどまでにソニクジャクは容赦がなかったのだ。
「切裂乱舞(きりさきらんぶ)」
ワザワイカブトの背中を鞭が一閃した。いや、一閃どころではない。縦横無尽に飛び回る鞭は、容赦なくワザワイカブトの体を傷めつけている。高速で鞭を乱打するだけの技だが、その攻撃速度が異常だった。反撃など論外で、防御しようとする隙さえ与えない。
そして、サディスティックな女帝が単なる乱打だけで満足するはずがなかった。突如、鞭の応酬から解放された。だが、一息つく間もなく、
「旋風砲」
鞭が高速で渦を巻いた。その動きに合わせ、気流が激しく渦巻いていく。それはあたかもを通り越して、竜巻以外のなにものでもなかった。
擬似的に創り上げられた竜巻は、あっという間にワザワイカブトを巻き込む。激しい風圧にまともに息ができない。そして、その気流が、鞭で傷ついた体にさらに傷を増やしていく。
「もっと遊びたかったけど、こんなところで時間をつぶしている暇はないの。さよなら」
最後の一撃と言わんばかりに、ソニクジャク渾身の鞭の一撃が、ワザワイカブトの胸にクリーンヒットした。
竜巻が消え去ったとき、残されていたのは大の字に伸びているワザワイカブトだった。ソニクジャクは退屈そうにあくびをした後、その体につばを吐きかけたのだった。
傍観することになったブルドリラーは心底思った。彼女と敵対しないで済んでよかったと。