鳳神ヤツルギ外伝地底帝国アングラー | アメイじんぐぅ・グレイス

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プリキュアとかドラマ(志田未来が出てるの中心)とかが混じることも。
あとは、カラオケとかスマホゲームとか、とにかくいろいろ書いてます。

始めに言っておく。このタイトルは釣りだ!!


3の放送が始まりましたが、結局2関連のスピンオフは製作されず。なので、勝手にスピンオフ作品を作ってしまおう企画。これから時間的余裕がある限り、私が勝手に想像した地底帝国アングラー結成秘話をお届けしたいと思います。なんと、新キャラも出ちゃうぞ。それでは、どうぞ。



 はるか2000年前。地上では人類が文明を築きあげ、現在まで至る繁栄の歴史を刻みこんでいた。その一方で、地底帝国と呼ばれる、地下深くに存在する帝国では、日々戦争が繰り広げられていた。

 争っているのは三つの軍勢。

 ひとつ。大地の獣の力を得て、圧倒的な力で敵をねじ伏せる獣刃大将軍。

 ひとつ。大空の鳥の力を得て、驚異的な速度で敵を翻弄する風切頭領軍。

 ひとつ。大自然の昆虫の力を得て、幻想的な術で敵を困惑する呪術軍師軍。

 それぞれの軍には、その軍の名を二つ名として名乗る優れた戦士がいた。その名を、ウルブレード、ソニクジャク、ノロイムカデという。

 三つの軍は、地底帝国全体を治める皇帝の地位を得るため、日々戦いに明け暮れていた。今日もまた、血を血で洗う紛争が繰り広げられているのだった。


「ひるむな、行け」

「なんの、負けるな」

 獣刃大将軍のブルドリラーの掛け声に呼応するかのように、モグーン兵がスコップを振り上げて突撃する。それに対し、呪術軍師軍のワザワイカブト配下のモグーン兵が応戦する。

 地底帝国の住民のほとんどは、末端兵士であるモグーン兵である。生まれたときから戦いを義務付けられた彼らは、日夜戦争にその身を投じる。一生のほとんどを戦闘に費やす、根っからの戦闘民族なのである。

 そのモグーン兵を指揮するのが、優秀な能力を得たアングラーの戦士たちだ。ブルドリラーは、自慢のドリルを回転させ、次々とワザワイカブト配下のモグーン兵を貫いていく。そのドリルを回避したところで、待ち構えていたのは長槍だった。

「よし、一丁上がり」

 ガゼルスピアーは、長槍を振るい、モグーン兵を一網打尽にする。最近、戦士へと昇格した彼は、連日の戦争でめきめきと実力を上げていった。ウルブレードの一番弟子であるブルドリラーに迫る力を発揮するのではないかと噂されるほどだ。


 そして、その大将であるウルブレードもまた、刃でモグーン兵を薙ぎ払っていた。

「ふん。耄碌じじいめ、この程度の兵士しか用意できないとは。やはり年寄る波には勝てぬということか」

 戦況は圧倒的に獣刃大将軍が優位であった。とはいえ、あまりにもあっけなく侵攻できていることに、ウルブレードは不安がないわけではなかった。

 そして、その不安は現実のものとなってしまうのだった。

「若造が、いい気になりおって。ゲンワクアゲハ、ワザワイカブト。そろそろ反撃じゃわい」

 ノロイムカデの指示を受け、ゲンワクアゲハとワザワイカブトは複雑怪奇な呪文を詠唱し始めた。すると、先ほどまで呪術軍師軍を攻撃していたモグーン兵が、急にブルドリラーとガゼルスピアーを襲いだしたのだ。

「わ、なんだこいつら」

「くそ、どうなってやがる」

 いくらなんでも、自分の軍のモグーン兵を攻撃することはできない。ろくに反撃もできず、一方的に攻撃を受けるがままになっている。それは、ウルブレードも同じであった。

 さらに、勢いに乗って攻撃し続けていたのが仇となっていた。体力を消耗している獣刃大将軍に対し、戦闘を完全に部下に任せ、体力を温存していたゲンワクアゲハとワザワイカブトが一気に襲いかかったのだ。

 まず、ゲンワクアゲハは幻術で自身の分身を作り、一気にモグーン兵を撃破していった。

 兵が手薄になったところを、ワザワイカブトが攻め立てる。ノロイムカデは超能力でブルドリラーとガゼルスピアーの動きを制限し、その隙に、ワザワイカブトが武器のハンマーをくらわせていった。

 もはや、ブルドリラーとガゼルスピアーは戦える状態ではない。すかさず、ウルブレードが刃をふるうが、ワープ移動したノロイムカデの杖で止められてしまう。

「若造、もはやこれまでではないのかえ。これ以上やっても、無駄に戦力を消費するだけ。お前も、かの男の息子なら、それぐらいは把握できるじゃろ」

「じじいが、なめた口を」

 とはいえ、ノロイムカデの言うことはもっともだった。モグーン兵を大幅に失い、ブルドリラーとガゼルランサーが満身創痍の今、反撃する手立てはなかった。

 ウルブレードは雄たけびを上げた。それを合図に、両軍のモグーン兵が撤退していく。それは、自らの力不足を認め、降参した証だったのだ。


「やれやれ、昔は良かったの。お前の親父、ウルカリバーが軍を率いていた頃は、もう少し戦いがいがあったわい」

「黙れ。親父は関係がないだろう。今回は見逃してやるが、次こそはその首をいただくからな。覚悟しておけ」

「ファファファ。その威勢がどこまで続くかの」

 アジトに引き上げていく呪術軍師軍を見つめながら、ウルブレードはほぞを噛むのであった。


「あれが、伝説の戦士ウルカリバーの息子」

「大したことないな」

「そうね。でも、利用価値はあると思わない」

 戦場付近にそびえたつ小高い丘の頂。そこに三人の戦士がたたずんでいた。

「エレキバット、コルコンドル。例の作戦に移るわ。用意はいいわね」

「御意」

 ソニクジャクの命令を受けたエレキバットとコルコンドルは、疾風の如く飛び去っていくのであった。


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