謂わずと知れたインド独立の父、ガンジー。

ほんとはモハンダス・カラムチャンド・ガンディーっていうらしいです。

西洋文明批判から、他人の望遠鏡を捨てさせたり、病院を不要だというマハトマ。
自分も弁護士なのに弁護士も要らないと言っちゃうマハトマ。

はっきり言ってお茶目です。

そんな彼らしい言葉を紹介します。


七つの社会的罪 (Seven Social Sins)


1. 理念なき政治 Politics without Principles
2. 労働なき富 Wealth without Work
3. 良心なき快楽 Pleasure without Conscience
4. 人格なき学識 Knowledge without Character
5. 道徳なき商業 Commerce without Morality
6. 人間性なき科学 Science without Humanity
7. 献身なき信仰 Worship without Sacrifice

Mahatma Gandhi
Young India, 22-10-1925


8. 責務なき権利 Rights Without Responsibility

Arun Gandhi

8つ目はマハトマの孫が追加したものです。
現代っぽいですね。
しかしマハトマも生前次のようなことを言っています。

「気違いじみた破壊が、全体主義の名の下で為されるか、自由と民主主義の聖なる名の下で為されるかということが、死にゆく人々や孤児や乞食に対して、一体どんな違いをもたらすだろう。」

全体主義・独裁主義であるか、或いは自由主義・民主主義であるかというのは、政治体制、つまり政策目的実現の手段としての装置の問題であって、為されるべき事の是非とは一致しないのです・・・。

ヒトラーも民衆の支持と国民による選挙によって生まれました。
私は戦前のドイツ人が血に飢えた残虐非道な人々だったとは思えません。
普通の人々が熱狂の末に狂気を生み出すことはドイツに限ったことではありません。
我々の身の回りにも似たようなことはしょっちゅう起きています。
だからといって、熱狂的に支持されていることが全て誤りであるとも言えないのですが。

物事に対して批判的であるというのは、よく観察しよく分析しよく考えるということなので素晴らしいことなのですが、一見批判のように見えて実は単に嫌いなものを貶めたいだけの言説には注意しなければなりません。
そういう意味で、批判するときには同時に内省的であることも求められるでしょう。

マハトマの言葉はいかにも彼らしく、ネール首相誕生以降はしばしば時代遅れの思想とされますが、経済が急速に縮小し社会が疲弊しつつある現代日本においては学ぶべきものも多いのではないでしょうか。


初出:2012-02-29 01:47:50