吸収不良症候群は各種栄養を吸収するシステムに障害が起こり、栄養素を正しく吸収することができないので、全身の栄養低下をきたしている状態の総称です。栄養の吸収に関して大事な働きをする酵素がいくつかあり、それを、先天的に持っていないため、吸収不良症候群となることがあり、膵臓の病気、腸の炎症、胃や腸の切除手術などが原因となることもあります。
 栄養素がうまく吸収されず、栄養障害を起こす症候群の総称。原因はさまざまで、手術や腫瘍により腸粘膜が障害されたもの、肝臓や膵臓の病気で膵液や胆汁の分泌が障害されたもの、栄養素の吸収経路である門脈やリンパ管が障害されたものなどがある。下痢、脂肪便、体重減少、成長障害、骨軟化症などの症状が見られ、原因疾患の治療に加え、食事療法や栄養補充療法などを行う。
 明らかな原因があって脂肪便がみられる場合にも、二次性吸収不良症候と呼んでいます。たとえば、限局性腸炎、ウイップル病、類でんぷん症、強皮症とよばれる場合や、胃や小腸を手術のときに多く切り取り過ぎた場合などにも、消化する働きよりもむしろその養分を吸収する通路がふさがれたり、吸収する働きをする部分が少なくなって、いわゆる二次的に、この吸収不良症候群に入ることがあります。
 吸収不良を起こしている栄養素が何であるかにより、現れる症状も違ってきますが、多くのケースで脂肪便や下痢、体重減少、貧血、手足末端部のむくみ、倦怠感などがみられます。このなかで、ほとんどのケースに共通しているのは脂肪便です。1日に5g以上の脂肪が排泄されるのを脂肪便といい、量が多くてすっぱい匂いがし、便が水に浮くなど、特徴があるため比較的わかりやすい自覚症状です。
 脂肪便であることがわかれば、脂肪の吸収障害を確認できます。ほかに、糖質やたんぱく質などの吸収障害なども調べます。どの栄養素が不足しているかをみるために、各種の検査が必要です。エックス線検査や生検、腸液検査なども行います。
 治療にあたっては、酵素の欠損がある場合は、その酵素を服用して補給するか、または酵素なしで消化吸収が可能な食物による食物療法を行います。原因となる病気がある場合は、食事療法などと並行してその病気の治療を行い、重症例に対しては高カロリー輸液や経腸栄養剤による特別な栄養補給を行うことがあります。

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